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留学生
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「以上ですべてのテストを終了する。なお、赤点をとった者はクラス表に貼り出すので、楽しみに待つように」
「「「「ええー!?!?」」」」
「うへぇ………惠~~」
「なんだよ引っ付くなよ気持ち悪い」
「赤点3つ取っちまったぁ~~…………」
「あー………」
「惠ぅ~………お前は~~………」
「富樫よ。お前が名前で呼ぶと悪寒がするんだが、風邪だろうか………」
「てめぇ酷いぞ!?」
知ったことか。
中間テストが終われば、体育祭がやってくる。2日間で優勝を競い、1位のクラスは遠足や修学旅行の行き先を決められる……(らしい)。俺には関係無いことなので詳しくは知らないが。
「だからテストどうだったんだよ、俺と赤点補習行こうぜ!惠よ!」
「46」
「46?………点?」
「俺は46位だった。赤点もない」
「…………………」
裏切り者ぉぉぉぉ!!!!
この日、富樫の悲鳴が響いた。
~~~
図書室
富樫がうるさいので、図書室で巻くことにした。妙高学園の図書室はもはや「室」ではなく「館」の間違いではなかろうか、というほど本が多い。しかも、予約すれば本を全国の学園から探してくれる(もちろん常識の範囲内の健全なもの)らしい。つい最近まで教科書読みまくってたせいで、整列された文字はしばらく御免被りたい。
「ふむ………鉄道関係も沢山ある……」
オタクではないが鉄道が好きなのですこし漁ってみることにした。お、スイッチバック特集の雑誌まであるとか、見逃した俺からしたら感動………
「あの………ちょと、イイデスカ?」
へ………?
「あっ、えっ?………はい?」
声をかけてきたのは美人だった………もとい女神だった………なんで言い直した。かわいいからか。髪は銀髪………ちょっと金に近いブロンド………っていうのか?肌は…………白っ!?なんだこれ眩しいって!!これぞ神ってるってことなのか!?そうなのか!?
一人、己の穢れを強制浄化させている(されている)俺をよそに、女の子………もとい美少女が、
「アノゥ、ショクエンシツはどこデスカ?」
「食塩質……………?」
要するに塩じゃねぇか。いや厳密には違うが。
「案内、タノミマシタ。ソシタラ、ここだってイッテマシタ」
「………………あ」
…………職員室か、ってそれも違うか?ここ4階だし。職員室1階だし。
「ええっと、先生に会いに行くのかな?」
とりあえず推理しよう。職員室が正解みたいだけど、聞いてる感じだとね。
すると女神…………もとい美少女は、オーウオーウ言いながら、
「イェース!タンニーンの先生に会いにイキマース!」
タンニーンのおっさ………うん。D飛ばしてんじゃねぇよ。ハイスクールだけどよ。
「やっぱりそうか。なら、1階の職員室が正解かな」
「oh……1階なのデスネ。ありがとうゴザイマス!Jesggâ!」
(いまなんつったこいつ)
美少女は台風のように階段を上って…………
「まてまてまてまて!そっち屋上だぞおい!」
なにこいつ天然か?絶滅危惧種なのか?
「oh!そうでシタ!下デスネ!」
……………
「んで、なんでこうなってんだ?」
「アノゥ………ショクセイカツ……どこデスか?」
いやそれは普段の食べてるものだろ!?
俺と美少女はなぜか東町に来ていた。妙高学園があるのは西町。そこからだと最短で中町を通り恐らく徒歩で30分………日が落ちかけてるよ。テンションもだけど。
「あとこの大量の葱はなんだ!?匂いスゴいし涙止まらねぇんだけど!?」
美少女曰く、近所のおばあさんに貰ったらしい。どこでおばあさんと絡む要素あった。あとテンション下がってなかった。訂正。
「コレ、ネギって言うのデスか………初めて見まシタ!(涙)」
感動の涙にはこれっぽっちも見えねぇけどな!あとそもそも葱を知らないっっっっ!
「ワタシ、すごくカントーしてイマス!」
どこからツッコんだらいいかなぁ!?ねぇ!?
「と、とりあえず学園に戻ろうか………」
「ソデスネ………」
夜7時。
この後、担任の先生に怒られた。なぜだ。
「同じクラスだったのか………そういえば空席が1つあったな………」
「ハイ!祖国の事情で、来るのがオソクなりましータ!」
Θ。それはシータだろ。どうでもいい。
「んじゃ、気をつけて帰れよ。また学校でな。明日から登校するんだろ?寝坊すんなよ」
「あっ、ありがとうゴザイマス!このご恩はイッショー忘れまセン!megšuvii!」
時々祖国の言葉でてんぞ。やかましいやつだな…………明日からこいつと同じクラスか。魔女といいこいつといい、正直面倒くさいメンバー多くないか………
「って、もういないし!?」
流石にこれ以上迷わないだろう……………
考えれば考えるほど不安になってきたが、もうすぐ8時………見回りの先生が来る時間らしい(富樫&國寺情報)ので、探すのは諦めた。
「はぁ…………とりあえず、帰るか…………」
明日からの学校生活、別に苛めとかないけど、足取りは重かった。鳥取ではない。わかるよ。
「さぁて、私も面白いの見れたし。帰ろっかなぁ………」
校舎の屋上。給水塔の上。月夜の魔女の声が木霊する。
翌日
「おはよー富樫」
「おはよう。なぁなぁ!転校生くるらしいぜ!マジだったぜ!?」
「へいへい」
朝からハイテンションの富樫をよそに、俺は体が怠かった。昨日の東町往復徒歩という所業が全身に来ていた。往復徒歩って彳多くね?どうでもいいが。
「美少女だといいな!」
そうだよ。
「噂では留学生らしいぞ!」
そうだよ。
「金髪とかなのか!?いいねぇいいねぇ!」
そうだよ。
「なんだよー。椿ー。ノリが悪ぃぞー」
だって知ってるし………とは言えない。と言うのも、
~昨日~
「アノ!」
「ん?どうした?」
「ワタシ、明日自己紹介シマス。ワタシ、見なかったコトにしてクダサイ」
「あ、おう…………おう?」
「…………」
と言うことがあった。理由も聞けないまま美少女は帰っていったので詳しくは分からない。分かったら超能力者だよ。エンドオブワールドだよ。
「まぁ、来たら来たじゃね?」
「うわー、つれねぇー」
ぶーぶー言う富樫を無視しながら昨日借りた雑誌を見る。ふむ。振り子式の電車はこの時代から出来たのか………なるほど。
「ねぇ?メグクン」
出たよ魔女。ゆっくり雑誌を読む時間もねぇのか。国民は自由だー。棒読みも良いところだが。
「あんだよ蓮華、なんか用か?」
「あぁぁっ!」
「んだよびっくりするじゃねぇかよ!?」
「ワタシのこと、蓮華って呼んでくれたのね!ふふふ!わたしに墜ちるのも時間の問題ね!」
「墜ちるわけねぇだろ」
「えっ!?」
えっ!?じゃねぇよ現時点で好感度0だよ。むしろマイナスだよ。
「はいそこ」
先生「夫婦漫才は一旦辞めてくれるかい(笑顔)」
「「は、はい………」」
酷い目に遭った。
「えー、では、転校生……ではないのだが留学生としてこのクラスの仲間となりました」
「ワタシ、北島リリィ・アルデリューヌ・ローゼンと言いマス。よろしくお願いしマス」
「「「おおおっ」」」
クラスメイト(主に男子と女子)がざわつく。まて、その注釈いるか?必要ねぇだろ。
「創造以上の可愛さじゃねぇか………!」
「すごい………もふもふちゅっちゅしたい!」
「デートとか申し込んだらしてもらえるのかな!?かな!?」
「わいわいがやがや」
いやまて勝手に人物造ってんじゃねぇよ!?なに!?あっちの世界の人間なのか!?そもそもわいわいがやがやってなんだよ!?
一人ツッコミは虚しいものです。
「おい惠。あれは………でけぇぜ!」
「死ねこのオキュパイ」
「ふぎゃぁあああああっっ!?」
一人ツッコミは虚しいものです。
「いや俺…被害者だって………惠ぅ………」
その日、校舎に一筋の光柱が立ちました。
おぉ?勇者よ!叫んでしまうとは情けない……
オキュパイっ!
……そもそもオキュパイってなんだ。
「メグくんは転校生の子、興味ないの?」
「そうだぜ惠。男ならあのおっぱいに興味くらいあるだろ?」
富樫よその言葉に“ないすばでい”を使うな。
「興味………無いことはないが………」
「お、やっぱ惠も男なんだな!」
「あらぁ…………メグムクン」
「ワタシと過ごした夜は嘘だったの………?」
「嘘だっっっっっ!捏造だっっっっ!」
……………
あぁ、そんなに見ないでくれ………アイツとは何もなかったから!あとで覚えとけよ魔女め。
クラスの仲間(じゃなく敵)が「うわこいつまじ無いわ……」のような目でアツい視線を送っている中、転校生のリリィさん(?)が一人慌てていた。
「oh……先生、ワタシはどちらのトモダチ、したらいいデスカ?」
「あー………友達はみんなとな。あと、どちらかの“味方”になる、が日本語では正しい」
「ミカタ……ですカ?」
「そう。北島さんはどちらの味方になりたい?状況によっては助けられるかもしれない」
「ホントーですか!ワタシ、ミタカ!やりマス!」
三鷹じゃねぇよ味方だよ。家政婦かよ。いや違うよ。
「んじゃ、面倒なんで、北島さん止めてきて」
「分かったデース!」
おい先生。
一触即発でもないのに面倒事に留学生を首ツッコませやがって………
ていうかじりじりとクラスの奴らがこっちに移動してねぇか?このまま断罪は免れないのか!?なにもしてないのに!?
「辞めるデスよー!」
北島さんダッシュ。そのまま………ってこっちにツッコんできてねぇか!?待って俺いくら女の子だからって受け止めきれな…………
むぎゅっ………
「…………………!……………?………??」
フルガード。これも國寺に施してもらった武術の賜…………
ってあれ?………?
予想とは違い反動は来なかった。よかった、寸前で止まったみたい………ん?柔らかいしなんか暖かいな。熱でもでたのだろうか……………
「メグさーんを仲間ハズレにしちゃダメデース!」
「「「!?!?(俺含む)」」」
北島さんはなんと、俺の腕に引っ付いていた。っておいおいおいおい!やべぇよ!なんかく野郎たちがビーム放とうとしてない!?え?そんなことはない?なんだよ。
「なぁ、なんで転校生が臼原に引っ付いてるんだ……………?」
「それに、自己紹介してないのに…………」
「何で名前知ってるんだ…………?」
「あれぇ………?蓮夏たちの夜のロマンスの話、どうなっちゃったのぉ~?」
もはや蓮夏の話はどこ吹く風。なのだが……
「ねぇ、もしかしてあの二人、付き合ってるとか………?」
「えっウソ!でも今日初対面じゃない……?」
「そうだよ!それに臼原くんは十七右さんしか見えてないんじゃないの………!?」
むしろ蓮夏だけは見たくねぇよ。
クラスの皆が話を加速させ、遂には、
「はいはい、皆落ち着いて………惠、二股はあかんな」
そんなこという先生まで現れたのだった。
帰って寝て良い?
####
「昨日、メグムさんにシャクインサツを案内シテ貰いましたー」
「錫……印刷…………?」
「職員室じゃない?雰囲気似てるし」
「oh……!ソレデス!デモ、二人で道にマヨって東townに着きましタ」
「「「どうやったら東町に着くの!?」」」
だよな。
「あと、ネギをたくさん貰いましたシタ!」
「「「なぜに!?」」」
俺も知りたい。
職員室美少女ネギ誘拐事件はこうして幕を閉じたのだった…………違和感は残るが。
「惠………お前いつの間に留学生に手を出したんだよ!見損なったぞ!」
「出してねぇよ!?」
昼休み。富樫に捕まる。昼飯行こうぜ、が捕縛の合図。ヤンか。
「富樫、言っとくが付き合ってもねぇし職員室に案内しただけだから。お前の思う曲がり角でパンを咥えた美少女とぶつかったりしてないから」
「………………え、そうなの」
「何故そこでガッカリするんですかえぇ!?」
逆に俺が驚きだよ。
昼休みが終わりそうなので(この時点で俺の読書タイムは塵となったのは言うまでも無い)隙を見て逃げようとすると………
「やっほ~ダーリン(ニコォォォォォ☆)」
「「!?」」(悪寒)
魔女の呪いだ魔女の呪いだ魔女の呪いだ…………
でたよ黒幕。周辺の他人すらもざわめく凍結魔法のような空気………オーラ………?
「ねぇねぇ……?メグムくんは………あの個体とどういう関係なの……………?」
まさかの個体呼ばわり!?
「えっ、あっ、いや………特に関係はないかな」
ピシ、バキッ━━━━
「あらやだ☆ボールペン折っちゃった☆」
「「「「「………………」」」」」
なんだ?俺たちホラー映画見て呪われるのか?今や学食の全員が小刻みに震えてるし!かく言う俺も震えてるよ怖いよ!?怖すぎるよ!?やっぱり魔女だって………!?そもそもボールペン折れるか!?
「「「「………………!」」」」
ジィーーーーー……………!!
俺かっ!?俺に処理しろってか!?無理だって!?俺だって逃げたいわ!!!
「なぁ、れんげ━━━」
「メグムくん………?りんごジュース………☆」
貢ぎました。俺の120円。
「なぁんだ………ウソだったのね……!メグくんは損なこと、しないと思ってたわぁ~………!」
「だからそう言ってんだろ!」
「二人とも仲良いわね」
損なことってなんだよ。気になるじゃねぇか!ん?“そんなこと”と“損なこと”が聞き取れたのかって?フィーリングだよ。今俺とお前が美しかったらいいんだよ。ちげぇよ。放せよ。
放課後、再び逃走に失敗した俺は(そもそも蓮夏から逃走成功したことが数える程度とは言えない)、蓮華とあん姉ちゃ………杏梨先輩に捕まっていた。…………ん?
「あれ?蓮夏と杏梨先輩って知り合いなんですか?」
「あれ?言ってなかったっけ?蓮夏と私は体育委員で同じなのよ。オリエンテーションの日に惠くんに引っ付いてた女の子に似てるなぁ……と思ったら同じ子だったのよ」
「なるほど。………あのときはマジですんません」
「いいのいいの。めぐくんが謝る必要ないし。むしろ蓮ちゃんに謝ってもらいたいくらいだし………?」
チラ
「あらやだぁ………!浦口先輩………コ、ワ、イ☆」
星をむやみに飛ばすな。あと目の前で謎の睨み合い辞めてください一緒にいる俺の精神がいろんな意味で持ってかれます。
「そうだ!めぐくん!あんた、留学生の超絶美少女に手を出したって本当!?」
ザワ……………
「杏姉ちゃん声デカイって!」
もうすぐ体育祭。また一波乱ありそうだ。
放課後のカフェテリアに響く俺の4股疑惑は結局訂正されなかったのは言うまでも無い。
なぜ4股………?
「「「「ええー!?!?」」」」
「うへぇ………惠~~」
「なんだよ引っ付くなよ気持ち悪い」
「赤点3つ取っちまったぁ~~…………」
「あー………」
「惠ぅ~………お前は~~………」
「富樫よ。お前が名前で呼ぶと悪寒がするんだが、風邪だろうか………」
「てめぇ酷いぞ!?」
知ったことか。
中間テストが終われば、体育祭がやってくる。2日間で優勝を競い、1位のクラスは遠足や修学旅行の行き先を決められる……(らしい)。俺には関係無いことなので詳しくは知らないが。
「だからテストどうだったんだよ、俺と赤点補習行こうぜ!惠よ!」
「46」
「46?………点?」
「俺は46位だった。赤点もない」
「…………………」
裏切り者ぉぉぉぉ!!!!
この日、富樫の悲鳴が響いた。
~~~
図書室
富樫がうるさいので、図書室で巻くことにした。妙高学園の図書室はもはや「室」ではなく「館」の間違いではなかろうか、というほど本が多い。しかも、予約すれば本を全国の学園から探してくれる(もちろん常識の範囲内の健全なもの)らしい。つい最近まで教科書読みまくってたせいで、整列された文字はしばらく御免被りたい。
「ふむ………鉄道関係も沢山ある……」
オタクではないが鉄道が好きなのですこし漁ってみることにした。お、スイッチバック特集の雑誌まであるとか、見逃した俺からしたら感動………
「あの………ちょと、イイデスカ?」
へ………?
「あっ、えっ?………はい?」
声をかけてきたのは美人だった………もとい女神だった………なんで言い直した。かわいいからか。髪は銀髪………ちょっと金に近いブロンド………っていうのか?肌は…………白っ!?なんだこれ眩しいって!!これぞ神ってるってことなのか!?そうなのか!?
一人、己の穢れを強制浄化させている(されている)俺をよそに、女の子………もとい美少女が、
「アノゥ、ショクエンシツはどこデスカ?」
「食塩質……………?」
要するに塩じゃねぇか。いや厳密には違うが。
「案内、タノミマシタ。ソシタラ、ここだってイッテマシタ」
「………………あ」
…………職員室か、ってそれも違うか?ここ4階だし。職員室1階だし。
「ええっと、先生に会いに行くのかな?」
とりあえず推理しよう。職員室が正解みたいだけど、聞いてる感じだとね。
すると女神…………もとい美少女は、オーウオーウ言いながら、
「イェース!タンニーンの先生に会いにイキマース!」
タンニーンのおっさ………うん。D飛ばしてんじゃねぇよ。ハイスクールだけどよ。
「やっぱりそうか。なら、1階の職員室が正解かな」
「oh……1階なのデスネ。ありがとうゴザイマス!Jesggâ!」
(いまなんつったこいつ)
美少女は台風のように階段を上って…………
「まてまてまてまて!そっち屋上だぞおい!」
なにこいつ天然か?絶滅危惧種なのか?
「oh!そうでシタ!下デスネ!」
……………
「んで、なんでこうなってんだ?」
「アノゥ………ショクセイカツ……どこデスか?」
いやそれは普段の食べてるものだろ!?
俺と美少女はなぜか東町に来ていた。妙高学園があるのは西町。そこからだと最短で中町を通り恐らく徒歩で30分………日が落ちかけてるよ。テンションもだけど。
「あとこの大量の葱はなんだ!?匂いスゴいし涙止まらねぇんだけど!?」
美少女曰く、近所のおばあさんに貰ったらしい。どこでおばあさんと絡む要素あった。あとテンション下がってなかった。訂正。
「コレ、ネギって言うのデスか………初めて見まシタ!(涙)」
感動の涙にはこれっぽっちも見えねぇけどな!あとそもそも葱を知らないっっっっ!
「ワタシ、すごくカントーしてイマス!」
どこからツッコんだらいいかなぁ!?ねぇ!?
「と、とりあえず学園に戻ろうか………」
「ソデスネ………」
夜7時。
この後、担任の先生に怒られた。なぜだ。
「同じクラスだったのか………そういえば空席が1つあったな………」
「ハイ!祖国の事情で、来るのがオソクなりましータ!」
Θ。それはシータだろ。どうでもいい。
「んじゃ、気をつけて帰れよ。また学校でな。明日から登校するんだろ?寝坊すんなよ」
「あっ、ありがとうゴザイマス!このご恩はイッショー忘れまセン!megšuvii!」
時々祖国の言葉でてんぞ。やかましいやつだな…………明日からこいつと同じクラスか。魔女といいこいつといい、正直面倒くさいメンバー多くないか………
「って、もういないし!?」
流石にこれ以上迷わないだろう……………
考えれば考えるほど不安になってきたが、もうすぐ8時………見回りの先生が来る時間らしい(富樫&國寺情報)ので、探すのは諦めた。
「はぁ…………とりあえず、帰るか…………」
明日からの学校生活、別に苛めとかないけど、足取りは重かった。鳥取ではない。わかるよ。
「さぁて、私も面白いの見れたし。帰ろっかなぁ………」
校舎の屋上。給水塔の上。月夜の魔女の声が木霊する。
翌日
「おはよー富樫」
「おはよう。なぁなぁ!転校生くるらしいぜ!マジだったぜ!?」
「へいへい」
朝からハイテンションの富樫をよそに、俺は体が怠かった。昨日の東町往復徒歩という所業が全身に来ていた。往復徒歩って彳多くね?どうでもいいが。
「美少女だといいな!」
そうだよ。
「噂では留学生らしいぞ!」
そうだよ。
「金髪とかなのか!?いいねぇいいねぇ!」
そうだよ。
「なんだよー。椿ー。ノリが悪ぃぞー」
だって知ってるし………とは言えない。と言うのも、
~昨日~
「アノ!」
「ん?どうした?」
「ワタシ、明日自己紹介シマス。ワタシ、見なかったコトにしてクダサイ」
「あ、おう…………おう?」
「…………」
と言うことがあった。理由も聞けないまま美少女は帰っていったので詳しくは分からない。分かったら超能力者だよ。エンドオブワールドだよ。
「まぁ、来たら来たじゃね?」
「うわー、つれねぇー」
ぶーぶー言う富樫を無視しながら昨日借りた雑誌を見る。ふむ。振り子式の電車はこの時代から出来たのか………なるほど。
「ねぇ?メグクン」
出たよ魔女。ゆっくり雑誌を読む時間もねぇのか。国民は自由だー。棒読みも良いところだが。
「あんだよ蓮華、なんか用か?」
「あぁぁっ!」
「んだよびっくりするじゃねぇかよ!?」
「ワタシのこと、蓮華って呼んでくれたのね!ふふふ!わたしに墜ちるのも時間の問題ね!」
「墜ちるわけねぇだろ」
「えっ!?」
えっ!?じゃねぇよ現時点で好感度0だよ。むしろマイナスだよ。
「はいそこ」
先生「夫婦漫才は一旦辞めてくれるかい(笑顔)」
「「は、はい………」」
酷い目に遭った。
「えー、では、転校生……ではないのだが留学生としてこのクラスの仲間となりました」
「ワタシ、北島リリィ・アルデリューヌ・ローゼンと言いマス。よろしくお願いしマス」
「「「おおおっ」」」
クラスメイト(主に男子と女子)がざわつく。まて、その注釈いるか?必要ねぇだろ。
「創造以上の可愛さじゃねぇか………!」
「すごい………もふもふちゅっちゅしたい!」
「デートとか申し込んだらしてもらえるのかな!?かな!?」
「わいわいがやがや」
いやまて勝手に人物造ってんじゃねぇよ!?なに!?あっちの世界の人間なのか!?そもそもわいわいがやがやってなんだよ!?
一人ツッコミは虚しいものです。
「おい惠。あれは………でけぇぜ!」
「死ねこのオキュパイ」
「ふぎゃぁあああああっっ!?」
一人ツッコミは虚しいものです。
「いや俺…被害者だって………惠ぅ………」
その日、校舎に一筋の光柱が立ちました。
おぉ?勇者よ!叫んでしまうとは情けない……
オキュパイっ!
……そもそもオキュパイってなんだ。
「メグくんは転校生の子、興味ないの?」
「そうだぜ惠。男ならあのおっぱいに興味くらいあるだろ?」
富樫よその言葉に“ないすばでい”を使うな。
「興味………無いことはないが………」
「お、やっぱ惠も男なんだな!」
「あらぁ…………メグムクン」
「ワタシと過ごした夜は嘘だったの………?」
「嘘だっっっっっ!捏造だっっっっ!」
……………
あぁ、そんなに見ないでくれ………アイツとは何もなかったから!あとで覚えとけよ魔女め。
クラスの仲間(じゃなく敵)が「うわこいつまじ無いわ……」のような目でアツい視線を送っている中、転校生のリリィさん(?)が一人慌てていた。
「oh……先生、ワタシはどちらのトモダチ、したらいいデスカ?」
「あー………友達はみんなとな。あと、どちらかの“味方”になる、が日本語では正しい」
「ミカタ……ですカ?」
「そう。北島さんはどちらの味方になりたい?状況によっては助けられるかもしれない」
「ホントーですか!ワタシ、ミタカ!やりマス!」
三鷹じゃねぇよ味方だよ。家政婦かよ。いや違うよ。
「んじゃ、面倒なんで、北島さん止めてきて」
「分かったデース!」
おい先生。
一触即発でもないのに面倒事に留学生を首ツッコませやがって………
ていうかじりじりとクラスの奴らがこっちに移動してねぇか?このまま断罪は免れないのか!?なにもしてないのに!?
「辞めるデスよー!」
北島さんダッシュ。そのまま………ってこっちにツッコんできてねぇか!?待って俺いくら女の子だからって受け止めきれな…………
むぎゅっ………
「…………………!……………?………??」
フルガード。これも國寺に施してもらった武術の賜…………
ってあれ?………?
予想とは違い反動は来なかった。よかった、寸前で止まったみたい………ん?柔らかいしなんか暖かいな。熱でもでたのだろうか……………
「メグさーんを仲間ハズレにしちゃダメデース!」
「「「!?!?(俺含む)」」」
北島さんはなんと、俺の腕に引っ付いていた。っておいおいおいおい!やべぇよ!なんかく野郎たちがビーム放とうとしてない!?え?そんなことはない?なんだよ。
「なぁ、なんで転校生が臼原に引っ付いてるんだ……………?」
「それに、自己紹介してないのに…………」
「何で名前知ってるんだ…………?」
「あれぇ………?蓮夏たちの夜のロマンスの話、どうなっちゃったのぉ~?」
もはや蓮夏の話はどこ吹く風。なのだが……
「ねぇ、もしかしてあの二人、付き合ってるとか………?」
「えっウソ!でも今日初対面じゃない……?」
「そうだよ!それに臼原くんは十七右さんしか見えてないんじゃないの………!?」
むしろ蓮夏だけは見たくねぇよ。
クラスの皆が話を加速させ、遂には、
「はいはい、皆落ち着いて………惠、二股はあかんな」
そんなこという先生まで現れたのだった。
帰って寝て良い?
####
「昨日、メグムさんにシャクインサツを案内シテ貰いましたー」
「錫……印刷…………?」
「職員室じゃない?雰囲気似てるし」
「oh……!ソレデス!デモ、二人で道にマヨって東townに着きましタ」
「「「どうやったら東町に着くの!?」」」
だよな。
「あと、ネギをたくさん貰いましたシタ!」
「「「なぜに!?」」」
俺も知りたい。
職員室美少女ネギ誘拐事件はこうして幕を閉じたのだった…………違和感は残るが。
「惠………お前いつの間に留学生に手を出したんだよ!見損なったぞ!」
「出してねぇよ!?」
昼休み。富樫に捕まる。昼飯行こうぜ、が捕縛の合図。ヤンか。
「富樫、言っとくが付き合ってもねぇし職員室に案内しただけだから。お前の思う曲がり角でパンを咥えた美少女とぶつかったりしてないから」
「………………え、そうなの」
「何故そこでガッカリするんですかえぇ!?」
逆に俺が驚きだよ。
昼休みが終わりそうなので(この時点で俺の読書タイムは塵となったのは言うまでも無い)隙を見て逃げようとすると………
「やっほ~ダーリン(ニコォォォォォ☆)」
「「!?」」(悪寒)
魔女の呪いだ魔女の呪いだ魔女の呪いだ…………
でたよ黒幕。周辺の他人すらもざわめく凍結魔法のような空気………オーラ………?
「ねぇねぇ……?メグムくんは………あの個体とどういう関係なの……………?」
まさかの個体呼ばわり!?
「えっ、あっ、いや………特に関係はないかな」
ピシ、バキッ━━━━
「あらやだ☆ボールペン折っちゃった☆」
「「「「「………………」」」」」
なんだ?俺たちホラー映画見て呪われるのか?今や学食の全員が小刻みに震えてるし!かく言う俺も震えてるよ怖いよ!?怖すぎるよ!?やっぱり魔女だって………!?そもそもボールペン折れるか!?
「「「「………………!」」」」
ジィーーーーー……………!!
俺かっ!?俺に処理しろってか!?無理だって!?俺だって逃げたいわ!!!
「なぁ、れんげ━━━」
「メグムくん………?りんごジュース………☆」
貢ぎました。俺の120円。
「なぁんだ………ウソだったのね……!メグくんは損なこと、しないと思ってたわぁ~………!」
「だからそう言ってんだろ!」
「二人とも仲良いわね」
損なことってなんだよ。気になるじゃねぇか!ん?“そんなこと”と“損なこと”が聞き取れたのかって?フィーリングだよ。今俺とお前が美しかったらいいんだよ。ちげぇよ。放せよ。
放課後、再び逃走に失敗した俺は(そもそも蓮夏から逃走成功したことが数える程度とは言えない)、蓮華とあん姉ちゃ………杏梨先輩に捕まっていた。…………ん?
「あれ?蓮夏と杏梨先輩って知り合いなんですか?」
「あれ?言ってなかったっけ?蓮夏と私は体育委員で同じなのよ。オリエンテーションの日に惠くんに引っ付いてた女の子に似てるなぁ……と思ったら同じ子だったのよ」
「なるほど。………あのときはマジですんません」
「いいのいいの。めぐくんが謝る必要ないし。むしろ蓮ちゃんに謝ってもらいたいくらいだし………?」
チラ
「あらやだぁ………!浦口先輩………コ、ワ、イ☆」
星をむやみに飛ばすな。あと目の前で謎の睨み合い辞めてください一緒にいる俺の精神がいろんな意味で持ってかれます。
「そうだ!めぐくん!あんた、留学生の超絶美少女に手を出したって本当!?」
ザワ……………
「杏姉ちゃん声デカイって!」
もうすぐ体育祭。また一波乱ありそうだ。
放課後のカフェテリアに響く俺の4股疑惑は結局訂正されなかったのは言うまでも無い。
なぜ4股………?
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