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第三章

エリス……恐ろしい子ツ!

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「ランドールさん。フィリスの精気を吸ったのですか?」
「え?」

 フィリスへの拷問が終わった後、俺は巨大ロボットを、家を乗せた客船に戻した後でリビングに戻ると、エリスが怖い顔で待っていた。

「じいさん。俺、なんか不味いことやった?」

 なんか居たたまれない気持ちになって、じいさんに助けを求めた。

「ランドール殿。ここは、ご自分の胸に聞かれてはいかがかと」

 え? え? 俺なんか悪いことした?

「フィリスを拷問にかけて白状させただけだが……」
「どんな拷問をしたのですか?」

 だからエリス。なぜ俺を睨む?

「いや……量子スキャンとか使ったら死んじゃうし……かと言って鞭で叩くとかは、こっちの精神がダメージ受けそうなので……」
「エッチな拷問をしたのですか?」
「いや……まあ……そうなのだが……」

 ええ!? エリス! なぜ涙を流す?

「ランドールさんも、やはり巨乳が好きなのですね?」
「え? 巨乳? フィリスは巨乳じゃないぞ」
「巨乳じゃないですか」
「だから……」
「もしかして……あの胸は上げ底だったのですか?」
「上げ底? ああ! 式神のフィリスは本人とは全然違うぞ」
「どう違うのですか?」
「そうだな。本人を見てもらった方が早いか」

 別室で気を失っていたフィリスをリビングへ運んだ。

 その姿を見て、エリスは目を丸くする。

「こ……この子供がフィリス?」

 エリスはフィリスの胸に手を当てた後、ニカっと笑みを浮かべてガッツポーズをする。

「勝った!」

 な……何に勝ったんだ?

「もう! フィリスってこんなガキだったのですね。目が覚めたら、たっぷり仕返ししてやるのだから」
「それはやめておきなさい」
「どうしてですか?」
「フィリスが見かけ通りの大人なら止めない。しかし、こんな子供殴ったりしたら、弱い者イジメだろ」

 エロ拷問した俺が言えた義理じゃないが……

「ううん……確かにそうですね。イジメはやはり恥ずべき行為。フィリスへの復讐はやめておきます」
「分かってくれて嬉しい」
「でも、先輩風吹かして、こき使うぐらいならいいですね」
「まあ、そのぐらいなら……」

 エリス……恐ろしい子ツ!

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