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第六章

作戦準備完了

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「ウッド・ゴーレム出撃後、ウドウ王子の私兵の大半はウッド・ゴーレム製造工場に集結しています」

 じいさんがそう言って、テーブルに広げた地図の一か所を指差したのは、ウッド・ゴーレム隊が都を出撃してから一時間近く経過した頃の事。後数時間でウッド・ゴーレム隊はヒヨ湖に着いて、騙された事に気が付くだろう。

 それから、取って引き返してくる前に、作戦を終わらせる。

「次に王様の安否ですが、王宮の地下に幽閉されている事が分かりました。侍従や女官で無事な者も何人か」

 救出対象者は全部で二十人。

 移動要塞には余裕で乗せ切れるな。

「王宮の襲撃は、パルチザンが協力してくれることなりました」

 レジナルドが説明を変わった。

 都中に散らばっていたパルチザン四十名が集結し、合図があり次第一斉に攻め込む手はずになっていた。

「希望するなら、パルチザンの半分ぐらいは乗せられるが」

 と言う俺の提案にレジナルドは首を横に振る。

「彼らは都に残って活動を続けると言っています」
「そうか。だが、気が変わったら、早めに言ってくれ。この作戦が終わったら、当分ここには来ないから」
「分かっています」
「俺の本体だけど、都まで一キロ手前まで来て待機している。今はカメレオン能力で隠しているけど、これ以上近づくと気づかれる。そっちの準備はまだかかい?」
「間もなく準備完了します」

 レジナルドがそう言った直後、屋敷にレンゲ駆け込んできた。

「隊長! 作戦準備完了です」
「ご苦労。レンゲ。ランドール殿。聞いての通りです」
「分かった」
 
 俺は本体に意識を戻した。
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