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バイク旅行
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一週間前、俺は十年間働いた会社を辞めた。
理由は上司からのパワハラ。
会社自体はブラックではないが、俺のいた部署がブラックだったのだ。
とくかく、十年間働いたのである程度蓄えもあるし、結婚もしていないし、介護すべき両親も去年他界した。
そこで、以前からやりたかったバイク旅行に出てみたわけだ。
行き先は特に決めていない。気の向いた方向に行くのだ。
バイクと言っても原付なので高速道路は走れないが、一般道を気の向くままに俺は走り回っていた。
この道に迷い込んだのは、セルフサービスのガソリンスタンドに立ち寄った後の事。
このガソリンスタンドで給油していると、後から入ってきたライダーに給油の仕方を聞かれた。
最近のガソリンスタンドはセルフが多いのに、このライダーは店員が給油してくれる店でしかガソリンを入れていなかったらしい。
給油の仕方を教えてやると、ライダーはかぶっていたフルフェイスのヘルメットを外して俺に礼を言った。
ヘルメットの中から現れたのは長い黒髪を伸ばした美少女。
歳の頃は十六~七。女子高生だろうか?
俺がその顔に見とれていると、女子高生はにっこりとほほ笑んで俺にお守り袋をくれた。
聞くと、この女子高生は巫女さんで、このお守りは彼女の神社のものらしい。
巫女さんに別れを告げてガソリンスタンドから走り出すと、俺はいつの間にかこんな道路を走っていたのだ。
途中、何度かスマホの地図で現在位置を確認したのだが、それによると俺は道路など存在しない森林地帯を走っている事になっている。
カーナビのデータが古かったりすると、できたばかりの道路のデータが入っていないためにこういう事もあるが、スマホの地図は常に最新版。そんなことあるはずないし、そもそも俺が走っている道はそんな新しい道じゃない。
改めて、俺はスマホをチェックした。
やはりダメだ。俺の現在位置に道路はない。
「わあ! カッコいいバイク」
突然、背後から黄色い声が聞こえた。
振り向くと、そこにいたのは緑色のワンピースを纏ったオカッパ頭の可愛い少女。
年のころは十歳ぐらい。身長は百三十ぐらいだろうか? ワンピースの裾から毀れる白い太ももがまぶしい。
しかし、いつの間に俺の背後に? もう一時間ぐらい人の姿を見ていなかったのだが……
まあ、ちょうどいい。
「ねえ、お嬢ちゃん。ここはなんという場所なのかな? お兄さん、道に迷ってしまったんだよ」
「ここはあたしの村だよ」
村だったのか? 森しか見えないが……いや、すぐ近くに村があるのかもしれない。
「なんという村かな?」
「んんん……わかんない」
「そうか」
「ねえ、お兄さん」
「なに?」
「あたしの家まで、乗せて行ってよ」
彼女はそう言って、バイクを指差した。
「ゴメンね。これは一人乗りなんだ」
後の荷台に乗せならないこともないが、俺は大きなリュックを背負っているから無理だろう。
「大丈夫。乗れるよ」
え?
そして、俺は女の子を乗せて走り出した。
いやいやいや! これは不味いだろう。
女の子は俺と向か会う格好で、俺の膝に乗り、両手両足で俺にしがみ付いているのだ。
これ見つかったら、事案だろ。
ヤバイ! 彼女のお尻が俺のアソコに当たって変な気分に……
走り出してすぐに俺達は田園地帯に入った。本当に村があったのか……
しかし、地名を書いた看板のようなものは見当たらない。
大人を見かけたら村の名前を聞いてみようかと思ったが、人の姿はない。
まるで廃村だ。
「お兄さん。ここがあたしの家」
一軒の農家の前で俺はバイクを止めた。
「ねえ。上がってよ」
「いや……それは……」
いくらなんでもそれはダメだろ……と、その時、突然雨が降り出した。
そのまま、彼女の家に逃げ込むことに……
理由は上司からのパワハラ。
会社自体はブラックではないが、俺のいた部署がブラックだったのだ。
とくかく、十年間働いたのである程度蓄えもあるし、結婚もしていないし、介護すべき両親も去年他界した。
そこで、以前からやりたかったバイク旅行に出てみたわけだ。
行き先は特に決めていない。気の向いた方向に行くのだ。
バイクと言っても原付なので高速道路は走れないが、一般道を気の向くままに俺は走り回っていた。
この道に迷い込んだのは、セルフサービスのガソリンスタンドに立ち寄った後の事。
このガソリンスタンドで給油していると、後から入ってきたライダーに給油の仕方を聞かれた。
最近のガソリンスタンドはセルフが多いのに、このライダーは店員が給油してくれる店でしかガソリンを入れていなかったらしい。
給油の仕方を教えてやると、ライダーはかぶっていたフルフェイスのヘルメットを外して俺に礼を言った。
ヘルメットの中から現れたのは長い黒髪を伸ばした美少女。
歳の頃は十六~七。女子高生だろうか?
俺がその顔に見とれていると、女子高生はにっこりとほほ笑んで俺にお守り袋をくれた。
聞くと、この女子高生は巫女さんで、このお守りは彼女の神社のものらしい。
巫女さんに別れを告げてガソリンスタンドから走り出すと、俺はいつの間にかこんな道路を走っていたのだ。
途中、何度かスマホの地図で現在位置を確認したのだが、それによると俺は道路など存在しない森林地帯を走っている事になっている。
カーナビのデータが古かったりすると、できたばかりの道路のデータが入っていないためにこういう事もあるが、スマホの地図は常に最新版。そんなことあるはずないし、そもそも俺が走っている道はそんな新しい道じゃない。
改めて、俺はスマホをチェックした。
やはりダメだ。俺の現在位置に道路はない。
「わあ! カッコいいバイク」
突然、背後から黄色い声が聞こえた。
振り向くと、そこにいたのは緑色のワンピースを纏ったオカッパ頭の可愛い少女。
年のころは十歳ぐらい。身長は百三十ぐらいだろうか? ワンピースの裾から毀れる白い太ももがまぶしい。
しかし、いつの間に俺の背後に? もう一時間ぐらい人の姿を見ていなかったのだが……
まあ、ちょうどいい。
「ねえ、お嬢ちゃん。ここはなんという場所なのかな? お兄さん、道に迷ってしまったんだよ」
「ここはあたしの村だよ」
村だったのか? 森しか見えないが……いや、すぐ近くに村があるのかもしれない。
「なんという村かな?」
「んんん……わかんない」
「そうか」
「ねえ、お兄さん」
「なに?」
「あたしの家まで、乗せて行ってよ」
彼女はそう言って、バイクを指差した。
「ゴメンね。これは一人乗りなんだ」
後の荷台に乗せならないこともないが、俺は大きなリュックを背負っているから無理だろう。
「大丈夫。乗れるよ」
え?
そして、俺は女の子を乗せて走り出した。
いやいやいや! これは不味いだろう。
女の子は俺と向か会う格好で、俺の膝に乗り、両手両足で俺にしがみ付いているのだ。
これ見つかったら、事案だろ。
ヤバイ! 彼女のお尻が俺のアソコに当たって変な気分に……
走り出してすぐに俺達は田園地帯に入った。本当に村があったのか……
しかし、地名を書いた看板のようなものは見当たらない。
大人を見かけたら村の名前を聞いてみようかと思ったが、人の姿はない。
まるで廃村だ。
「お兄さん。ここがあたしの家」
一軒の農家の前で俺はバイクを止めた。
「ねえ。上がってよ」
「いや……それは……」
いくらなんでもそれはダメだろ……と、その時、突然雨が降り出した。
そのまま、彼女の家に逃げ込むことに……
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