7 / 68
いきなり婚約解消だなんて…(マーガレット視点)
しおりを挟む
(何が何だか分からない…。)
マーガレットは混乱した。
マーガレットはクローバー伯爵家の長女だ。
クローバー家はこのチュースワン王国では歴史がある名門貴族でかなりの土地を所有している。
王族もそこに目をつけたのだろう。
マーガレットと婚約することで王家の管理する土地を広げようと目論んでいた。
クローバー家としても王家と結びつきは喉から手が出るほど魅力的なものだった。
こうして本人の意思とは関係なく生まれてすぐに婚約者が決まってしまった…。
完全に大人の事情だったが、マーガレットは良い妃になるために幼い頃から努力していた。
テキストマナーの本に書かれていることは暗誦できるくらい読み込んだ。
一方ヘンリーはマーガレットが厳しいお妃教育に励む頃遊び呆けていた。ガールフレンドは山のようにいたが、マーガレットは遊びの恋愛だから…と気にしていなかった。
最近ではババロア学園で話題だった城下町のカフェの娘と恋仲になっている話もお節介なクラスメイトが教えてくれた。
でもマロンのこともいつものことだと思ってた。
なのに…
「マーガレット、お前とは婚約解消させてもらう」
ヘンリーが朝礼が始まる前に婚約破棄を提示してきた。
(婚約解消…!?状況が飲み込めないわ…。)
「ヘンリー、私の婚約は簡単に解消できるわけが…」
「黙れ。俺はお前と婚約解消して、ここにいるマロンと結婚するのだ!」
そう宣言されてしまったのだ。
その後突然マロンが倒れ、興奮したヘンリーが大声で保険医を呼び、騒動は一時中断したが、マロンがいなくなった後はふたたび
「お前がマロンをいじめていたことは知っているんだ!」「何様だと思っているんだ!」などと暴言を吐いいた。
そのヘンリーの理不尽な言葉は何もマーガレットの頭には入ってこなかった。
頭に浮かぶのは
(私はこれから先どうしたらいいの?今までやってきたことは全てが無駄だったの…!?)
ということだけだった。
その時、マーガレットの前にガッチリとして逞しい手が伸びた。
「マーガレット様行きましょう」
ヘンリーの友人のロイドがマーガレットに手を差し伸べたのだった。
それを見たヘンリーは面白くなさそうだ。
「おいロイド何をやっている」
「ヘンリー、とりあえず君はマロン嬢のところへ向かった方がいいんじゃないか?」
そう言われてヘンリーは倒れたマロンのことを思い出したらしい。
「それもそうだな」
そう言って、ヘンリーはいなくなった。
ロイドは冷たい目でヘンリーが出て行ったのを確認してから優しい声でマーガレットに語りかけた。
「怖かったですよね。ひどい男だ。こんなに素晴らしいマーガレット様にこんな態度を取るなんて…。応接室を予約しているから一緒に行きましょう」
マーガレットは混乱した。
マーガレットはクローバー伯爵家の長女だ。
クローバー家はこのチュースワン王国では歴史がある名門貴族でかなりの土地を所有している。
王族もそこに目をつけたのだろう。
マーガレットと婚約することで王家の管理する土地を広げようと目論んでいた。
クローバー家としても王家と結びつきは喉から手が出るほど魅力的なものだった。
こうして本人の意思とは関係なく生まれてすぐに婚約者が決まってしまった…。
完全に大人の事情だったが、マーガレットは良い妃になるために幼い頃から努力していた。
テキストマナーの本に書かれていることは暗誦できるくらい読み込んだ。
一方ヘンリーはマーガレットが厳しいお妃教育に励む頃遊び呆けていた。ガールフレンドは山のようにいたが、マーガレットは遊びの恋愛だから…と気にしていなかった。
最近ではババロア学園で話題だった城下町のカフェの娘と恋仲になっている話もお節介なクラスメイトが教えてくれた。
でもマロンのこともいつものことだと思ってた。
なのに…
「マーガレット、お前とは婚約解消させてもらう」
ヘンリーが朝礼が始まる前に婚約破棄を提示してきた。
(婚約解消…!?状況が飲み込めないわ…。)
「ヘンリー、私の婚約は簡単に解消できるわけが…」
「黙れ。俺はお前と婚約解消して、ここにいるマロンと結婚するのだ!」
そう宣言されてしまったのだ。
その後突然マロンが倒れ、興奮したヘンリーが大声で保険医を呼び、騒動は一時中断したが、マロンがいなくなった後はふたたび
「お前がマロンをいじめていたことは知っているんだ!」「何様だと思っているんだ!」などと暴言を吐いいた。
そのヘンリーの理不尽な言葉は何もマーガレットの頭には入ってこなかった。
頭に浮かぶのは
(私はこれから先どうしたらいいの?今までやってきたことは全てが無駄だったの…!?)
ということだけだった。
その時、マーガレットの前にガッチリとして逞しい手が伸びた。
「マーガレット様行きましょう」
ヘンリーの友人のロイドがマーガレットに手を差し伸べたのだった。
それを見たヘンリーは面白くなさそうだ。
「おいロイド何をやっている」
「ヘンリー、とりあえず君はマロン嬢のところへ向かった方がいいんじゃないか?」
そう言われてヘンリーは倒れたマロンのことを思い出したらしい。
「それもそうだな」
そう言って、ヘンリーはいなくなった。
ロイドは冷たい目でヘンリーが出て行ったのを確認してから優しい声でマーガレットに語りかけた。
「怖かったですよね。ひどい男だ。こんなに素晴らしいマーガレット様にこんな態度を取るなんて…。応接室を予約しているから一緒に行きましょう」
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
63
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる