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第7話 ソードスキル
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師匠との模擬戦が終わり、その後中級編の授業を終えて俺は自室にいた。
授業の予復習も終え、やることがなくそわそわしていた。
「…木剣あるし軽く素振りするか。」
素振りを始めて数分。
ピロンッ!というシステム音のようなものが聞こえた。
「今のは…?」
ステータスを”鑑定“してみた。
「なっ…!!これは…!!」
今まで“なし“と書かれていたスキル欄に、両手剣Lv.1“スラッシュ“という表記が追加されていた。
「おぉ…おぉぉぉ!!!!!」
ついにソードスキルを習得することができた。
今すぐ試しに行こう!!
俺は急いでトレーニング着に着替え、庭へ向かった。
「アル、こんな夜にどこに行くの?」
「今なら何か出来る気がするので…!!」
「分かったわ~でもお庭までしか行っちゃだめよ~」
「はい!」
前に読んだソードスキルの本によると、
『何かできるような感じがしてやってみたらできた。』
というのが普通の人がスキルを習得したときの感覚らしい。
“鑑定“を習得しているとは言えないので、本の言葉を引用した。
俺は庭につき、木剣を構えた。
「…“スラッシュ“!!」
すると、木剣が右斜め上から左斜め下へ斬り払う素早く力強い一撃を放った。
師匠の素振りのように風が生まれるとまでは流石にいかない…
が、それでもブォン!という空を斬る音が聞こえた。
「おぉ…おぉぉぉぉぉ!!」
5歳児の非力な身体でも強力な攻撃をすることができるようになった。
…同時に、師匠の普通の攻撃の強さを思い知った。
「ソードスキルより通常攻撃の方が強いって…怖。」
TPの変動を“鑑定“すると、10/10→9/10に減っていた。
“スラッシュ“はTP消費1だけで放てるようだ。
「ほう…ソードスキルを習得できたのか。」
「父上…!見ていたんですか?」
「笑顔で外に出るのを見かけてな。
「あ、あはは…」
恥ずかしいが、5歳児の反応としては上々だろう。
「喜んで連発してはだめだぞ。TP切れは物凄く辛いからな。」
「そう…ですね。分かりました!そろそろ自室に戻って寝ます。」
「ああ。おやすみ。」
「おやすみなさい。」
TP切れの症状については本に
『物凄く辛い…が、TP上限が上がる。』
と書かれていた。
当面の目標は苦痛に耐えてTP上限を上げることでいいだろう。
「今日は明日に備えて寝よう。」
翌朝。
朝食を終えて庭に行くと、師匠が藁でできた等身大の人形をずらずらと置いていた。
「おはようございます。」
「おはようございます、坊ちゃま。お館様から聞きましたよ。ソードスキルの習得、おめでとうございます。」
「ありがとうございます…!!」
「今日からはひたすらソードスキルでこの人形に打ち込んでください。壊れたら隣へ移動して続けるように。」
「は、はい!」
俺は人形に向かって“スラッシュ“を行使した。
パキパキッと音を立てながら何本かの藁が折れたが、それだけだった。
「え…?こんな威力弱いの…?」
昨夜素振りした時と同じくらい空を斬る音が聞こえたが…
いや、むしろ藁の人形が頑丈なのだろう。
…そうだと信じたい。
“スラッシュ“を繰り返すこと10回。
「…?特に辛くならないな…」
「坊ちゃま…痛みとか目眩とかはしませんか?」
「全く…?」
もしかして“状態異常無効“の効果だろうか…?
TP切れの辛さを乗り越えるのは一種の通過儀礼のようなものだとされている。
この場合はどうなるのだろうか…?
「そうですか…とりあえず続けてください。」
「はい。」
ステータスを“鑑定“してみると、やはりTPは0/10と表記されている。
この状態で、人形に向けてもう一度“スラッシュ“を行使してみた。
「え…?」
消費するTPがないので、やはり発動しなかった。
「…続けてください。」
「は、はい。」
それから何回か繰り返したが、相変わらずスキルは発動しなかった。
「師匠、全く辛く無いんですが…どうなんでしょうか?」
「ふむ…少し待っていてください。」
「分かりました。」
そう言うと、師匠は屋敷の中に入っていった。
「…まずい。明らかに不審がられたな…」
これでどこかの施設に連れて行かれたりしないだろうか…?
もし“鑑定“の魔道具などが存在した場合、俺が5つのユニークスキルを持っていることがバレてしまう。
「…悩んでも仕方ないし訓練を続けるか。」
何百回か素振りをし終えた頃、師匠が戻ってきた。
「エリス嬢に聞いてきました。過去にTP切れの影響を受けない体質の事例が何件か出ているようなので、気にしなくて大丈夫とのことです。」
「そうですか…!!」
「TP切れを起こさないとのことなので、切れている間は素振りをしましょうか。」
「は、はい…」
TP切れで苦しまないにしても、結局苦しまざるを得ないようだ。
その後訓練をしているうちにわかったことがある。
それは、TP上限増加の条件とその効果だ。
TP切れを起こした後、全快させることで最大TPが1増えるようだ。
つまり、全快する前にソードスキルを行使して再びTP切れを起こしても無駄だということだ。
「最大TPが増えれば増えるほど全快までの時間が長くなり…そしてTP上限上げが難しくなる…」
Lvが上がれば当然TP上限も上がる。
…Lv.1の今がチャンスだ!
訓練への気合が増加した。
授業の予復習も終え、やることがなくそわそわしていた。
「…木剣あるし軽く素振りするか。」
素振りを始めて数分。
ピロンッ!というシステム音のようなものが聞こえた。
「今のは…?」
ステータスを”鑑定“してみた。
「なっ…!!これは…!!」
今まで“なし“と書かれていたスキル欄に、両手剣Lv.1“スラッシュ“という表記が追加されていた。
「おぉ…おぉぉぉ!!!!!」
ついにソードスキルを習得することができた。
今すぐ試しに行こう!!
俺は急いでトレーニング着に着替え、庭へ向かった。
「アル、こんな夜にどこに行くの?」
「今なら何か出来る気がするので…!!」
「分かったわ~でもお庭までしか行っちゃだめよ~」
「はい!」
前に読んだソードスキルの本によると、
『何かできるような感じがしてやってみたらできた。』
というのが普通の人がスキルを習得したときの感覚らしい。
“鑑定“を習得しているとは言えないので、本の言葉を引用した。
俺は庭につき、木剣を構えた。
「…“スラッシュ“!!」
すると、木剣が右斜め上から左斜め下へ斬り払う素早く力強い一撃を放った。
師匠の素振りのように風が生まれるとまでは流石にいかない…
が、それでもブォン!という空を斬る音が聞こえた。
「おぉ…おぉぉぉぉぉ!!」
5歳児の非力な身体でも強力な攻撃をすることができるようになった。
…同時に、師匠の普通の攻撃の強さを思い知った。
「ソードスキルより通常攻撃の方が強いって…怖。」
TPの変動を“鑑定“すると、10/10→9/10に減っていた。
“スラッシュ“はTP消費1だけで放てるようだ。
「ほう…ソードスキルを習得できたのか。」
「父上…!見ていたんですか?」
「笑顔で外に出るのを見かけてな。
「あ、あはは…」
恥ずかしいが、5歳児の反応としては上々だろう。
「喜んで連発してはだめだぞ。TP切れは物凄く辛いからな。」
「そう…ですね。分かりました!そろそろ自室に戻って寝ます。」
「ああ。おやすみ。」
「おやすみなさい。」
TP切れの症状については本に
『物凄く辛い…が、TP上限が上がる。』
と書かれていた。
当面の目標は苦痛に耐えてTP上限を上げることでいいだろう。
「今日は明日に備えて寝よう。」
翌朝。
朝食を終えて庭に行くと、師匠が藁でできた等身大の人形をずらずらと置いていた。
「おはようございます。」
「おはようございます、坊ちゃま。お館様から聞きましたよ。ソードスキルの習得、おめでとうございます。」
「ありがとうございます…!!」
「今日からはひたすらソードスキルでこの人形に打ち込んでください。壊れたら隣へ移動して続けるように。」
「は、はい!」
俺は人形に向かって“スラッシュ“を行使した。
パキパキッと音を立てながら何本かの藁が折れたが、それだけだった。
「え…?こんな威力弱いの…?」
昨夜素振りした時と同じくらい空を斬る音が聞こえたが…
いや、むしろ藁の人形が頑丈なのだろう。
…そうだと信じたい。
“スラッシュ“を繰り返すこと10回。
「…?特に辛くならないな…」
「坊ちゃま…痛みとか目眩とかはしませんか?」
「全く…?」
もしかして“状態異常無効“の効果だろうか…?
TP切れの辛さを乗り越えるのは一種の通過儀礼のようなものだとされている。
この場合はどうなるのだろうか…?
「そうですか…とりあえず続けてください。」
「はい。」
ステータスを“鑑定“してみると、やはりTPは0/10と表記されている。
この状態で、人形に向けてもう一度“スラッシュ“を行使してみた。
「え…?」
消費するTPがないので、やはり発動しなかった。
「…続けてください。」
「は、はい。」
それから何回か繰り返したが、相変わらずスキルは発動しなかった。
「師匠、全く辛く無いんですが…どうなんでしょうか?」
「ふむ…少し待っていてください。」
「分かりました。」
そう言うと、師匠は屋敷の中に入っていった。
「…まずい。明らかに不審がられたな…」
これでどこかの施設に連れて行かれたりしないだろうか…?
もし“鑑定“の魔道具などが存在した場合、俺が5つのユニークスキルを持っていることがバレてしまう。
「…悩んでも仕方ないし訓練を続けるか。」
何百回か素振りをし終えた頃、師匠が戻ってきた。
「エリス嬢に聞いてきました。過去にTP切れの影響を受けない体質の事例が何件か出ているようなので、気にしなくて大丈夫とのことです。」
「そうですか…!!」
「TP切れを起こさないとのことなので、切れている間は素振りをしましょうか。」
「は、はい…」
TP切れで苦しまないにしても、結局苦しまざるを得ないようだ。
その後訓練をしているうちにわかったことがある。
それは、TP上限増加の条件とその効果だ。
TP切れを起こした後、全快させることで最大TPが1増えるようだ。
つまり、全快する前にソードスキルを行使して再びTP切れを起こしても無駄だということだ。
「最大TPが増えれば増えるほど全快までの時間が長くなり…そしてTP上限上げが難しくなる…」
Lvが上がれば当然TP上限も上がる。
…Lv.1の今がチャンスだ!
訓練への気合が増加した。
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