剣の世界のβテスター~異世界に転生し、力をつけて気ままに生きる~

島津穂高

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第17話 特待クラス

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「…っ!!いつの間に寝落ちしてた!!」



時計を見てみると、まだ15分ほどしか経っていなかった。



「よかったぁ…入学式から寝坊するところだった…」



朝の結果の開示の後、昼に入学式が予定されていたのだ。

寝起きでぼーっとしていると、どんどんと激しいノックが聞こえてきた。



「小僧!入るぞ!」



「は、はい!」



騒音の主はアラン教授だった。



「それで…どうかしましたか?」



「いきなりで悪いんだが…入学式で答辞をしてくれないか?」



「えぇ…」



「ほら、小僧は主席だろう?」



「あっ…」



前世では趣味に没頭し、勉学を疎かにしていたので答辞などとは縁がなかった。



『一応先生の授業で答辞のテンプレは教わったし…それでいいか。』



「分かりました。」



「じゃあ入学式まではまだ時間があるからまずは教室に行くぞ。」



「は、はい!」



『教室か…』



前世でスクールカーストの底辺だった俺にとって、最悪の場所だ。

嫌な記憶を思い出してきた…



『…いや、友好関係を何とか築いて今世ではヒエラルキーの高い部分に位置したい!!』



そんなことを考えながら着いていき、教室の前に着いた。



「小僧、入れ。」



「はい。」



師匠との訓練で心を鎮める練習をしていたからか、自然と感情を落ち着かせることができた。

中に入ると、そこは前世の学校と瓜二つだった。



収容人数は40人で前に黒板…いや、板に紙を張り付けた黒板のようなもの。

4席開いているようだが…遅刻者だろうか?



「…っ!」



クラスメイトの方に目をやると、獣人ばかりだった。

人間はほんの10人くらいしかいないようだ。



『屋敷ではエリス先生以外みんな人間だったからな…なんとも珍しい光景だな。』



「…小僧の席は1番後ろの窓際だ。早く座れ。」



「はい。」



完全な陰キャポジだ。

…まあ俺としてはここが1番落ち着くのだがな。



「…4人ほどいないがまあいい。今後の授業方針について説明するからよく聞いておけ。まず…」



要約すると、



1.特待クラスは座学のみ必修で実技は選択授業制である。

2.選択授業は扱う武器毎で分かれている。

3.必要単位のぎりぎりをとっても構わないが、単位を落とすと進級できなくなるので注意。

4.定期考査について座学は筆記試験を、実技は実技試験を行う。

5.トラブルがあった場合は決闘で決めること



といった感じだ。



「アラン様…」



「様は辞めろ…先生か教授でいい。」



「ではアラン教授、決闘とは具体的にはどういったものですか…?」



よくやったクラスメイト!!

俺も気になったのだが、知らない人が多いこの空間で手を上げるか上げまいか悩んでいたのだ。



「一言で表すと模擬戦だな。ただし、ルールは決闘者達で自由に決められる。

真剣を使っても構わないし、何ならどちらかが死ぬまででも大丈夫だ。」



「なるほど…ありがとうございます。」



なかなか物騒な話だ。

クラスメイトに殺意が高い人がいなかったらいいが…



「…っと、そろそろ時間だ。入学式に行くぞ。」



「は、はい。」



まだ答辞の内容を考えられていないが…

教授達の有難いお話中に考えればいいか。



会場に着くと、そこは巨大ホールのような場所でたくさんの生徒がいた。

上級生も全員集まっているのだろう。



「これより入学式を始めます。まず初めに…」



予想通り学校長や教授たちのありがたい話が延々と続いたので、そのうちに答辞の内容を考えられた。



「続きまして、新入生代表挨拶。新入生代表、アルフレッド。」



「はい。」



俺は屋敷で教わった丁寧な歩き方で壇上に上がった。



「本日私たちは、伝統ある冒険者学校の入学の日を迎えました。

(中略)

最後になりますが、本日は私たち新入生のために入学式を催して頂きありがとうございました。」



最後にお辞儀をすると、盛大な拍手が沸いた。

テンプレ通りで面白みの欠片もなかったが、なんとか役割をこなせてよかった。



「ではこれにて、入学式を終了します。」



その後、再び教室に戻った。



帰る途中、上級生や同級生の何人かから睨まれた。

主席合格だったからだろうか…?

前世で悪意を向けられていることに慣れているし、気にしなくていいだろう。



「じゃあ次に自己紹介を…っと、やっと来たか。」



先程から4つ強者の気配がこちらに近づいて来ているのに気づいていた。

どの正体は遅刻したクラスメイトだったらしい。



「遅れてすみません!!!」



「わりぃわりぃ!!途中で魔物に襲われちまってよぉ!!」



「遅れてごめんね~」



「ご、ごめんなさいです…」



『…俺の目がおかしいのか?』



そこには美しい4人の少女がいた。

しかし、注目すべき点はそこではない。

その4人は種族がそれぞれ白狼族の獣人と竜人、鳥人、天使と希少種族ばかりなのだ。



「あー…お前ら、自己紹介しろ。」



「では私から。私は白狼族のアイリスです。よろしくお願いします。」



「オレは竜人族のクレアだ!!よろしく頼む!!」



「あたしは鳥人族のスー!!よろしくね~!!」



「ボ、ボクは天使族のイザベルです。よ、よろしくです…!」



「おおおおおおおおお!!!!」



希少種族を見たからか、美少女を見たからだろうか…?

クラスには何故か歓声が沸き上がった。



『種族の差でいじめにならなかったらいいが…』
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