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第27話 神託
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「なんですか…?」
『実はその…』
女神様が困った顔をして言い渋っている。
相当大事なのかもしれない。
『近いうちにその…ペンシルゴン家とその周辺の街が滅ぼされてしてしまうんです。』
「なっ…!本当ですか!?」
『は、はい…』
「どうして…」
『魔の森の最奥に未発見のダンジョンがあるんです。その中で魔物がどんどん増殖していて…
大氾濫が起きてしまうんです…!!ごめんなさい…』
「もしかして俺が7歳くらいの時に氾濫が起きたのは…?」
『はい…その大氾濫の影響です…』
大氾濫ではユニーク個体が生まれる。
そいつは強大な力と知恵を持ち、大量の魔物を指揮する。
『知恵があるんだったら和解もできるんじゃ…?』
と考えるだろうが、それは絶対に不可能である。
何故ならユニーク個体は生まれた時から全種族に対する激しい憎悪を抱いている。
その強大な力と知恵を最大限に行使して他種族を滅ぼそうとするのだ。
過去の大氾濫では突然起こったため対応が遅れ、複数の種族が絶滅した。
その時は各街のギルドが提携を結び、死者を出しながらも何とか討伐したらしい。
「…っ!!もしかして…魔の森の最奥にあるダンジョンってことは…?」
『はい…強い魔物ばかりです…』
「俺の他に知っている人は…?」
『まだいません。どうすればいいのか分からなくて…』
女神様は創造神とはいえ、異世界創造は初めての試みなのだ。
社畜時代の経験則として、新人1人で対処するのは本当に辛い。
「俺も手伝いますよ!!」
『ありがとうございます…!!』
「まず…大氾濫が起こるのはいつですか?」
『ちょうど来年のこの時期です。』
「ならまだ時間はあるな。…次に、女神様は俺以外にも神託はできますか?」
『は、はい!各教会の神父になら…』
「では教会長全員に神託をしましょう。あと父上にも出来ますか?」
『は、はい!!あなたのお父上は敬虔な方ですので!』
「そうだったんですか…!」
父上が神に祈っている姿を見たことがないので、少し意外だ。
『それで内容は…?』
「そうですね…」
それから時間をかけ、念入りに内容を考えた。
『これなら…大氾濫に発展する前に沈静化できますね!!』
「ええ!では戻って少ししたら神託をお願いします。一応俺にもお願いしますね。」
『わ、分かりました!!では目を閉じてください。』
「ええ。」
少しして目を開けると、女神像の前に戻っていた。
「あ、アルフレッド君!終わったのです?」
「ああ。…俺はどのくらいお祈りしてた?」
「ボクが終わって2分後くらいだから…5分くらいなのです!」
「そうか。」
あの真っ白な空間は時間の流れが違うようだ。
おそらく1時間くらい話していたので助かった。
「ところでイザベル、祈る時に羽と輪は出したのか?」
「い、いえ!今はこの指輪の魔道具で封印しているのです!」
「なるほど…」
『私は創造神です。今から世界中の神父に神託を与えます。』
「…っ!」
打ち合わせ通り、神託が始まった。
『魔の森最奥にあるダンジョンで魔物が大量発生しています。
このまま放置したら1年後に大氾濫が起きてしまい、その被害は計り知れません。
至急冒険者ギルドに通達し、高位冒険者を派遣して魔物を間引きしてください。
この世界を守るため、ご協力をお願いします。』
自信なさげだったが、噛まずにちゃんと言えたようだ。
『…って俺は女神様のお母さんかよ!』
それはさておき、これから神父達が急いで行動を起こすだろう。
邪魔になる前に退散しよう。
「俺は帰るけど…イザベルはどうする?」
「ボ、ボクも帰るのです!」
「じゃあ一緒に帰るか。」
「は、はいなのです!!」
屋台で食べ歩きしつつ、寮に帰った。
「じゃあまた明日。」
「また明日なのです!」
それから片手剣の訓練をし、就寝した。
翌日
ホームルームにて、アラン教授が深刻な表情を浮かべていた。
「…お前達に伝えなきゃいけないことがある。」
「どうかしたんですか…?」
「昨日創造神様から魔の森の魔物を間引くよう神託があったんだ。
それで…冒険者学校の教授は前線に、特待クラスの生徒は補給部隊として同行することになった。」
「なっ…!」
その可能性は考えていなかった…
「2ヶ月後、ペンシルゴン家に召集がかかっている。これから2ヶ月間授業内容を少し変更するが、了承して欲しい。」
クラスの雰囲気が暗くなった。
補給部隊とはいえ大戦に参加するのだ。
『もし前線が崩壊して魔物が襲ってきたら…』
と考えているのだろう。
その可能性は大いにあるので、当然の心配だ。
「あ、あの…参加しないという選択肢は…?」
「参加しなくても構わないが…緊急招集に対応する能力がないと判断されて、冒険者の経歴に傷がつくだろうな。」
「そんな…」
Eランク冒険者を超えると、非常事態が起きたときに緊急招集に応じる義務を負う。
緊急招集は滅多にないので多くの冒険者は存在しか知らないだろう。
『家を出て3ヶ月で帰るのか…家族とはいえ他人として接した方がいいだろうな…』
心苦しいが、ペンシルゴン家の家名に泥を塗らないためには仕方ない。
「じゃあ授業を始めるぞ。今日は…」
『実はその…』
女神様が困った顔をして言い渋っている。
相当大事なのかもしれない。
『近いうちにその…ペンシルゴン家とその周辺の街が滅ぼされてしてしまうんです。』
「なっ…!本当ですか!?」
『は、はい…』
「どうして…」
『魔の森の最奥に未発見のダンジョンがあるんです。その中で魔物がどんどん増殖していて…
大氾濫が起きてしまうんです…!!ごめんなさい…』
「もしかして俺が7歳くらいの時に氾濫が起きたのは…?」
『はい…その大氾濫の影響です…』
大氾濫ではユニーク個体が生まれる。
そいつは強大な力と知恵を持ち、大量の魔物を指揮する。
『知恵があるんだったら和解もできるんじゃ…?』
と考えるだろうが、それは絶対に不可能である。
何故ならユニーク個体は生まれた時から全種族に対する激しい憎悪を抱いている。
その強大な力と知恵を最大限に行使して他種族を滅ぼそうとするのだ。
過去の大氾濫では突然起こったため対応が遅れ、複数の種族が絶滅した。
その時は各街のギルドが提携を結び、死者を出しながらも何とか討伐したらしい。
「…っ!!もしかして…魔の森の最奥にあるダンジョンってことは…?」
『はい…強い魔物ばかりです…』
「俺の他に知っている人は…?」
『まだいません。どうすればいいのか分からなくて…』
女神様は創造神とはいえ、異世界創造は初めての試みなのだ。
社畜時代の経験則として、新人1人で対処するのは本当に辛い。
「俺も手伝いますよ!!」
『ありがとうございます…!!』
「まず…大氾濫が起こるのはいつですか?」
『ちょうど来年のこの時期です。』
「ならまだ時間はあるな。…次に、女神様は俺以外にも神託はできますか?」
『は、はい!各教会の神父になら…』
「では教会長全員に神託をしましょう。あと父上にも出来ますか?」
『は、はい!!あなたのお父上は敬虔な方ですので!』
「そうだったんですか…!」
父上が神に祈っている姿を見たことがないので、少し意外だ。
『それで内容は…?』
「そうですね…」
それから時間をかけ、念入りに内容を考えた。
『これなら…大氾濫に発展する前に沈静化できますね!!』
「ええ!では戻って少ししたら神託をお願いします。一応俺にもお願いしますね。」
『わ、分かりました!!では目を閉じてください。』
「ええ。」
少しして目を開けると、女神像の前に戻っていた。
「あ、アルフレッド君!終わったのです?」
「ああ。…俺はどのくらいお祈りしてた?」
「ボクが終わって2分後くらいだから…5分くらいなのです!」
「そうか。」
あの真っ白な空間は時間の流れが違うようだ。
おそらく1時間くらい話していたので助かった。
「ところでイザベル、祈る時に羽と輪は出したのか?」
「い、いえ!今はこの指輪の魔道具で封印しているのです!」
「なるほど…」
『私は創造神です。今から世界中の神父に神託を与えます。』
「…っ!」
打ち合わせ通り、神託が始まった。
『魔の森最奥にあるダンジョンで魔物が大量発生しています。
このまま放置したら1年後に大氾濫が起きてしまい、その被害は計り知れません。
至急冒険者ギルドに通達し、高位冒険者を派遣して魔物を間引きしてください。
この世界を守るため、ご協力をお願いします。』
自信なさげだったが、噛まずにちゃんと言えたようだ。
『…って俺は女神様のお母さんかよ!』
それはさておき、これから神父達が急いで行動を起こすだろう。
邪魔になる前に退散しよう。
「俺は帰るけど…イザベルはどうする?」
「ボ、ボクも帰るのです!」
「じゃあ一緒に帰るか。」
「は、はいなのです!!」
屋台で食べ歩きしつつ、寮に帰った。
「じゃあまた明日。」
「また明日なのです!」
それから片手剣の訓練をし、就寝した。
翌日
ホームルームにて、アラン教授が深刻な表情を浮かべていた。
「…お前達に伝えなきゃいけないことがある。」
「どうかしたんですか…?」
「昨日創造神様から魔の森の魔物を間引くよう神託があったんだ。
それで…冒険者学校の教授は前線に、特待クラスの生徒は補給部隊として同行することになった。」
「なっ…!」
その可能性は考えていなかった…
「2ヶ月後、ペンシルゴン家に召集がかかっている。これから2ヶ月間授業内容を少し変更するが、了承して欲しい。」
クラスの雰囲気が暗くなった。
補給部隊とはいえ大戦に参加するのだ。
『もし前線が崩壊して魔物が襲ってきたら…』
と考えているのだろう。
その可能性は大いにあるので、当然の心配だ。
「あ、あの…参加しないという選択肢は…?」
「参加しなくても構わないが…緊急招集に対応する能力がないと判断されて、冒険者の経歴に傷がつくだろうな。」
「そんな…」
Eランク冒険者を超えると、非常事態が起きたときに緊急招集に応じる義務を負う。
緊急招集は滅多にないので多くの冒険者は存在しか知らないだろう。
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