剣の世界のβテスター~異世界に転生し、力をつけて気ままに生きる~

島津穂高

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第51話 実力測定②

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「次、三番手!!舞台に来い!!」



「は、はい!!」



次はアイリスの番だ。

得物は短剣…アランに勝つには速度で翻弄して何度も攻撃を重ねるか、またはイザベルと同じように懐に入り込んで仕留めるしかない。



入学当初は直線的な攻撃ばかりで攻撃の軌道が簡単に読めたが、夏休み中の練習で曲線的な攻撃もできるようになった。

果たしてアランにどれほど通用するか…



「両者武器を構えて…試合開始!!」



開始と同時にアイリスは回り込むようにして移動を始めた。

対するアランは動く速さに目を慣れさせようと、アイリスの動きを凝視している。



『下手に動き回って動きを見切られたら終わりだ。仕留めるなら最速でやるしかない。』



アイリスもそれを悟ったのか、急遽方向転換してアランの元へ直進した。

するとアランの口元に笑みが浮かんだ。



『まずい…!!今のは罠だったのか!!』



かと言って再び距離を取れば動きを見切られる可能性が高い。

リスクが高いが、ここは攻め切るしかない。



「やぁぁぁ!!!」



アイリスが短剣Lv.5”ジェットファング”を行使した。

システムアシストでアランの背後に回り、斬りかかるなの算段だろうが…



『アランも両手剣Lv.5”サイクロンの構えを取った…範囲攻撃技で仕留める気か。』



決着を予感した次の瞬間。

予想通りシステムアシストでアランの背後に回り込むと同時に、左から刃がアイリスに襲い掛かった。

…のだが、なぜかアイリスは死ななかった。



『っ…!!身体を倒してアランの攻撃を回避し…体勢を崩したことよってソードスキルに時間差を作ったのか…!?』



何という戦闘技術だ。

体勢を崩したことによって粗末なものとなったが、それでもアイリスの攻撃はアランの両太腿に切り傷を入れた。



「おおおおおおおおおおおお!!!!!!」



大きな歓声が上がった。

観客は初めて元Sランク冒険者にダメージを与えた瞬間を目の当たりにしたのだ。



『俺は入学試験の時に体術スキルを直撃させたのに…くそぉ!俺も周りの人に褒めちぎられたい…!!』



っと、それは置いておくとしよう。

アイリスは攻撃を当てるや否や、すぐさま距離を取って体勢を立て直そうとした。



…しかし、それは許されなかった。

アランの強靭な肉体の影響か、アイリスの1撃は両太腿の皮が切れて血が出る程度だったのだ。

そのため戦闘に支障をきたさず、すぐに両手剣Lv.6”ジェットスマッシュ”を行使して距離を詰め、アイリスを両断した。



「そこまで!!」



「痛っ…!!!」



舞台で死に、闘技場の外に出されたアイリスが痛みに悶えている。

そこへ戦闘に感激した3人が駆け寄った。



「おいアイリス!!お前すげぇな!!!」



「あたしも感動したよ!!まさかアラン教授に一太刀入れるなんて…!!」



「す、すごくかっこよかったのです…!!」



「ありがとうございます、3人とも。」



俺も3人の後に続いてアイリスの元へ駆け寄った。



「俺もびっくりしたよ。あの時間差攻撃は意図的にやったんだろう?」



「え、ええ!そうよ!!」



目が泳いでいる。

あの攻撃は偶然だったのか…



「4番手、舞台に来い。」



「あっ、は~い!!」



次はスーの番だ。

得物は槍…1撃でもまともに受けたら折れるかもしれない。

アランに勝つには攻撃を回避しつつ攻撃を重ねるか、急所を突いて1撃で仕留めるしかない。



「両者武器を構えて…試合開始!!」



『おぉ…!!』



開始と同時に、スーがしまっていた羽を大きく広げた。

そして羽で推進力を得て、”飛行”しつつアランへ急接近した。



初見なら驚くなり焦るなりするはずだが、アランは微動だにしなかった。

おそらく入学試験の時に1度見たのだろう。



アランが間合いに入るや否や、絶え間なく槍で攻撃を続けている。

しかし、全ての攻撃が横幅のある両手剣で防がれている。



『アランの猛攻を回避するのは至難の業…ここはクレアと同じように、攻撃の隙を与えないようにするつもりか。』



だが…力で負けている状態での槍攻撃は、両手剣を横にして前に構えるだけで簡単に防げる。

スーは一体どうするつもりなのだろうか。



スーの猛攻をアランが防ぎ続ける構図のまま3分ほどが過ぎた。

攻撃が徐々に弱々しくなっている。



『まずい…このままだとスーの攻撃がパリィされ、追撃されて終わりだ。決着か…』



予想通り、アランがスーの攻撃をパリィしたその刹那。



スーは自ら槍を手放すことで体勢を崩さず、逆にアランはパリィに力を込めすぎて体勢を僅かに崩した。



『おぉ…!!考えたな!!』



すかさず羽ばたいてアランの懐に入り込み、体術Lv.4”上弦蹴り”を行使した。

しかし、アランはまるでそれを予期していたかのようだった。



両手剣から右手を離し、”上弦蹴り”を防いだのだ。

足を掴むと、そのまま体術Lv.6”破掌打”を放った。



「そこまで!!」



「痛ったぁ~!!!どうしてあれが防げるんだよ~!!」



俺が駆け寄ると同時に、アランも舞台から降りてスーの元へ歩んだ。



「スー、その…すまん。」



「…?どうしてアルフレッドが謝るのかな?」



「あー…実は今の攻撃、俺が入学試験で小僧にやられた時と同じだったんだよ。2回目は流石に…な?」



「あたしが頭をフル回転させて考えた戦術が…」



「いやその…ごめん。」



「謝られると余計惨めになるよ!!も~…仕方ない。許すよ!!」



「ありがとう。」
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