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第93話 迷いの森サバイバル(南部) 開始
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修行1日目
「それで師範、どこに向かうんですか?」
「迷いの森じゃ。」
「なっ…!?」
迷いの森とは、危険度高ランクの魔物が跋扈する危険地帯である。
危険度はペンシルゴン領の魔の森よりは低いが、森の面積が非常に大きく迷ったら二度と帰れないと言われている。
ちなみにブルーノ帝国の東端に位置しており、国土の6割を占めている。
「あそこは馬車も通ってないんじゃ…?」
「うむ。妾は飛ぶから、お主は走っていくのじゃ。」
「えぇ…!!」
「ついてくるのじゃぞ!!」
「は、はいぃ…」
決闘都市コルセアはブルーノ帝国の南端に位置しているので、直線距離でも60km以上はあるのだが…
愚痴を言っていても仕方ないので、”闘気操術”を駆使して走り始めた。
「ちょっ…嘘だろ…!?」
師範は吸血鬼の羽で飛んでいるから地形の影響を受けなくて済むのだが、走っている俺は違う。
馬車道を走り、林を抜け…時には川を泳ぎ、崖を上り…
そんなこんなで苦難を乗り越えながら走り続け、3時間くらいが経った。
「着いたのじゃ!!」
「はぁ…はぁ…はぁ…はぁ…」
早朝訓練での体力作りと”闘気操術”のおかげで何とか完走することができた。
とはいえ流石に疲れ、足は生まれたての小鹿のように震えている。
「それで…ここで何をするんですか…?」
「サバイバルじゃ!!」
「えぇ…!?」
前世でサバイバル動画が好きな時期があったが、それはサバイバルをするのがあくまで他人だからである。
実際にやりたいなど微塵も思ったことがない。
それに、危険地帯でサバイバルなんて正気の沙汰ではない。
師範がいるから最悪の事態は避けられるだろうが…
「もう昼頃…拠点を作って火を起こして食料を探さないと…」
「おっ、やる気十分じゃな!!なら早速森に入るのじゃ!!」
「はい…」
師範は羽を仕舞い、先導し始めた。
俺は念のため”魔物探知”を半径200mで行使しながら師範の後を付いていった。
そこは高木や低木など様々な木々が生い茂っている。
そのせいで太陽の光はほとんど入らず、昼間だというのに鬱蒼としている。
『この世界は空気が汚れてない分、夜も明るいんだけどなぁ…この様子だと迷いの森の夜は真っ暗だろうな。』
そんなことを思っていると、早速探知に反応があった。
そしてその反応は止まることなく増え続けた。
「師範っ!!左右前方に大量の魔物が…!!」
「お主は魔物の探知もできるのじゃな!!多才じゃなぁ…」
「ちょっ、そんなのんびりしてる場合じゃないですよ!!」
話している間にも反応は増え続け、既に20体は超えている。
”鑑定”してみると、全てAランク魔物ウェアウルフ(亜種)の群れだった。
「なっ…!!ウェアウルフだと!?」
魔物征伐の時に戦った個体とはまるで別物だ。
体長は大型犬程度しかないが、灰色のつやつやした体毛と血走った眼は同じだ。
おそらく迷いの森の環境に合わせて独自に進化したのだろう。
「妾は手を出さないからお主1人で頑張るのじゃ。上手くいけば当分の食料が手に入るのじゃよ!!」
「くそっ、もうどうにでもなれ!!」
やけくそになりながらグレートバスタードソードを構え、”ノヴァディザスター”を行使した。
木々を倒したら自分達にも危険が降りかかる上に、音につられて魔物が集まってくる。
なので、システムアシスト外軌道で木々の間を通るように斬撃を放ちまくった。
ウェアウルフ亜種たちは狭く足場が悪い空間での狩りに慣れているようで、軽快なステップで斬撃を回避した。
「ちっ…」
だが大量の斬撃を全て避けからことはできなかったようだ。
何匹かは直撃し、キャウン!と吠えながら絶命した。
どうやら耐久力は低いようだ。
そうと決まればあとは早く仕留めるだけだ。
“闘気操術“で纏うTPを5,000まで上げ、身体能力を増幅させて再び“ノヴァディザスター“を行使した。
放たれる斬撃は先程の2倍以上早く、鋭くなった。
それによってウェアウルフ亜種達は反応すら出来ずに次々倒れ、仕留めきった。
「浅い場所の魔物でこんなに強いのかよ…」
中央付近のもっと深い場所にいる魔物ははたしてどのくらい強いのだろうか…?
そんな事を考えると、少しワクワクしてくる。
「ほれ、魔物が集まるし鮮度が落ちるから早く解体するのじゃ!!」
「はい。」
「まずここから刃をいれるのじゃ。それから…」
解体作業は知識として学んではいるものの、実践は初めてだ。
血生臭さに吐き気を催しながらも、師範に指導してもらって何とか全匹解体することができた。
師範の教えは丁寧かつ的確で非常に分かりやすかった。
心配していた知識の確保についても、安心してよさそうだ。
「アイテムボックスの魔道具は持ってるのじゃ?」
「あ、はい。」
「なら早く仕舞っておくのじゃ。」
「はい。」
ユニークスキルだということは隠しておこう。
今朝は不安だらけだったが…
意外と上手くいきそうだ。
「それで師範、どこに向かうんですか?」
「迷いの森じゃ。」
「なっ…!?」
迷いの森とは、危険度高ランクの魔物が跋扈する危険地帯である。
危険度はペンシルゴン領の魔の森よりは低いが、森の面積が非常に大きく迷ったら二度と帰れないと言われている。
ちなみにブルーノ帝国の東端に位置しており、国土の6割を占めている。
「あそこは馬車も通ってないんじゃ…?」
「うむ。妾は飛ぶから、お主は走っていくのじゃ。」
「えぇ…!!」
「ついてくるのじゃぞ!!」
「は、はいぃ…」
決闘都市コルセアはブルーノ帝国の南端に位置しているので、直線距離でも60km以上はあるのだが…
愚痴を言っていても仕方ないので、”闘気操術”を駆使して走り始めた。
「ちょっ…嘘だろ…!?」
師範は吸血鬼の羽で飛んでいるから地形の影響を受けなくて済むのだが、走っている俺は違う。
馬車道を走り、林を抜け…時には川を泳ぎ、崖を上り…
そんなこんなで苦難を乗り越えながら走り続け、3時間くらいが経った。
「着いたのじゃ!!」
「はぁ…はぁ…はぁ…はぁ…」
早朝訓練での体力作りと”闘気操術”のおかげで何とか完走することができた。
とはいえ流石に疲れ、足は生まれたての小鹿のように震えている。
「それで…ここで何をするんですか…?」
「サバイバルじゃ!!」
「えぇ…!?」
前世でサバイバル動画が好きな時期があったが、それはサバイバルをするのがあくまで他人だからである。
実際にやりたいなど微塵も思ったことがない。
それに、危険地帯でサバイバルなんて正気の沙汰ではない。
師範がいるから最悪の事態は避けられるだろうが…
「もう昼頃…拠点を作って火を起こして食料を探さないと…」
「おっ、やる気十分じゃな!!なら早速森に入るのじゃ!!」
「はい…」
師範は羽を仕舞い、先導し始めた。
俺は念のため”魔物探知”を半径200mで行使しながら師範の後を付いていった。
そこは高木や低木など様々な木々が生い茂っている。
そのせいで太陽の光はほとんど入らず、昼間だというのに鬱蒼としている。
『この世界は空気が汚れてない分、夜も明るいんだけどなぁ…この様子だと迷いの森の夜は真っ暗だろうな。』
そんなことを思っていると、早速探知に反応があった。
そしてその反応は止まることなく増え続けた。
「師範っ!!左右前方に大量の魔物が…!!」
「お主は魔物の探知もできるのじゃな!!多才じゃなぁ…」
「ちょっ、そんなのんびりしてる場合じゃないですよ!!」
話している間にも反応は増え続け、既に20体は超えている。
”鑑定”してみると、全てAランク魔物ウェアウルフ(亜種)の群れだった。
「なっ…!!ウェアウルフだと!?」
魔物征伐の時に戦った個体とはまるで別物だ。
体長は大型犬程度しかないが、灰色のつやつやした体毛と血走った眼は同じだ。
おそらく迷いの森の環境に合わせて独自に進化したのだろう。
「妾は手を出さないからお主1人で頑張るのじゃ。上手くいけば当分の食料が手に入るのじゃよ!!」
「くそっ、もうどうにでもなれ!!」
やけくそになりながらグレートバスタードソードを構え、”ノヴァディザスター”を行使した。
木々を倒したら自分達にも危険が降りかかる上に、音につられて魔物が集まってくる。
なので、システムアシスト外軌道で木々の間を通るように斬撃を放ちまくった。
ウェアウルフ亜種たちは狭く足場が悪い空間での狩りに慣れているようで、軽快なステップで斬撃を回避した。
「ちっ…」
だが大量の斬撃を全て避けからことはできなかったようだ。
何匹かは直撃し、キャウン!と吠えながら絶命した。
どうやら耐久力は低いようだ。
そうと決まればあとは早く仕留めるだけだ。
“闘気操術“で纏うTPを5,000まで上げ、身体能力を増幅させて再び“ノヴァディザスター“を行使した。
放たれる斬撃は先程の2倍以上早く、鋭くなった。
それによってウェアウルフ亜種達は反応すら出来ずに次々倒れ、仕留めきった。
「浅い場所の魔物でこんなに強いのかよ…」
中央付近のもっと深い場所にいる魔物ははたしてどのくらい強いのだろうか…?
そんな事を考えると、少しワクワクしてくる。
「ほれ、魔物が集まるし鮮度が落ちるから早く解体するのじゃ!!」
「はい。」
「まずここから刃をいれるのじゃ。それから…」
解体作業は知識として学んではいるものの、実践は初めてだ。
血生臭さに吐き気を催しながらも、師範に指導してもらって何とか全匹解体することができた。
師範の教えは丁寧かつ的確で非常に分かりやすかった。
心配していた知識の確保についても、安心してよさそうだ。
「アイテムボックスの魔道具は持ってるのじゃ?」
「あ、はい。」
「なら早く仕舞っておくのじゃ。」
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今朝は不安だらけだったが…
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