剣の世界のβテスター~異世界に転生し、力をつけて気ままに生きる~

島津穂高

文字の大きさ
95 / 246

第95話 迷いの森サバイバル(南部) 狩猟

しおりを挟む
2日目



「ん…朝か…」



ヒカリゴケが発光し始める(日の出)と共に目を覚ました。

ウルフ毛皮の寝袋はふかふかで暖かく、いつもと同じくらい熟睡できた。



『師範は…まだ寝てるか。よし、日課の早朝訓練しますか!!』



訓練を始めて数時間後



「ん…おはようなのじゃ…」



「おはようございます。」



「弟子よ、朝食の準備をするぞ。」



「ウェアウルフ亜種とジェノスタイガーの肉が余ってますけど…」



「木の実を食べるじゃ!!ほれ、ついてくるのじゃ!!」



「はい。」



結論から言うと、師範は本当に博識だった。

見るだけで食べられるかどうかを瞬時に判断し、俺の“鑑定“を行使するまでもなかった。



採取のついでに食べられる実や似た毒性植物との見分け方などを教わった。

覚えることは多いが、実体験に基づいているので覚えやすかった。



「…うむ、十分集まったから帰るのじゃ!!」



「はい!!」



元々ジェノスタイガーの縄張りだったおかげだろうか?

洞窟の周囲に魔物が近寄らず、エンカウントしなかった。



洞窟で朝食を取り、一休みした後



「…よし、そろそろ外に出るのじゃ!!」



「今日は何をするんですか?」



「罠を使った魔物狩猟の方法を教えるのじゃ!!」



「おぉ…!!」



ソロで大きな魔物や俊敏性のある魔物を討伐するには、罠は必要不可欠だ。

師範に言われた通り、植物のツタを集めつつ森の中央へ向かった。



『ワイヤートラップに利用するのか…?それにしては弱すぎる気がするが…』



「止まるのじゃ!!」



「っ⁉︎す、すみません!!」



俺がツタを取るため植物に触れようとすると、表情を厳しくして叱られた。

何かいけないことをしてしまっただろうか…?



「その魔物に触れてはいけないのじゃ。」



「魔物…?」



今触ろうとしていたツタの部分を“鑑定“してみた。

すると、“イヴィープラント”という魔物名が表示された。



「師範、この魔物は…?」



「ツタに触れた生物を絡みとって、毒針を刺して養分にする魔物じゃよ。…こんな感じじゃ。」



師範がツタに大きめの木の枝を落とすと、0.5秒くらいでバキバキという音と共に枝が折れた。



「うわ…結構エグいな…」



落ちた枝を見てみると、何十個も穴が空いており、プスプスと音を立てて溶けていた。



「ふむ…いいツタが手に入りそうじゃな。弟子よ、イヴィープラントを刈ってみるのじゃ!!」



「えぇ!?わ、分かりました…」



グレートバスタードソードの強度なら毒で溶かされないとは思うが…

心配だから一応遠距離で仕留めよう。



数歩下がり、イヴィープラントに向けて両手間Lv.9“ノヴァディザスター“を行使した。



「…っ!?」



イヴィープラントが思わぬ行動に出た。



斬撃を飛ばしてツタを何本も斬り裂いたところまでは良かった。

しかし、自分を傷つける斬撃の発生源…つまり俺に向けてツタを伸ばしてきたのだ。



「うわっ!!危ねっ!!」



右へステップを踏んで回避すると、ツタが追いかけてきた。

そこへ両手剣Lv.5“サイクロン“を行使して広範囲を殲滅した。



「くっ!!」



だが、ツタの勢いは止まない。

延々と迫ってくるツタへソードスキルを行使し続けること数分



「…よし、ツタ切れじゃの!!」



『ツタ切れって…んな弾切れみたいな…』



だが、やっと攻撃が止んだ。

師範曰く、ツタを再度生成するために仮死状態になっているらしい。



「イヴィープラントのツタは本体から切り離すと毒が抜けてただのツタになるのじゃ!!」



「へぇ…じゃあ切り取った分全部収納しておきますね。」



「うむ!!」



ツタを回収した後、さらに森の深部へと進んだ。



「止まるのじゃ。」



「はい。」



「これはBランク魔物ラッシュボアの足跡とフンじゃな。この近くに寝床があるはずじゃよ。」



「なるほど…」



冒険者学校で読んだ本では、イノシシの巨大化バージョンといった感じの魔物だった。

足跡が40cmほどあることから察するに、まあまあ大きい個体だろう。



足跡を追跡して寝床を探すこと数十分



他より少し大きい木の陰で、落ち葉が敷き詰められている場所を発見した。

そこにはラッシュボアの体毛が落ちていたので、寝床はここで間違いないだろう。



「…妾が説明するから、この獣道に罠を仕掛けるのじゃ。」



「はい。」



「まずはイヴィープラントのツタを…」



数分後



「これで完成なのじゃ!!」



「おぉ…!!」



予想通りツタを利用したワイヤートラップで、ラッシュボアの足に絡ませて転倒させる罠だ。



ラッシュボアの警戒すべき点は体重を利用した突進攻撃と発達したツノによる刺突攻撃だ。

この罠に引っ掛けることができれば、相手の長所を無効化して仕留めるだけでいい。



「ラッシュボアは真昼と真夜中に1度寝床に戻る習性があるからそろそろのはずじゃが…」



「師範!!噂をすれば獣道70m先からこちらへ歩いてきています!!」



「ふむ!!なら妾達は藪に隠れるのじゃ!!お主はラッシュボアが罠に掛かったら仕留めに行くのじゃ!!」



「はい!!」



大きな影が一歩また一歩とこちらに迫ってくる。

罠まであと10m…5m…今!!



「グオオオオオオオオオ!!!!」



罠に掛かって転倒し、まるで地鳴りのような鳴き声を上げた。

俺はそこへすかさず飛び出し、両手剣Lv.1”スラッシュ”で頭を落とした。



『こんなに簡単に仕留められるのか…!!』



ソロ冒険者として活動する際は可能な限り罠を使おうと、そう決意した。
しおりを挟む
感想 16

あなたにおすすめの小説

伯爵家の三男に転生しました。風属性と回復属性で成り上がります

竹桜
ファンタジー
 武田健人は、消防士として、風力発電所の事故に駆けつけ、救助活動をしている途中に、上から瓦礫が降ってきて、それに踏み潰されてしまった。次に、目が覚めると真っ白な空間にいた。そして、神と名乗る男が出てきて、ほとんど説明がないまま異世界転生をしてしまう。  転生してから、ステータスを見てみると、風属性と回復属性だけ適性が10もあった。この世界では、5が最大と言われていた。俺の異世界転生は、どうなってしまうんだ。  

魔法物語 - 倒したモンスターの魔法を習得する加護がチートすぎる件について -

花京院 光
ファンタジー
全ての生命が生まれながらにして持つ魔力。 魔力によって作られる魔法は、日常生活を潤し、モンスターの魔の手から地域を守る。 十五歳の誕生日を迎え、魔術師になる夢を叶えるために、俺は魔法都市を目指して旅に出た。 俺は旅の途中で、「討伐したモンスターの魔法を習得する」という反則的な加護を手に入れた……。 モンスターが巣食う剣と魔法の世界で、チート級の能力に慢心しない主人公が、努力を重ねて魔術師を目指す物語です。

アーティファクトコレクター -異世界と転生とお宝と-

一星
ファンタジー
至って普通のサラリーマン、松平善は車に跳ねられ死んでしまう。気が付くとそこはダンジョンの中。しかも体は子供になっている!? スキル? ステータス? なんだそれ。ゲームの様な仕組みがある異世界で生き返ったは良いが、こんな状況むごいよ神様。 ダンジョン攻略をしたり、ゴブリンたちを支配したり、戦争に参加したり、鳩を愛でたりする物語です。 基本ゆったり進行で話が進みます。 四章後半ごろから主人公無双が多くなり、その後は人間では最強になります。

神の加護を受けて異世界に

モンド
ファンタジー
親に言われるまま学校や塾に通い、卒業後は親の進める親族の会社に入り、上司や親の進める相手と見合いし、結婚。 その後馬車馬のように働き、特別好きな事をした覚えもないまま定年を迎えようとしている主人公、あとわずか数日の会社員生活でふと、何かに誘われるように会社を無断で休み、海の見える高台にある、神社に立ち寄った。 そこで野良犬に噛み殺されそうになっていた狐を助けたがその際、野良犬に喉笛を噛み切られその命を終えてしまうがその時、神社から不思議な光が放たれ新たな世界に生まれ変わる、そこでは自分の意思で何もかもしなければ生きてはいけない厳しい世界しかし、生きているという実感に震える主人公が、力強く生きるながら信仰と奇跡にに導かれて神に至る物語。

病弱が転生 ~やっぱり体力は無いけれど知識だけは豊富です~

於田縫紀
ファンタジー
 ここは魔法がある世界。ただし各人がそれぞれ遺伝で受け継いだ魔法や日常生活に使える魔法を持っている。商家の次男に生まれた俺が受け継いだのは鑑定魔法、商売で使うにはいいが今一つさえない魔法だ。  しかし流行風邪で寝込んだ俺は前世の記憶を思い出す。病弱で病院からほとんど出る事無く日々を送っていた頃の記憶と、動けないかわりにネットや読書で知識を詰め込んだ知識を。  そしてある日、白い花を見て鑑定した事で、俺は前世の知識を使ってお金を稼げそうな事に気付いた。ならば今のぱっとしない暮らしをもっと豊かにしよう。俺は親友のシンハ君と挑戦を開始した。  対人戦闘ほぼ無し、知識チート系学園ものです。

異世界転生したので森の中で静かに暮らしたい

ボナペティ鈴木
ファンタジー
異世界に転生することになったが勇者や賢者、チート能力なんて必要ない。 強靭な肉体さえあれば生きていくことができるはず。 ただただ森の中で静かに暮らしていきたい。

異世界召喚に巻き込まれたのでダンジョンマスターにしてもらいました

まったりー
ファンタジー
何処にでもいるような平凡な社会人の主人公がある日、宝くじを当てた。 ウキウキしながら銀行に手続きをして家に帰る為、いつもは乗らないバスに乗ってしばらくしたら変な空間にいました。 変な空間にいたのは主人公だけ、そこに現れた青年に説明され異世界召喚に巻き込まれ、もう戻れないことを告げられます。 その青年の計らいで恩恵を貰うことになりましたが、主人公のやりたいことと言うのがゲームで良くやっていたダンジョン物と牧場経営くらいでした。 恩恵はダンジョンマスターにしてもらうことにし、ダンジョンを作りますが普通の物でなくゲームの中にあった、中に入ると構造を変えるダンジョンを作れないかと模索し作る事に成功します。

異世界召喚に条件を付けたのに、女神様に呼ばれた

りゅう
ファンタジー
 異世界召喚。サラリーマンだって、そんな空想をする。  いや、さすがに大人なので空想する内容も大人だ。少年の心が残っていても、現実社会でもまれた人間はまた別の空想をするのだ。  その日の神岡龍二も、日々の生活から離れ異世界を想像して遊んでいるだけのハズだった。そこには何の問題もないハズだった。だが、そんなお気楽な日々は、この日が最後となってしまった。

処理中です...