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第124話 古代文明都市 vsドラゴン型①
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「弟子よ、ドラゴンの様子はどうじゃ?」
「地面に丸まって座ったまま動きませんね。」
「寝ているのじゃろうか?」
「いえ、反応はあるので活動が停止しているわけではなさそうです。」
「うむ…」
扉のロックはリザードマン型を倒した際、ガチャ!という音とともに解除されている。
ミノタウロス型と同じで門番の役割を担っていたのだろう。
扉のロックが解除されると同時にドラゴン型も動き出すと予想していたが…
実際はそうではなかったようだ。
『…まあ予想が外れたおかげで小休憩できたから良しとするか。』
「中の構造はどうなっておるのじゃ?」
「直径50m、高さ100mくらいある円柱状の部屋です。」
「ふむ…ドラゴンに翼は生えているのじゃ?」
「はい。天井も高いですし、飛べると思います。」
「むぅ…空から一方的にブレスを放たれたら厄介じゃの。」
「そうですね…」
遮蔽物がない以上、俺は飛べないので回避不可能だろう。
唯一回避できる可能性があるとすれば、それは扉を開けてこの部屋から出ることだ。
『…もしゲームみたいなボス部屋だったら、部屋に入った瞬間閉じ込められて外に出られないけどな。』
「むむむ…細かく作戦を立て直すのじゃ。」
「そうですね。」
「まず扉に入った直後に妾は右、お主は左へ展開して挟撃するのじゃ。」
「狙いは翼の付け根ですか?」
「うむ。これで翼を封じられるのが最善じゃの。」
「了解です。」
とはいえ、門番だったリザードマン型でさえ“闘気操術“を駆使してもなかなか斬れなかったのだ。
ラスボスのドラゴン型はもっと頑丈であること間違いなしだろう。
「そうした場合、おそらくドラゴンの注意は攻撃力の高い師範の方に向かいますね。」
「うむ。そうしたら妾が囮を担うから、お主は出来るだけドラゴンのHPを削るのじゃ。」
「分かりました。」
このドラゴンはあくまで機械生命体なので、HPという概念はない。
だが損傷率が高くなると作動を停止するようなので、出来るだけ傷を与えよう。
「お主の方に注意が向いたら役割は逆じゃな。」
「後はそれを繰り返すだけ…ですか?」
「うむ。何か質問はあるのじゃ?」
「初撃で翼を封じられなくて、空に逃げられたらどうしましょう?」
「妾は飛んで空中戦へ持っていくのじゃ。お主は…回避に努めて、余裕があれば斬撃を放って援護して欲しいのじゃ。」
「分かりました。あと、ブレスはどう対処しましょう?」
「ふむ…ブレスは個体によって特徴が違うから臨機応変に頼むのじゃ。」
「なるほど…」
作戦を立てても不安しかないが、師範もいるので何とかなるはずだ。
…何とかなると信じたい。
深呼吸をして心を落ち着かせ、戦闘態勢を整えた。
最高の装備に“闘気操術“、“武器強化“…今までの集大成といったところだ。
「…準備は出来たのじゃ?」
「はい…!!」
「では行くのじゃ!!5…4…」
死の予感がして怖いはずなのに、心拍が激しくなることなくむしろ落ち着いている。
そして、どこか戦闘が楽しみな自分がいる。
機械生命体とはいえ、ファンタジーの代名詞であるドラゴンと戦えるからだろうか?
いや、そうではない。
命を賭けて強敵と戦うことにワクワクしているのだ。
『これはもう戦闘狂を認めざるを得ないな…』
「…3…2…1…今じゃ!!」
2人で扉を蹴破ると同時に左右に展開した。
ドラゴン型は閉じていた目を開け、周囲を見回して状況を確認している。
「はぁぁぁぁ!!!」
「はっ!!」
動きがない今がチャンスだと、俺と師範は瞬時に把握した。
俺は両手剣Lv.6“ジェットインパクト“で右翼に強力な1撃を、師範は片手剣Lv6”レイジブラスト”で左翼に超強力な1撃を放った。
「…っ!!痛ってぇぇぇぇ…!!」
俺のソードスキルは翼の付け根に触れた瞬間火花が散り、刃がほとんど入らなかった。
歯を食いしばって何とか堪えたが、力負けして弾かれてしまった。
今攻撃した箇所を見てみると、15cmほどしか斬れていなかった。
対する師範は詳しく分からないが、金属の擦れる甲高い音が響いたのでなかなかに刃がめり込んだのではないだろうか?
『硬い…けど、斬れる!!1撃でダメならいくらでも斬り刻んでやる!!』
そう手の痺れを我慢して両手剣Lv.7”ジェノスストリーム”へスキルチェインし、右翼の付け根を両側から斬りつけた。
状況確認を終えたのか、今まで丸まっていたドラゴン型は身体を起こして立ち上がった。
「グギャァァァァァァァァァ!!!!!」
『うるさっ!!…でも計画通りだ!!』
意識が覚醒したドラゴン型は師範の方を脅威と認識し、前足での踏みつぶしや噛みつき攻撃を始めた。
俺は右翼の横にくっつき、両手剣Lv.9”ノヴァディザスター”で斬撃を放ち続けた。
『…直接攻撃するより斬撃で攻撃する方が手も痛くないし威力も出そうだな。』
今までの訓練で培った技術を生かし、小さな1点に斬撃を放ち続けた。
師範が上手く囮役をやってくれているおかげで、落ち着いて攻撃ができた。
「グギャァァァァァ!!!!!」
『…っ!!危ねっ!!』
数十発もの斬撃を放つと、流石に俺がヘイトを買ったようで尻尾による薙ぎ払い攻撃をしてきた。
斬撃を放ちつつ、ジャンプで薙ぎ払いを回避した。
『今度は俺が囮役か…』
「地面に丸まって座ったまま動きませんね。」
「寝ているのじゃろうか?」
「いえ、反応はあるので活動が停止しているわけではなさそうです。」
「うむ…」
扉のロックはリザードマン型を倒した際、ガチャ!という音とともに解除されている。
ミノタウロス型と同じで門番の役割を担っていたのだろう。
扉のロックが解除されると同時にドラゴン型も動き出すと予想していたが…
実際はそうではなかったようだ。
『…まあ予想が外れたおかげで小休憩できたから良しとするか。』
「中の構造はどうなっておるのじゃ?」
「直径50m、高さ100mくらいある円柱状の部屋です。」
「ふむ…ドラゴンに翼は生えているのじゃ?」
「はい。天井も高いですし、飛べると思います。」
「むぅ…空から一方的にブレスを放たれたら厄介じゃの。」
「そうですね…」
遮蔽物がない以上、俺は飛べないので回避不可能だろう。
唯一回避できる可能性があるとすれば、それは扉を開けてこの部屋から出ることだ。
『…もしゲームみたいなボス部屋だったら、部屋に入った瞬間閉じ込められて外に出られないけどな。』
「むむむ…細かく作戦を立て直すのじゃ。」
「そうですね。」
「まず扉に入った直後に妾は右、お主は左へ展開して挟撃するのじゃ。」
「狙いは翼の付け根ですか?」
「うむ。これで翼を封じられるのが最善じゃの。」
「了解です。」
とはいえ、門番だったリザードマン型でさえ“闘気操術“を駆使してもなかなか斬れなかったのだ。
ラスボスのドラゴン型はもっと頑丈であること間違いなしだろう。
「そうした場合、おそらくドラゴンの注意は攻撃力の高い師範の方に向かいますね。」
「うむ。そうしたら妾が囮を担うから、お主は出来るだけドラゴンのHPを削るのじゃ。」
「分かりました。」
このドラゴンはあくまで機械生命体なので、HPという概念はない。
だが損傷率が高くなると作動を停止するようなので、出来るだけ傷を与えよう。
「お主の方に注意が向いたら役割は逆じゃな。」
「後はそれを繰り返すだけ…ですか?」
「うむ。何か質問はあるのじゃ?」
「初撃で翼を封じられなくて、空に逃げられたらどうしましょう?」
「妾は飛んで空中戦へ持っていくのじゃ。お主は…回避に努めて、余裕があれば斬撃を放って援護して欲しいのじゃ。」
「分かりました。あと、ブレスはどう対処しましょう?」
「ふむ…ブレスは個体によって特徴が違うから臨機応変に頼むのじゃ。」
「なるほど…」
作戦を立てても不安しかないが、師範もいるので何とかなるはずだ。
…何とかなると信じたい。
深呼吸をして心を落ち着かせ、戦闘態勢を整えた。
最高の装備に“闘気操術“、“武器強化“…今までの集大成といったところだ。
「…準備は出来たのじゃ?」
「はい…!!」
「では行くのじゃ!!5…4…」
死の予感がして怖いはずなのに、心拍が激しくなることなくむしろ落ち着いている。
そして、どこか戦闘が楽しみな自分がいる。
機械生命体とはいえ、ファンタジーの代名詞であるドラゴンと戦えるからだろうか?
いや、そうではない。
命を賭けて強敵と戦うことにワクワクしているのだ。
『これはもう戦闘狂を認めざるを得ないな…』
「…3…2…1…今じゃ!!」
2人で扉を蹴破ると同時に左右に展開した。
ドラゴン型は閉じていた目を開け、周囲を見回して状況を確認している。
「はぁぁぁぁ!!!」
「はっ!!」
動きがない今がチャンスだと、俺と師範は瞬時に把握した。
俺は両手剣Lv.6“ジェットインパクト“で右翼に強力な1撃を、師範は片手剣Lv6”レイジブラスト”で左翼に超強力な1撃を放った。
「…っ!!痛ってぇぇぇぇ…!!」
俺のソードスキルは翼の付け根に触れた瞬間火花が散り、刃がほとんど入らなかった。
歯を食いしばって何とか堪えたが、力負けして弾かれてしまった。
今攻撃した箇所を見てみると、15cmほどしか斬れていなかった。
対する師範は詳しく分からないが、金属の擦れる甲高い音が響いたのでなかなかに刃がめり込んだのではないだろうか?
『硬い…けど、斬れる!!1撃でダメならいくらでも斬り刻んでやる!!』
そう手の痺れを我慢して両手剣Lv.7”ジェノスストリーム”へスキルチェインし、右翼の付け根を両側から斬りつけた。
状況確認を終えたのか、今まで丸まっていたドラゴン型は身体を起こして立ち上がった。
「グギャァァァァァァァァァ!!!!!」
『うるさっ!!…でも計画通りだ!!』
意識が覚醒したドラゴン型は師範の方を脅威と認識し、前足での踏みつぶしや噛みつき攻撃を始めた。
俺は右翼の横にくっつき、両手剣Lv.9”ノヴァディザスター”で斬撃を放ち続けた。
『…直接攻撃するより斬撃で攻撃する方が手も痛くないし威力も出そうだな。』
今までの訓練で培った技術を生かし、小さな1点に斬撃を放ち続けた。
師範が上手く囮役をやってくれているおかげで、落ち着いて攻撃ができた。
「グギャァァァァァ!!!!!」
『…っ!!危ねっ!!』
数十発もの斬撃を放つと、流石に俺がヘイトを買ったようで尻尾による薙ぎ払い攻撃をしてきた。
斬撃を放ちつつ、ジャンプで薙ぎ払いを回避した。
『今度は俺が囮役か…』
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