剣の世界のβテスター~異世界に転生し、力をつけて気ままに生きる~

島津穂高

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第141話 初クエスト

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「これで説明は終わりよ~何か質問はあるかしら~?」



「ない!!早くクエスト受けよーぜ!!」



「落ち着けクレア…」



「なんだよアルフレッド!!」



龍の尻尾をブンブンと振り、目をキラキラと輝やかせている。

子犬のような愛らしさで、何でも許してしまいたいところだが…



「ワクワクするのは俺も同じだが…先にすることがあるだろう?」



「すること…あっ、そうだった!!サリーちゃん、パーティー申請をしたい!!」



「あら~!!メンバーはこの5人でいいのかしら~?」



「ああ!!」



「分かったわ~じゃあ冒険者カードを提出してちょうだ~い!!」



サリーちゃんは5人の冒険者カードを集めると、後ろの魔道具らしき物の上に置いた。

そして何やら操作をし、数十秒後に返された。



「これで完了よ~!!」



「ありがとう!!じゃあ次に魔物素材の買取を頼む!!」



「クレア、サリーちゃんは受付だから窓口が違うよ~!!」



「それに、その前にもう1つやることがあるのです!!」



「サリーちゃん、私たちは道中にウルフとオーク、ゴブリンとハイゴブリンを倒して来ました。」



「そういうことね~!!せっかくだし、自分達でクエストを持ってきてちょうだ~い!!」



これは俺が師範から教わり、4人に伝えた裏技だ。

”アイテムボックス”等の手段で倒した魔物の死体を所持している場合、その魔物の討伐クエストを引き受けてすぐに討伐照明部位を提出することでクエスト成功扱いになるのだ。

サリーちゃんはそれを把握したのか、笑顔で俺達を掲示板の方へ送り出してくれた。



「アルフレッド、確かゴブリンはFランク魔物だったよな?」



「ああ。合ってるぞ。」



「オレ達はEランク冒険者だけどいいのか?」



「Dランクに上がるためのクエスト成功回数には数えられないけど、合計のクエスト成功数と成功率には含まれる。それに、クエスト達成報酬がもらえるだろ?」



『道中クレアに同じ質問をされたんだがな…それに、説明するのも3回目なんだがな…』



「そういえばそんなこと言ってたな!!流石アルフレッドだ!!」



「あ、ああ…」



「オーク討伐クエストを持ってきました。」



「ウルフ討伐クエストも持って来たよ~!!」



「ハ、ハイゴブリン討伐クエストも持って来たのです!!」



「よし、じゃあクエスト受付窓口に行くか!!」



昼間で多くの冒険者がクエストに出払っているとはいえ、それでも人数が多い。

10個あるカウンターのうち6つは埋まっていた。



『…ん?』



右端のカウンターから何やら視線を感じた。

ちらっと見てみると、人族の女性がこちらを嘗めまわすような目で見つめていた。



「おっ、右端が空いてるぞ!!行こうぜ!!」



「えっ!?あ、ああ…」



「いらっしゃいませ!!私はエレザと申します。以後お見知りおきを!!」



「これはご丁寧にありがとうございます。」



「いえいえ!!では、冒険者カードの提出をお願いします!!」



「どうぞ。」



「…ありがとうございます!!クレアさん、アイリスさん、スーさん、イザベルさん、アルフレッサさんですね!!」



「アルフレッドです…」



「あぁ、失礼しました!!アルフレッドさんですね!!」



今の会話と表情、視線の動きからこのエレザさんの性格を察してしまった。

おそらく彼女は重度の同性愛者だ。



そういった人々に対して、特にあれこれ言うつもりはない。

可愛い女の子同士の百合は俺の大好物だからだ。

俺はお邪魔だろうし、ここは黙って存在感を消しておこう。



『4人とも可愛いしエレザさんからすれば眼福だもんな…』



「では次に、クエストを提出してください。」



「どうぞ。」



「ありがとうございます!!ぐふふっ…」



『…今アイリスから手渡されるとき自然に手を触ったな。それに、女性が出さない方がいい声で笑ったな。』



「ゴブリン討伐、ハイゴブリン討伐、オーク討伐、ウルフ討伐の4つでお間違いないでしょうか?」



「合ってるよ~!!」



「受注しました。ぐふふっ…」



「と、討伐照明部位を持ってるのです!!」



「では、提示をお願いします。」



討伐照明部位は、パーティー申請が通らなかった時に備えて5等分して持っている。

俺も腰に付けたポーチに手を入れ、中から討伐照明部位を取り出した。



クレア達4人のポーチは本物の”アイテムボックス”の魔道具だが、俺のはあくまで偽装工作だ。

まずポーチに”偽装”を行使し、”アイテムボックス”の魔道具に見せかける。

次にポーチの中で”アイテムボックス”のユニークスキルを行使し、物を取り出しているのだ。



「剣闘祭の優勝賞品ですか?」



「はい。エレザさんも見ていたんですか?」



「もちろんです!!皆様の様子はきちんと目に焼き付けておきました!!ぐふふっ!!」



『別の意味で焼き付けていたんだろうがな…』



「ゴブリンが24体、ハイゴブリンが11体、オークが6体、ウルフが10体で間違いないでしょうか?」



「おう!!」



「ゴブリン討伐2回分、ハイゴブリン討伐1回分、オーク討伐1回分、ウルフ討伐1回分の達成ですね。クエスト報酬が小銀貨17枚になります。」



『しょっぱいな…』



ちなみにクエスト報酬は、原則



SSS~Sランククエスト:クエストにより変動

Aランククエスト:金貨5枚

Bランククエスト:金貨1枚

Cランククエスト:大銀貨5枚

Dランククエスト:大銀貨1枚

Eランククエスト:小銀貨5枚

Fランククエスト:小銀貨1枚

Gランククエスト:大銅貨5枚



となっている。



「魔物素材の売却は解体済みであれば右の建物に、未解体であれば左の建物へどうぞ。」



「あ、ありがとうなのです。」



「いえいえ…ではまた…」



4人と別れるとき、エレザさんの表情がみるみる暗くなっていった。

俺は彼女から、おそらく今後もこの窓口を使って欲しいとの目配せを受けた。



俺が了解の意でグッドポーズをすると、エレザさんは嬉しそうな表情をしてポーズで返した。

俺達の間にほどんど会話はなかったが、同志として深い絆で繋がった気がした。



それから左の建物で魔物素材の売却を済ませ、初クエストを達成した。



『…まあ道中狩った魔物を提出しただけだからあまり実感はなかったがな。』
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