剣の世界のβテスター~異世界に転生し、力をつけて気ままに生きる~

島津穂高

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第154話 Aランク冒険者パーティー

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極秘クエスト達成から早くも1週間が経った。



クレア達もCランクに昇格して並んだので、最近はパーティーを組んでクエストを引き受けている。

とはいえ、冒険要素は皆無で毎日魔物討伐クエストばかりだ。

今日も今日とてギルドのクエスト掲示板と睨めっこをしている。



「今日は何のクエストやるんだ?」



「ノーブルオーガはどうだ??」



「クレア、それ一昨日倒したよ~」



「ラ、ラミアはどうなのです?」



「生息地が少し遠いですが…アリですね。」



「生息地は北西の湿地帯か。それなら道中にCランククエストがいくつか達成できそうだな。」



「トロールとダイアウルフ、ブランクエイプですか?」



「そ、それに湿地帯ならウォーリザードマン討伐のBランククエストもできるのです!!」



「よし、ならそれでけっ…」



今日の活動内容をが決定しようとしたところで、ギルドの入り口の方からバンッ!という音が聞こえた。

どうやら誰かが思いきり扉を押したようで、勢い余った扉が壁にぶつかったようだ。



大きな音で全員の視線を集める中、入って来たのは1つの冒険者パーティーだった。

5人全員の種族が人間で、皆漆黒の装備で身を包んでいる。

クエストを失敗して苛立っているのか、元の性格なのかは知らないが皆機嫌が悪そうだ。



先頭にいるのはチェストプレートとレギンスを身に着け、腰に龍の装飾が施された片手剣を携えたリーダーと思しき25歳くらいの男。

目つきが悪い上にポケットに手を突っ込んでおり、周囲を一瞥しては舌打ちをする素行の悪い男だ。

一瞥した際、一瞬だけ俺達を見て鋭い眼光を放ったのはきっと気のせいだろう。



リーダーの右隣にいるのは頭部を除くフルプレートで重装し、背中にタワーシールドと両手剣を背負った30歳くらいの男。

もみあげから顎まで髭が生えており、鋭い目つきと相まって野獣を思い浮かべさせるような見た目だ。



リーダーの左隣にいるのは足元まであるローブに身を纏い、内側に複数の短剣や回復薬を潜ませている30歳くらいの男。

ニヤついた顔で周囲の女性冒険者たちを嘗めまわすような目で視姦しており、細い身体と相まってゴブリンのような見た目だ。



リーダーの左右後ろにいるのは魔物の革装備で軽装し、背中に130cmほどある立派な弓を持つ25歳くらいの双子と思しき女性。

どちらも見下すような視線で周囲を一瞥し、ふんっ!と鼻を鳴らす高飛車姉妹だ。



「こ、黒龍の雷…」



「ちっ…帰って来たのかよ…」



「あっ、あれが最もSランクに近いと言われてる帝国のAランクパーティーか!!」



「良くも悪くも噂通りだな…視線合わないようにしようぜ…」



男冒険者達は羨望の眼差しで彼らを見ているようだが、女冒険者達はそっと視線を逸らしている。

俺達、正確には俺を除く4人が嫌な雰囲気を感じ取ってピリピリした雰囲気になった。

よりによってサリーちゃんが出張でいないときにこういった事態に巻き込まれるとは。



「なんか感じ悪いな。オレああいう奴らは好きじゃないな。特に重装備の野郎が。」



「私もです。特に先頭にいる男が…」



「あたしはローブ着たあいつが生理的に無理…」



「ボ、ボクは後ろの双子が…」



「…どうせ俺達には関係ないしとっととクエスト引き受けて出るぞ。」



4人がコクリと頷くのを見て、受付に行こうとしたその時。

黒龍の雷とやらの男性陣3人がクレア達へ話しかけてきた。



「そこの亜人女達!!俺達と遊ぼうぜ?」



「良い思いさせてやるよー!」



「ひひっ!!気持ちよくしてやるぜー?」



「すみません。私達はこれからクエストをやるので。」



「ちっ!!生意気だな。こっち来いよ!」



重装備の男がクレアの腕に手を伸ばすと、本当に触られたくなかったようで大袈裟に避けて距離を取った。

そして、ゴミを見るような冷たい目で男3人を見ている。



「きもっ…何処かいけよ。」



「そうそう~ゴブリンみたいに発情してるんだったら娼館でも行ってきたら~?」



「ちょっ!?お、おいおい2人とも…」



これほど拒絶している4人は初めて見て、驚きを隠しきれない。

特にクレアとスーの口調がまるで喧嘩を誘っているように荒い物へと変わっている。

俺は諍いにならないよう、男達とクレア達の間を仲介するようにして割り込んだ。



「あ?お前がこの亜人女達の飼い主か?」



「…は?」



「だーかーらー!物珍しい亜人女達を侍らしてるのはお前かって聞いてんだよー!!」



リーダーの男性が俺の胸を拳で小突いた。

だが、クレア達仲間を侮辱されたことに腹が立って気にならなかった。



「ちっ…雑魚が…」



「ははははは…雑魚はお前等だろう?」



「あ?もう一回言ってみろよ?」



「3年前からずっと”最もSランクに近い帝国のAランクパーティー”なんて呼ばれてるが…実際はSランクなれない残念なパーティーだろ?それに、相手の力量も分からないなんてな。」



「この野郎…!!」



「あらっ!!あらあらあらあらぁ!!」



相手のリーダーが俺に殴りかかろうとしたところで、受付の方から聞きなれた声が聞こえてきた。

どうやらサリーちゃんが出張から戻ってきたようだ。



「ギルド内での決闘は禁則事項よ~?…新人のアルフレッドくんの方は分かってたみたいだけどねぇ~!!」



「ちっ…!表出ろや。先輩冒険者として指導してやるよ。」



「…サリーちゃん、これは応戦していいのか?」



「街の外なら構わないわよ~!!」



「そうか。…なら望み通り戦ってやるよ。」



「はっ!!その余裕がいつまで続くかな!!…ついて来い!!」
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