剣の世界のβテスター~異世界に転生し、力をつけて気ままに生きる~

島津穂高

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第196話 第18ダンジョン 邪神教幹部戦①

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俺が今装備している”鬼人剣”は毎日俺の血を吸わせているものの、まだBランク武器程度のステータス値しかない。

そのためか両手剣Lv.9”ノヴァディザスター”の斬撃は切れ味が鈍く、鞭使いの鞭を纏めて盾にする何らかのソードスキルで防がれてしまった。



「…エレノア=ブラッドボーンの弟子にしては大したことないですわね?」



「まあいつもとは装備が違うしな。ハンディキャップだと思ってくれ。」



「生意気ですわね。あなたの精気…吸い尽くしてやりますわ!」



鞭使いはまるで生きている蛇のように鞭を操り、俺の左腕へと巻き付いた。

だが、それだけである。



「…どうしてですの!?」



「どうして邪神様から頂いたユニークスキル”精気吸収”が発動しないのか…って言いたいんだろ?」



「っ!!」



”精気吸収”の発動条件は相手を幻惑状態に陥らせること、さらにこの鞭には確率で相手を幻惑状態にする特殊効果が付いていることまで”鑑定”で把握済みなのだ。

そして、幻惑状態は状態異常に分類されるため”状態異常無効”のユニークスキルで通用しない。

この鞭使いと対峙したその瞬間から俺は勝利を確信していたのだ。



「…貴方何者なんですの?」



「一言でいうと俺は創造神様の使いだな。お前と同じくユニークスキルを授かってる。」



「ちっ!!忌々しい雌神め!!」



「今までのお嬢様言葉はどうしたんだ?」



「うるせぇ!!タイプの男だったから奴隷にしてやろうと思ってたがもういい!殺してやる!!」



「それが本性か。魅力的な女性を殺すのは気が引けてたんだが…お喋りはこの辺にしてそろそろ終わらせよう。」



鬼人剣を”アイテムボックス”に収納し、空いた右手で左手に巻き付いた鞭を掴んだ。

鞭使いは鞭を一旦戻して攻撃しようと試みるが、STR差でびくともしない。



「ちっ、この化け物が!!鞭を離せ!!」



「化け物…お前の部下たちにも言われたが少し悲しいな。それじゃあ…安らかに眠れ。」



「嫌…いやぁぁぁぁ!!!!!!」



右手で思い切り鞭を引っ張り、俺の立ち位置目掛けて鞭使いを空中に放り投げた。

そして放物線を描いて落下してくる鞭使いの腹へ体術Lv.1”正拳突き”を行使した。

その突きは皮膚を破って内臓を潰し、そして血に濡れて背中から突き出した。



『クレア達とは雰囲気が違う美女だったんだがな。…まあ仕方ない。』



賞金がかかっているかもしれないので、討伐証明としてこの鞭使いと先程殲滅してそこら中に転がっている邪神教徒達の死体を全て”アイテムボックス”に収納して応援に向かった。



一方その頃クレア達は…



「なかなか倒しがいがありそうじゃないか。俺様は邪神教幹部の1人、体術士のジョーだ。」



「オレはBランク冒険者にして”アルフレッドパーティー”のクレアだ!」



「あたしはスーだよ~!まあこれから死ぬ人に教えても無意味だけどね~」



「”アルフレッドパーティー”…最近新遺跡を探索した例の奴らか?」



「そうだよ~」



「ということはあの男がアルフレッドか…アマンダが心配だな。早く倒して応援に向かわないとな!!」



体術士は話している最中に強く踏み込んで地面を蹴り、拳を構えて高速でクレアへ距離を詰めた。

クレアはそんな不意打ちに反応し、跳躍の軌道上に両手剣を構えた。

そしてスーはクレアが初撃を防いで隙ができたところへ攻撃を与えるべく立ち回り、槍を構えている。



「ちっ、やるな…」



危険を察知した体術士は攻撃を中断し、再び距離を取った。

クレアとスーも同じく、どのような攻撃にも対応できる立ち位置に移動した。



「お前もデカいくせになかなか早いな!」



「まあアイリスの足元にも及ばないけどね~」



「舐めてくれるじゃないか…はっ!!」



今度は壊れない性質を生かして上下左右の壁や天井を強く蹴り、高速の立体駆動で距離を詰めた。

クレアは若干の戸惑いを見せているが、空間把握能力に長けたスーは一切動揺していなかった。

むしろ呆れかえったような表情でクレアの前に移動し、槍を構えた。



「死ねぇぇぇ!!!」



「キミが死んじゃえ~」



体術士の高速の蹴りがスーを襲おうとしたその瞬間。

まるで落ちてゆく桜の花びらのように鮮血が空中を舞った。



「ぐぁぁぁぁ!!!!」



鮮血を噴き出したのはクレアでもスーでもなく、攻撃していたはずの体術士だった。

そして体術士の身体には短剣が4本ほど深く突き刺さっていた。

体術士の攻撃軌道を読んだスーがその軌道上に短剣を投げ、自身の移動速度で自滅させたのだ。



「おぉ…!!流石スーだな!!」



「そうでしょ~?アイリスに教わったんだ~!」



「この…化け物どもが…」



「クレア、早くトドメ刺しちゃって。」



「おう。よいしょっと。」



まるで重い荷物を持ち上げる作業で出す声と同じトーンで両手剣を振り下ろし、体術士の首を斬り落とした。

そして死体を”アイテムボックス”の魔道具に入れて後始末をした。



「子供みたいな作戦だったね~!腕をブンブン振り回せば強いみたいな~」



「オレも思った!!壁蹴って移動してもただ疲れるだけなのにな!」



「あたし達でもできるしね~!!っと、話してないでアイリス達の応援に行こ~!!」



「おう!!」
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