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第213話 第18ダンジョン 依頼報告
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記録の扉をくぐって地上に出ると、目の前には夕日が差し込み美しい街並みが広がった。
そしてその美しい街並みのなか、4人が待っていた。
「早かったですね。」
「ああ。見てすぐ逃げ帰ってきたからな。」
「そんなに強い魔物だったのか!?」
「い、一体何がいたのです?」
「グラトニースライムだ。」
「…えっ!?」
全員が一斉に驚き、そして表情が固まった。
しばらくすると表情が動き始めたが、顔が引きつっている。
「あ、あたし聞き間違えたっぽい~」
「私もです。もう一回言ってくれませんか?」
「世界三大厄災の一つ、グラトニースライムだ。」
4人は呆然とした表情で互いに見つめ合うと、聞き間違いではないことを把握して頷いた。
4人のこんな表情は初めて見た。
「…それは逃げ帰って正解ですね。」
「オレだったら遠距離から一撃見舞うだろうな!」
「流石クレア、脳筋だね~!」
「おいおい褒めても何にも出ないぞ?」
「ほ、褒めてるわけじゃないと思うのです…」
「さて、俺は報告しにギルドに行くが4人はどうする?」
「そうですね…私達は先にパーティーはハウスに帰ります。」
「ハイペースで攻略してちょっと疲れたしね~」
「ボ、ボクもゆっくりしたいのです。」
「了解。じゃあまた後で。」
ギルドに到着すると、早速ギルマス室に案内された。
ダンジョン成長による階層増加分の調査報告は最優先事項らしい。
「昨日の今日で報告とはな…流石の俺様でも予想できなかったぜ。全く異常だな。」
「ありがとう…と言っておくよ。それで、報告だが…」
83~90層の薄暗いエリアではアンデッド系魔物が、91~100層では森林フィールドに生息する魔物が、そして101層からは大量のSランク魔物が押し寄せてくることなど話した。
特に83層はデスナイト、84層はインフェクションゾンビの集団が配置されているなど冒険者の生死に関わる情報を詳しく話した。
パウロは俺の報告を聞きながらリアルタイムで情報を紙に書き出し、大雑把な新階層の情報を完成させた。
「お前さん達に任せて正解だったな。」
「ああ。並みのAランクパーティーだったら110層までは到達してもグリフォンに全滅させられてただろうな。ところで第18ダンジョン下層はどうだったんだ?」
「今回の成長は上層だけだったぜ。…それで最上層、111層はどうだったんだ?」
「聞いて驚け。ダンジョンコアの守護者はグラトニースライムだ。」
「…冗談はよしてくれ。それで、どうだったんだ?」
「世界三大厄災の一つ、グラトニースライムだ。」
「…まじで?」
「まじで。」
「…冗談じゃなく?」
「ああ。」
パウロはキョトンとした表情をし、ソファーにぐったりと座り込んだ。
すぐにハッと意識を覚ますと、顎に手を当てて何かを考え込み始めた。
「…お前さん達がダンジョン成長時に守護者の役割を担ってたバーニングコングとブリザードコングを倒したからグラトニースライムが創造されたんだろう。」
「俺も同意見だ。」
「そしてグラトニースライム創造に栄養を消費したから29層しか増えなかっんだろうな。」
知識量と思考速度にはまあまあ自信があったのだが、まさか一瞬考えただけで同じ結論に至るとは。
流石はテレジア王国迷宮都市ラビリンス支部のギルドマスターといったところだ。
「報告はこれで終わりだ。」
「お疲れさん。ゆっくり休んでくれ。」
ギルマス室を出て階段を降りると、何やらギルド職員達がじろじろを見つめてきた。
そして1人の女性職員がこちらへ駆け寄ってきた。
「あの~アルフレッドさん、あちらの方々とはお知り合いですか?」
「いや、知らないな。職員も知らないとなると…冒険者じゃないのか?」
「ええ。」
視線の先には騎士団の下位互換のような8人の集団がいた。
鉄の全身鎧を着ており、胸のあたりに紋章が描かれている。
「あの紋章…グリフィン伯爵家の私兵か。」
「ええ…先程からアルフレッドパーティーを差し出せと要求されていまして…」
グリフィン伯爵家とは迷宮都市の右隣にある都市の領主で、いわゆる悪徳貴族だ。
民に重い税を課しては私用し、払えない者は奴隷に落として労働で払わせる。
さらに気に入った女性を見つけると冤罪を被らせて自分のものにするという噂がある。
本来ならお咎めを受けそうなものだが、今まで数回注意されただけで済んでいる。
何故なら現領主は過去に起こった十数回の戦では負けなしの戦略家であり、その上貴族界の経済の中心となっているため処分しようにもできないらしい。
「いたぞ!あいつがアルフレッドだ!!」
「同行してもらおうか!!」
「面倒くさいな…裏にある訓練場を使ってもいいか?」
「え、ええ。…ギルドはアルフレッドパーティーを保護するでしょうから、やっつけちゃってください!!」
「ああ。」
そしてその美しい街並みのなか、4人が待っていた。
「早かったですね。」
「ああ。見てすぐ逃げ帰ってきたからな。」
「そんなに強い魔物だったのか!?」
「い、一体何がいたのです?」
「グラトニースライムだ。」
「…えっ!?」
全員が一斉に驚き、そして表情が固まった。
しばらくすると表情が動き始めたが、顔が引きつっている。
「あ、あたし聞き間違えたっぽい~」
「私もです。もう一回言ってくれませんか?」
「世界三大厄災の一つ、グラトニースライムだ。」
4人は呆然とした表情で互いに見つめ合うと、聞き間違いではないことを把握して頷いた。
4人のこんな表情は初めて見た。
「…それは逃げ帰って正解ですね。」
「オレだったら遠距離から一撃見舞うだろうな!」
「流石クレア、脳筋だね~!」
「おいおい褒めても何にも出ないぞ?」
「ほ、褒めてるわけじゃないと思うのです…」
「さて、俺は報告しにギルドに行くが4人はどうする?」
「そうですね…私達は先にパーティーはハウスに帰ります。」
「ハイペースで攻略してちょっと疲れたしね~」
「ボ、ボクもゆっくりしたいのです。」
「了解。じゃあまた後で。」
ギルドに到着すると、早速ギルマス室に案内された。
ダンジョン成長による階層増加分の調査報告は最優先事項らしい。
「昨日の今日で報告とはな…流石の俺様でも予想できなかったぜ。全く異常だな。」
「ありがとう…と言っておくよ。それで、報告だが…」
83~90層の薄暗いエリアではアンデッド系魔物が、91~100層では森林フィールドに生息する魔物が、そして101層からは大量のSランク魔物が押し寄せてくることなど話した。
特に83層はデスナイト、84層はインフェクションゾンビの集団が配置されているなど冒険者の生死に関わる情報を詳しく話した。
パウロは俺の報告を聞きながらリアルタイムで情報を紙に書き出し、大雑把な新階層の情報を完成させた。
「お前さん達に任せて正解だったな。」
「ああ。並みのAランクパーティーだったら110層までは到達してもグリフォンに全滅させられてただろうな。ところで第18ダンジョン下層はどうだったんだ?」
「今回の成長は上層だけだったぜ。…それで最上層、111層はどうだったんだ?」
「聞いて驚け。ダンジョンコアの守護者はグラトニースライムだ。」
「…冗談はよしてくれ。それで、どうだったんだ?」
「世界三大厄災の一つ、グラトニースライムだ。」
「…まじで?」
「まじで。」
「…冗談じゃなく?」
「ああ。」
パウロはキョトンとした表情をし、ソファーにぐったりと座り込んだ。
すぐにハッと意識を覚ますと、顎に手を当てて何かを考え込み始めた。
「…お前さん達がダンジョン成長時に守護者の役割を担ってたバーニングコングとブリザードコングを倒したからグラトニースライムが創造されたんだろう。」
「俺も同意見だ。」
「そしてグラトニースライム創造に栄養を消費したから29層しか増えなかっんだろうな。」
知識量と思考速度にはまあまあ自信があったのだが、まさか一瞬考えただけで同じ結論に至るとは。
流石はテレジア王国迷宮都市ラビリンス支部のギルドマスターといったところだ。
「報告はこれで終わりだ。」
「お疲れさん。ゆっくり休んでくれ。」
ギルマス室を出て階段を降りると、何やらギルド職員達がじろじろを見つめてきた。
そして1人の女性職員がこちらへ駆け寄ってきた。
「あの~アルフレッドさん、あちらの方々とはお知り合いですか?」
「いや、知らないな。職員も知らないとなると…冒険者じゃないのか?」
「ええ。」
視線の先には騎士団の下位互換のような8人の集団がいた。
鉄の全身鎧を着ており、胸のあたりに紋章が描かれている。
「あの紋章…グリフィン伯爵家の私兵か。」
「ええ…先程からアルフレッドパーティーを差し出せと要求されていまして…」
グリフィン伯爵家とは迷宮都市の右隣にある都市の領主で、いわゆる悪徳貴族だ。
民に重い税を課しては私用し、払えない者は奴隷に落として労働で払わせる。
さらに気に入った女性を見つけると冤罪を被らせて自分のものにするという噂がある。
本来ならお咎めを受けそうなものだが、今まで数回注意されただけで済んでいる。
何故なら現領主は過去に起こった十数回の戦では負けなしの戦略家であり、その上貴族界の経済の中心となっているため処分しようにもできないらしい。
「いたぞ!あいつがアルフレッドだ!!」
「同行してもらおうか!!」
「面倒くさいな…裏にある訓練場を使ってもいいか?」
「え、ええ。…ギルドはアルフレッドパーティーを保護するでしょうから、やっつけちゃってください!!」
「ああ。」
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