剣の世界のβテスター~異世界に転生し、力をつけて気ままに生きる~

島津穂高

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第215話 グリフィン伯爵家 パーティー会議

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「全員静まれ!!!!!!」



パウロがまるで拡声器でも使っているかと思うほどの大声を上げると、冒険者達は静かになった。

近くにいた俺の耳が痛くなるほどの凄まじい声量だ。



「今後の予定は追って連絡する!!!それでは解散!!!」



周囲に集まった観客たちはゾロゾロと退出していき、静寂が訪れた。

訓練場には俺とパウロ、そして両腕を斬り落とした私兵の1人が残った。



「…戻って飼い主に伝えろ。冒険者ギルドはグリフィン伯爵家と全面対立するとな!」



「ひぃ、ひぃぃぃぃ!!!!!!!」



ギルドの裏手に逃げると、馬車に乗って伯爵領の方へと帰っていった。

全員殺さずに1人残しておいて正解だった。



「…そろそろ暗くなってきたし俺はパーティーハウスに帰る。」



「お嬢さん達に今のことを伝えておけよ。」



「ああ。それじゃあまたな。」



帰っている途中、日没して辺りが真っ暗になった。

それと同時に街灯の魔道具が発動し、目の前には綺麗な夜道が広がった。



『…そういえばいつもは日没前に帰ってるし夜に出歩くのは久しぶりだな。』



そんなことを思いながらパーティーハウスに到着し、扉を開けるとむくれ顔をしたスーといつも通り無表情のソフィアが待っていた。

何かスーの気に障るようなことはしていないはずなのだが。



「えっと…ただいま。」



「おかえりなさいませ、アルフレッド様。」



「…ソフィア、スーはどうかしたのか?」



「絶対アルフレッドが面白いことをしてる~!!と言っておりまして…」



「なるほど…?」



スーは言うなれば”面白いことレーダー”のような直感を持っている。

前々から疑問に思っていたが、どのようにして感知しているのだろうか。



「…スー、予想通り面白いことがあったぞ。」



「でもどうせアルフレッドだけで解決したんでしょ~?」



「いや、まだ始まったばかりだ。会議室に皆を集めてくれ。」



「うん!!」



4人が揃う間に部屋着に着替え、着席した。

スー以外の3人も何やら似たような予感を感じ取っていたらしく、嬉しそうな表情で集まった。

本当にどういう原理で感知しているのだろうか。



「アルフレッド、説明をお願いします。」



「ああ。4人はグリフィン伯爵家を知ってるか?」



「オレ達がこの前戦った?」



「それはグリフォンです。」



クレアのことだから絶対に間違えると思っていたが、全くもって予想通りだった。

不覚にも会議中に笑みをこぼしてしまった。



「確か隣領の領主ですよね?」



「高い税金とか奴隷とか、あと何十人も側室を取っては飽きて殺処分するって噂の~?」



「ああ。その現領主が俺達を気に入ったらしくてな。」



「そ、それは嫌なのです…」



「…特に4人はその側室候補だとさ。」



「気持ち悪…絶対に嫌だね~!!」



「…アルフレッド様、ギルドと貴族は中立の関係ではありませんでしたか?」



「そうだ。そして相手はその法律を破った。」



「…つまり返り討ちにしていいのか!?」



「ああ!!パウロがグリフィン伯爵家の全面対立を宣言したからな!!」



豚のように醜い見た目をした現領主が生理的に無理だったのか、全員が声を上げて喜んだ。

それにしても、全員のテンションがいつもより高すぎる。



「えっと…どうしてそんなにテンションが高いんだ?」



「だって貴族様だよ~?間違いなく大量にお金持ってるよね~!!」



「それに、貴重な武器もあるかもしれないしな!!」



「確か現領主は魔道具収集を趣味としていましたね。全て回収しましょう!!」



「み、みんな盗賊になってるのです…」



何となく気付いてはいたが、ギルドの訓練場にいた冒険者と同じ理由だったとは。

だが、貴族討伐や盗賊退治の利点として彼らが貯め込んだ宝物を自分の物にできるというのは事実だ。

クエスト報酬だけでは割に合わないし、やる気が出ないだろう。



「いつ攻撃仕掛ける~?」



「明日だろ!!」



「明日なのです!!」



「待て待て。この件はギルド全体で協力してるからパウロと話し合って決めた方が良い。」



「仰る通りです。」



「その足で襲撃しに行くことも視野に入れておきましょう。」



「だな。それじゃあ会議は終わりだ。解散。」



俺が部屋を出た後も4人は話し続けていたらしい。

ソフィア曰く、盗った物をどう分けるかで言い争ったが決まらなかったという。

新遺跡と同様に俺が統率してその場で決めることにしよう。



それから訓練場で付いた血を落とし、武器の手入れをして夕食を取った。

4人は未だに奪える物品について想像してはウキウキとしている。



『冒険者より盗賊の方がお似合いなんじゃないか?…なんてな。』
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