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第232話 第4ダンジョン 魔道具
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「あっ、おかえり~!!」
「ただいま。」
トラップハウスを出ると、4人は地面に敷いたレジャーシートの上でトランプをして遊んでいた。
確かにただ待つのは暇だろうが、危険なダンジョン内でトランプをするのはこの4人くらいだろう。
同業者に見られてまた変な噂が広まらないか心配だ。
『肝が据わっているというかなんと言うか…まあいいか。』
背後からサラサラという音が聞こえて振り返ると、土壁が修復してトラップハウスの入り口が無くなっていた。
トラップハウスは1度攻略すると長期間入れなくなるのだ。
個人的にはおそらく新たな報酬や使用した罠のメンテナンスをしているのだろうと考えている。
「怪我してないのです?」
「ああ。ありがとう。」
「トラップハウスはどうでしたか?」
「無事完全攻略して宝箱を持ち帰ってきたぞ。」
”アイテムボックス”から先程収納した宝箱を取り出した。
それは縦50cm、横1m、奥行き50cmくらいの大きめのものである。
ちなみにこの宝箱に罠がかかっていないことは確認済みだ。
「おぉー-!!開けてもいいか!?」
「ああ。」
「行くぞ!!せーのっ!!」
勢いよく蓋を開けると、中には何やらネックレスのようなものが入っていた。
白く透き通る鉱石で出来た下向きの円錐の底面から銀色の細い鎖が1本伸びている。
「ネ、ネックレスかと思ったけど留め具が1本しかないのです。」
「何かにぶら下げて飾るんでしょうか?」
「アルフレッド、”鑑定”結果は~?」
「”探索の振り子”っていう魔道具だな。」
「効果はなんだ!?」
「紛失したものや欲しいものを頭の中に思い描くとこの振り子が方向を教えてくれるらしい。回数無制限だな。」
あまり覚えていないが、前世に存在していたダウジングのようなものだろう。
確か鉱石や水脈を発見するものだと記憶していたが、それのファンタジー版と言ったところか。
「おぉ~!!」
「欲しいもの…ですか。代償はないんですか?」
「特に書いてないな。ただし、”成功確率は使用者による”って書いてあるな。」
何とも曖昧な表現だ。
ステータス値なのかそれ以外の要因なのか、成功確率は使用者の何に依存しているのか分からない。
それに使用者によるとのことだが、例えば通常の状態で使っても死にかけた状態で使っても確率は変わらないのだろうか。
何にせよ詳しく調べてみる必要がありそうだ。
「クレアはせいぜい成功率10%くらいかもね~!!」
「そう言うスーこそオレより低いかもしれないぞ?成功率5%とかな!!」
「何を~!!」
「2人とも落ち着いてください。試してみればいいじゃないですか。」
「まあ…そうだね~」
「よし、勝負するぞ!!」
「ボ、ボクも試したいのです!!」
「私もやってみたいです。」
何やらちょうどよさそうなので4人の勝負がてら実験に付き合ってもらうことにしよう。
もし欲しいものが何でも確率で見つかるのだとすれば、これは相当の代物だ。
何としてでもこの魔道具の力を有効活用しなければ。
「そうだな…じゃあ俺が審判でもするか。お題は何でもいいから鉱石ってことにしよう。」
「まずはオレからな!!」
使い方は細い鎖の端を親指と人差し指でつまみ、目を瞑って脳内に鉱石を思い描くとのことだ。
クレアがそれを実践すると”探索の振り子”が回るように動き出し、少しすると円錐の頂点は右斜め前を指して停止した。
「行ってみようぜ!!」
指し示す方向へ歩いていくと、ダンジョンの壁に行き当たった。
この壁の先を指し示しているかもしれないので行ってみると、今度は左斜め後ろを指し示した。
どうやら最初に行き当たった壁で合っていたようだ。
「ここ…みたいですね。」
「アルフレッド、頼んだぜ。」
「ああ。」
”鉱石探知”を行使してみると、驚くことに3つの反応があった。
ピッケルを取り出して丁寧に掘っていくと、昨日クレアが発掘した3種類の鉱石が現れた。
「おぉ!!間違いなくオレが頭の中で思い描いた鉱石だぜ!!」
「偶然じゃない~?」
確かに偶然だった可能性が無いとは言い切れない。
しかし、無数の種類がある鉱石の中から思い描いた3種類を発掘したのは事実だ。
偶然の可能性は僅か数%だろう。
「じゃあ今度はスーがやってみろよ!!これすごいぞ!!」
「そうだな。スー、頼んだ。」
「りょうか~い。」
スーもクレアと同様に使い始めると、今回も回るように動き出して少しすると円錐の頂点は左斜め前を指して停止した。
そして指し示す方向へ歩き、場所を特定した。
「アルフレッド、よろしくね~」
「ああ。」
”鉱石探知”を行使してみると、今回も驚くことに1つの反応があった。
ピッケルを取り出して丁寧に掘っていくと、昨日スーが発掘した一回り大きな鉱石が現れた。
「おぉ~!!本当に思い描いた通りだ~!!!」
「わ、私も!!」
「ボクも!!」
それからアイリスとイザベルも試してみると、2人も鉱石を発見することができた。
皆嬉しそうにしているが、全員が成功してしまったため実験は失敗に終わった。
『…けどまあ強力な魔道具であることは分かったし、今度また試してみればいいか。』
「ただいま。」
トラップハウスを出ると、4人は地面に敷いたレジャーシートの上でトランプをして遊んでいた。
確かにただ待つのは暇だろうが、危険なダンジョン内でトランプをするのはこの4人くらいだろう。
同業者に見られてまた変な噂が広まらないか心配だ。
『肝が据わっているというかなんと言うか…まあいいか。』
背後からサラサラという音が聞こえて振り返ると、土壁が修復してトラップハウスの入り口が無くなっていた。
トラップハウスは1度攻略すると長期間入れなくなるのだ。
個人的にはおそらく新たな報酬や使用した罠のメンテナンスをしているのだろうと考えている。
「怪我してないのです?」
「ああ。ありがとう。」
「トラップハウスはどうでしたか?」
「無事完全攻略して宝箱を持ち帰ってきたぞ。」
”アイテムボックス”から先程収納した宝箱を取り出した。
それは縦50cm、横1m、奥行き50cmくらいの大きめのものである。
ちなみにこの宝箱に罠がかかっていないことは確認済みだ。
「おぉー-!!開けてもいいか!?」
「ああ。」
「行くぞ!!せーのっ!!」
勢いよく蓋を開けると、中には何やらネックレスのようなものが入っていた。
白く透き通る鉱石で出来た下向きの円錐の底面から銀色の細い鎖が1本伸びている。
「ネ、ネックレスかと思ったけど留め具が1本しかないのです。」
「何かにぶら下げて飾るんでしょうか?」
「アルフレッド、”鑑定”結果は~?」
「”探索の振り子”っていう魔道具だな。」
「効果はなんだ!?」
「紛失したものや欲しいものを頭の中に思い描くとこの振り子が方向を教えてくれるらしい。回数無制限だな。」
あまり覚えていないが、前世に存在していたダウジングのようなものだろう。
確か鉱石や水脈を発見するものだと記憶していたが、それのファンタジー版と言ったところか。
「おぉ~!!」
「欲しいもの…ですか。代償はないんですか?」
「特に書いてないな。ただし、”成功確率は使用者による”って書いてあるな。」
何とも曖昧な表現だ。
ステータス値なのかそれ以外の要因なのか、成功確率は使用者の何に依存しているのか分からない。
それに使用者によるとのことだが、例えば通常の状態で使っても死にかけた状態で使っても確率は変わらないのだろうか。
何にせよ詳しく調べてみる必要がありそうだ。
「クレアはせいぜい成功率10%くらいかもね~!!」
「そう言うスーこそオレより低いかもしれないぞ?成功率5%とかな!!」
「何を~!!」
「2人とも落ち着いてください。試してみればいいじゃないですか。」
「まあ…そうだね~」
「よし、勝負するぞ!!」
「ボ、ボクも試したいのです!!」
「私もやってみたいです。」
何やらちょうどよさそうなので4人の勝負がてら実験に付き合ってもらうことにしよう。
もし欲しいものが何でも確率で見つかるのだとすれば、これは相当の代物だ。
何としてでもこの魔道具の力を有効活用しなければ。
「そうだな…じゃあ俺が審判でもするか。お題は何でもいいから鉱石ってことにしよう。」
「まずはオレからな!!」
使い方は細い鎖の端を親指と人差し指でつまみ、目を瞑って脳内に鉱石を思い描くとのことだ。
クレアがそれを実践すると”探索の振り子”が回るように動き出し、少しすると円錐の頂点は右斜め前を指して停止した。
「行ってみようぜ!!」
指し示す方向へ歩いていくと、ダンジョンの壁に行き当たった。
この壁の先を指し示しているかもしれないので行ってみると、今度は左斜め後ろを指し示した。
どうやら最初に行き当たった壁で合っていたようだ。
「ここ…みたいですね。」
「アルフレッド、頼んだぜ。」
「ああ。」
”鉱石探知”を行使してみると、驚くことに3つの反応があった。
ピッケルを取り出して丁寧に掘っていくと、昨日クレアが発掘した3種類の鉱石が現れた。
「おぉ!!間違いなくオレが頭の中で思い描いた鉱石だぜ!!」
「偶然じゃない~?」
確かに偶然だった可能性が無いとは言い切れない。
しかし、無数の種類がある鉱石の中から思い描いた3種類を発掘したのは事実だ。
偶然の可能性は僅か数%だろう。
「じゃあ今度はスーがやってみろよ!!これすごいぞ!!」
「そうだな。スー、頼んだ。」
「りょうか~い。」
スーもクレアと同様に使い始めると、今回も回るように動き出して少しすると円錐の頂点は左斜め前を指して停止した。
そして指し示す方向へ歩き、場所を特定した。
「アルフレッド、よろしくね~」
「ああ。」
”鉱石探知”を行使してみると、今回も驚くことに1つの反応があった。
ピッケルを取り出して丁寧に掘っていくと、昨日スーが発掘した一回り大きな鉱石が現れた。
「おぉ~!!本当に思い描いた通りだ~!!!」
「わ、私も!!」
「ボクも!!」
それからアイリスとイザベルも試してみると、2人も鉱石を発見することができた。
皆嬉しそうにしているが、全員が成功してしまったため実験は失敗に終わった。
『…けどまあ強力な魔道具であることは分かったし、今度また試してみればいいか。』
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