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27、漆黒のリベンジャー
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死んだ。炎乃華が死んだ。
マイティ・フレアになっている間、彼女の動力源は炎のマナゲージに委ねられている。結晶体の炎が消えれば、その命は尽きる。
マイティ・フレアが死ねば、当然炎乃華も生きてはいられない――。そんなことは、ゼルネラ星人であるオレは、百も承知のことだった。
「……ふははは……ハーッハッハッハッ!」
高らかにオレは笑い声をあげた。
楽しいわけがない。愉快なわけがない。オレがどれほど苦しいか、誰にも理解などできるものかッ!
しかしオレは、笑わねばならなかった。だってオレは、地球を侵略にきたゼルネラ星人なのだから。マイティ・フレアの敵である、ラスボスなのだから。
「いいザマだな、マイティ・フレア! 貴様の悪運もこれまでというわけだ!」
遥か先で地面に横たわる炎乃華を見詰めながら、オレは悪役らしい台詞を放った。シアンが不思議そうに顔をしかめているのが視界の隅に映る。
炎乃華はキレイな死に顔をしていた。
壮絶な苦痛に襲われていたはずなのに、満足して旅立ったのかもしれなかった。あれほど焦がれた『正義のヒロイン』を彼女は全うできたのだから。
こんなにも美しい少女だったのかと、オレは改めて思い知った。
「よくやったな、シアンよ! よくぞここまでマイティ・フレアを『追い詰めた』! トドメはオレに任せるがいい!」
両目を大きくみはったシアンは、この時になってオレの真意に気付いたのかもしれなかった。
なあおい、シアンよ。お前の言う通りだぜ。オレたちは長い付き合いなんだ。
お前がやろうとすることくらい、想定済みさ。
万が一、炎乃華が殺されることも覚悟していた。マイティ・フレアの炎のマナゲージが消える可能性も考えて、オレはここにやってきた。
「やれッ、ゼネット! マイティ・フレアにトドメを刺せッ!」
ゼネットの二つ名は〝漆黒のリベンジャー〟。攻撃してきた者に、必ずカウンターを撃ち返す習性からその名が与えられている。
前回炎乃華とゼネットが闘った時のこと、知っているか、シアン?
最後、ゼネットはたっぷりとフレアブラスターを浴び……カウンターを撃ち返す前に、オレに眠らされたんだ。
つまりその体内には、フレアブラスターのエネルギーがまだ大量に残っている。
灼熱の、炎のエネルギーが。
ゴオオオウウッ‼
ゼネットの顔、丸い鏡のような器官から真っ赤な火球が射出された。
超高熱の業火の塊。
山ひとつくらい一瞬で蒸発させそうな炎の砲弾が、一直線に横たわる炎乃華へ飛んでいく。
「さらにッ!」
火焔弾の軌道上に、オレは素早く移動した。
「このオレ様のパワーも、プラスさせてやるぞッ!」
大声で叫ぶ。このバトルの生中継を視聴する人類に、よく聞こえるように。
真っ直ぐ飛ぶ火球を、オレは両手で捕まえた。
「グヌウッ!」
奥歯を噛み締めたのに、声が漏れて出ちまった。
掌の皮が焼け爛れる。もえたぎる炎の塊は、ズブズブに溶けた肉を根こそぎ持っていく。
ズリュウウッ、とオレの両手の間をすり抜けた火球は、少し勢いを弱めながらも炎乃華に向かう。その胸の中央、真っ黒になった結晶体へ。
炎の塊は、マイティ・フレアのマナゲージに直撃した。
「……バ……カなぁッ‼」
…………ピ…………
シアンが叫ぶのと、炎のマナゲージに赤色が戻るのは、ほぼ同時であった。
さあ、炎乃華よ。マイティ・フレアよ。立ち上がってくれなきゃ、ウソだぜ。
苦労してお前を、生き返らせたんだ。
オレとお前の闘いは、まだ終わらない。そうだよなぁ?
「そうはッ! いかせるものかッ!」
パカリとシアンが大きく口を開いた。
これだから女のカンってやつは侮れない。今ここでマイティ・フレアの復活を許してはならない……倒すなら今だと、本能で察知しやがった。
最高威力を誇る水流のレーザーを、シアンは躊躇なく発射した。
一直線の放水が、まだ眠ったままの炎のヒロインに襲い掛かる。
ピピピピピッ! ピィ――ッ!
長く尾を引くマナゲージの音に、水流が大地を抉る轟音が重なる。
つい一瞬前まで炎乃華がいた場所を、弩流のレーザーは直撃していた。
ツーサイドアップの髪を舞わせて、白銀と深紅の巨大ヒロインは跳んでいた。
胸に輝く炎のマナゲージは、赤々と輝いている。打撃でボロボロにされた肢体にもエネルギーが満ちているのは、遠目から見てもよくわかった。
「……私の……炎はっ! 再び灯ったわッ!」
マイティ・フレア、復活。
2本の脚からキレイに着地した炎乃華は、大きく肩で息をしている。
なにせさっきまで呼吸してなかったんだからな。炎のエネルギーを大幅にチャージしたとはいえ、深刻なダメージを受けたのは否定できない。
「……ノワル……その手は?」
荒々しく息を吐く炎乃華の視線は、焼け爛れたオレの両手に注がれていた。
掌の皮が全部ベローンとめくれちまって、血がボトボトと垂れ落ちてやがる。仕方ねえ。フレアブラスターを濃縮した灼熱の塊を掴んだからな。いくら最強のオレでも、負傷するのもやむを得ない。
「……フン。ゼネットの一撃では頼りないので、オレ様のエネルギーも加えてやったまでのことよ!」
むろん、あの刹那のタイミングでそんな芸当をする余裕などないが。
「おのれ、マイティ・フレア! 我らのトドメの一撃を喰らってもまだ死なないとは! 貴様の耐久力を侮っていたようだ!」
「……あなたが両手で、火球の威力を抑えたのね?」
じっと澄んだ瞳で見つめられると、炎乃華には全てを見透かされた気分になってしまう。
「ふは、ふははは。何を言っているのだ、貴様は」
「ゼネットのカウンターの火球は、まともに受けたらマナゲージが壊れるほど危険な一撃よ。前回の闘いで身に沁みているわ」
……そうか。気付いていたのか。
「だからあなたが、身を張って調節してくれたのね?」
ちぇッ。そういうのはお前……ギャラリーの前ではナイショにしておいてくれよ。
「ふ、フンッ! なんのことだかさっぱりわからんな」
「……ありがとう」
マイティ・フレアではなく、完全に津口炎乃華の顔で巨大ヒロインは微笑んだ。
……バカだな。これじゃあ誰もが、オレとお前は仲良しだって勘違いしちまうぞ。
あくまでゼルネラ星人ノワルとマイティ・フレアは宿敵同士で、いつかは地球の支配を賭けて闘わなきゃいけない運命だっていうのに。
マイティ・フレアになっている間、彼女の動力源は炎のマナゲージに委ねられている。結晶体の炎が消えれば、その命は尽きる。
マイティ・フレアが死ねば、当然炎乃華も生きてはいられない――。そんなことは、ゼルネラ星人であるオレは、百も承知のことだった。
「……ふははは……ハーッハッハッハッ!」
高らかにオレは笑い声をあげた。
楽しいわけがない。愉快なわけがない。オレがどれほど苦しいか、誰にも理解などできるものかッ!
しかしオレは、笑わねばならなかった。だってオレは、地球を侵略にきたゼルネラ星人なのだから。マイティ・フレアの敵である、ラスボスなのだから。
「いいザマだな、マイティ・フレア! 貴様の悪運もこれまでというわけだ!」
遥か先で地面に横たわる炎乃華を見詰めながら、オレは悪役らしい台詞を放った。シアンが不思議そうに顔をしかめているのが視界の隅に映る。
炎乃華はキレイな死に顔をしていた。
壮絶な苦痛に襲われていたはずなのに、満足して旅立ったのかもしれなかった。あれほど焦がれた『正義のヒロイン』を彼女は全うできたのだから。
こんなにも美しい少女だったのかと、オレは改めて思い知った。
「よくやったな、シアンよ! よくぞここまでマイティ・フレアを『追い詰めた』! トドメはオレに任せるがいい!」
両目を大きくみはったシアンは、この時になってオレの真意に気付いたのかもしれなかった。
なあおい、シアンよ。お前の言う通りだぜ。オレたちは長い付き合いなんだ。
お前がやろうとすることくらい、想定済みさ。
万が一、炎乃華が殺されることも覚悟していた。マイティ・フレアの炎のマナゲージが消える可能性も考えて、オレはここにやってきた。
「やれッ、ゼネット! マイティ・フレアにトドメを刺せッ!」
ゼネットの二つ名は〝漆黒のリベンジャー〟。攻撃してきた者に、必ずカウンターを撃ち返す習性からその名が与えられている。
前回炎乃華とゼネットが闘った時のこと、知っているか、シアン?
最後、ゼネットはたっぷりとフレアブラスターを浴び……カウンターを撃ち返す前に、オレに眠らされたんだ。
つまりその体内には、フレアブラスターのエネルギーがまだ大量に残っている。
灼熱の、炎のエネルギーが。
ゴオオオウウッ‼
ゼネットの顔、丸い鏡のような器官から真っ赤な火球が射出された。
超高熱の業火の塊。
山ひとつくらい一瞬で蒸発させそうな炎の砲弾が、一直線に横たわる炎乃華へ飛んでいく。
「さらにッ!」
火焔弾の軌道上に、オレは素早く移動した。
「このオレ様のパワーも、プラスさせてやるぞッ!」
大声で叫ぶ。このバトルの生中継を視聴する人類に、よく聞こえるように。
真っ直ぐ飛ぶ火球を、オレは両手で捕まえた。
「グヌウッ!」
奥歯を噛み締めたのに、声が漏れて出ちまった。
掌の皮が焼け爛れる。もえたぎる炎の塊は、ズブズブに溶けた肉を根こそぎ持っていく。
ズリュウウッ、とオレの両手の間をすり抜けた火球は、少し勢いを弱めながらも炎乃華に向かう。その胸の中央、真っ黒になった結晶体へ。
炎の塊は、マイティ・フレアのマナゲージに直撃した。
「……バ……カなぁッ‼」
…………ピ…………
シアンが叫ぶのと、炎のマナゲージに赤色が戻るのは、ほぼ同時であった。
さあ、炎乃華よ。マイティ・フレアよ。立ち上がってくれなきゃ、ウソだぜ。
苦労してお前を、生き返らせたんだ。
オレとお前の闘いは、まだ終わらない。そうだよなぁ?
「そうはッ! いかせるものかッ!」
パカリとシアンが大きく口を開いた。
これだから女のカンってやつは侮れない。今ここでマイティ・フレアの復活を許してはならない……倒すなら今だと、本能で察知しやがった。
最高威力を誇る水流のレーザーを、シアンは躊躇なく発射した。
一直線の放水が、まだ眠ったままの炎のヒロインに襲い掛かる。
ピピピピピッ! ピィ――ッ!
長く尾を引くマナゲージの音に、水流が大地を抉る轟音が重なる。
つい一瞬前まで炎乃華がいた場所を、弩流のレーザーは直撃していた。
ツーサイドアップの髪を舞わせて、白銀と深紅の巨大ヒロインは跳んでいた。
胸に輝く炎のマナゲージは、赤々と輝いている。打撃でボロボロにされた肢体にもエネルギーが満ちているのは、遠目から見てもよくわかった。
「……私の……炎はっ! 再び灯ったわッ!」
マイティ・フレア、復活。
2本の脚からキレイに着地した炎乃華は、大きく肩で息をしている。
なにせさっきまで呼吸してなかったんだからな。炎のエネルギーを大幅にチャージしたとはいえ、深刻なダメージを受けたのは否定できない。
「……ノワル……その手は?」
荒々しく息を吐く炎乃華の視線は、焼け爛れたオレの両手に注がれていた。
掌の皮が全部ベローンとめくれちまって、血がボトボトと垂れ落ちてやがる。仕方ねえ。フレアブラスターを濃縮した灼熱の塊を掴んだからな。いくら最強のオレでも、負傷するのもやむを得ない。
「……フン。ゼネットの一撃では頼りないので、オレ様のエネルギーも加えてやったまでのことよ!」
むろん、あの刹那のタイミングでそんな芸当をする余裕などないが。
「おのれ、マイティ・フレア! 我らのトドメの一撃を喰らってもまだ死なないとは! 貴様の耐久力を侮っていたようだ!」
「……あなたが両手で、火球の威力を抑えたのね?」
じっと澄んだ瞳で見つめられると、炎乃華には全てを見透かされた気分になってしまう。
「ふは、ふははは。何を言っているのだ、貴様は」
「ゼネットのカウンターの火球は、まともに受けたらマナゲージが壊れるほど危険な一撃よ。前回の闘いで身に沁みているわ」
……そうか。気付いていたのか。
「だからあなたが、身を張って調節してくれたのね?」
ちぇッ。そういうのはお前……ギャラリーの前ではナイショにしておいてくれよ。
「ふ、フンッ! なんのことだかさっぱりわからんな」
「……ありがとう」
マイティ・フレアではなく、完全に津口炎乃華の顔で巨大ヒロインは微笑んだ。
……バカだな。これじゃあ誰もが、オレとお前は仲良しだって勘違いしちまうぞ。
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