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麻薬の売人がギャルビッチを抱く話
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別に、麻薬の売人になりたかったわけじゃない。
代わり映えのしない学生生活に嫌気が差していた頃、友人に薦められて中央アジアにボランティア留学に行ったのが、事の始まりだった。
そう、荷物の中に紛れ込んでいた麻の種を見つけてから、全てが変わってしまった。
そこからは、隠れて麻を育てる日々だった。
幸い、場所はどうにかなった。子供の頃作った秘密基地、土地の傾斜が激しくて打ち捨てられたままの廃屋。そこでこっそりと育てて、ネットで拾った知識で見様見真似ながらも、試しに作ってみた。
……初めてにしては、出来は良かったと思う。
自分で試すのは怖いからと、変装してホームレスのねぐらの前にわざと落としてきた。それを数日、毎日続けてから止めてみると、人が変わったかのように地面の上を這いずっている。どうやら、精製はうまくいったみたいだ。
それからは、こっそりと栽培し、精製しては隠す日々だった。
気がつけば、学校には通っていなかった。そのうち家にも居づらくなり、そのまま出ていった。多分、手元になにもなければ、俗にいうニートになっていただけだと思う。けれども、幸か不幸か、俺には麻薬があった。
だからこそ麻薬を換金して、自ら生計を立てていくことができるのだろう。
そして数ヶ月が経過し、予想よりもはるかに順調な生活を送っていた。
「毎度……」
いつも通り、裏道に入ってきた夜の住人相手に麻薬を売った帰り。紙幣が数枚、手間を考えてもかなりの暴利だ。寝床も家賃代わりに麻薬を手渡し、単身者で常習者の家を渡り歩いている。栽培所も同じく常習者の名義を使い、小さな倉庫をダミー込みでいくつか借りているので、生産体制も万全だ。
昔、歴史の授業で、阿片戦争が起きたという話を聞いたのを思い出した。詳しいことはもう覚えていないが、麻薬一つで戦争になるというのも、よく分かる。こんなものは中毒性があるだけで、金や武器と大して変わらない。要するに戦争の火種には、十分だということだ。
「お兄さ~ん」
裏道を歩く程、派手な人間が地味に行動しているのが目立ってくる。矛盾が内包した空間というのは、存外居心地がいいものだ。
「ねぇ~、今夜一緒に寝な~い?」
「ああ、いいぜ……」
手持ちに麻薬はない。あるのは現金だけ。そしてこの辺りで援助交際や立ちんぼといった、娼婦紛いの連中に声を掛けられるのも初めてじゃない。
今日の宿は決めていないので、このまま女としけこむのも悪くなかった。
「近くにホテルは?」
「少し歩いた先に一軒あるよ~」
そして入ったのは、あまり目立たない印象のあるラブホテル。普通ならネオンを焚いて客を呼び寄せるものだが、ここは逆に、目立たないことを売りにしているようだ。
「ふたりね~」
ホテルの従業員は、顔を見せない小さな窓口から一本の鍵を差し出してきた。代金と引き換えに受け取ると、勝手知ったる女の方が俺の腕を組んで、そのまま階段を登って行く。
表向きは地味ながらもきれいに清掃されていたが、部屋のある二階より上は酷かった。
ここは本当に日本か、と思うくらいに汚れているのだ。ゴミや汚物だけじゃない。血痕まで壁に染みついているのだから質が悪い。おまけに酔っ払いの中年や焦点の定まっていない眼差しを持つ年端もいかない少女、挙句の果てには幼い少年が掃除をしながら寝転んでいる客の財布の中身を抜いている。これで銃でもあれば、完全に外国の犯罪都市だ。
ちなみに銃は持っていない。買えるだけの金はあっても、売人とのコネがないのだ。とはいえ、麻薬の売人としてはそろそろ手を出してみたいとも思うが。
「……で、いくらだ?」
「これくら~い」
提示されたのは、手持ちで一日中遊べる金額だった。懐は温かいので、断る理由はない。
「じゃあ、交渉成立」
「おっけ~い」
相手はギャルだった。
染料やパーマで傷んだ髪をツインテールにし、安い髪飾りでごちゃごちゃに彩っている。節操のない色遣いは日サロ通い特有の褐色の肌を覆う服にも表れていて、水着みたいな下着、いや水着そのものに上から服を着ているようだ。なぜ分かるかというと、ブレザーは胸元を完全に露出させ、ただでさえ短いスカートにも生地の上を安いピンバッジが踊っているのが視界に映っているからにすぎない。
そしてこのホテルの惨状を見慣れていることや金銭交渉の仕方から、かなりの経験者だと分かる。個人的には美人局でなければなんでもいいので、特に気にしない。
そう、女さえ抱ければ、それでいいのだ。
「じゃあシャワー行こっか。ほら脱いで脱いで~」
「おう」
服を脱いですぐ、全裸になった。運動はしていないので筋肉はないが、不健康な生活がかえって良かったのか、代わりに贅肉もない身体をギャルの前に晒した。別段自慢する程でもないので、とっくに水着になっていた彼女の肢体を抱きしめた。
「いいの持ってるじゃ~ん、いこいこ」
部屋に備え付けの小さくて汚いユニットバスに入り、湯船の中でギャルの水着に手を差し入れた。シャワーは温めにして、肌寒さを感じない程度に。
「あぁ~ん。もっと触って……」
背中から抱きしめ、乳首を弄り、膣口に指を這わせる。唇はもちろん、ギャルのものと重ねて。
「ちゅっ、ぷ……」
舌も絡めようと思ったが、ボロボロの歯の感触が気に入らなくて止めた。虫歯が移りそうだ。
「壁に手をつけ」
「こぉ?」
壁に手をついたギャルの尻が、俺の方に突き出された。水着を脱がしてみると、日焼けの跡がなく全身を包んでいる。もしかしたら全裸で日焼けマシンに入っていたのかもしれない。特に興味はないが。
「舐めるぞ」
「好きにしていいよ~……ひゃん!」
顔を近づけて、膣口やその中、果ては菊門の周りも確認しながら、綺麗に舐めていく。
性病持ちだとこの辺りに変化があるのだが、たとえ持っていても初期症状手前、博打だが気にすることもないだろう。
野垂れ死ぬ覚悟がないなら商売女を抱くな、とは俺の童貞をもらってくれた裏風俗のお姉さんからの忠告だ。今でもその忠告はしっかりと守っている。
「このまま一回、挿入れていいか?」
「ちゃんとゴム付けないと駄目~ちょっと待っててね~」
壁から手を離したギャルは俺の肉棒を手にし、手際よくゴムを嵌めてきた。避妊薬は使わない派なのだろう。こちらとしても生は怖いから、堂々と表のソープに通える年齢になってから、存分に味わおうと考えている。もちろん、ノースキンOKの高級店だ。その時豪遊するための代金は現在貯蓄中だ。
「おっけ~い。じゃあどうぞ~」
今度はギャルを壁にもたれさせ、足場をしっかりと固定してから膣穴に肉竿を挿し込んだ。
「ああっ、おっき、お兄さんおっきい~」
俺より大きいものを以前更衣室とかで見たことあるからか、特に嬉しくもなかった。
「いいっ、いい~」
だが演技とはいえ、褒めてくれるのは嬉しかった。学校でも特に褒められた記憶もなく、麻薬に手を出すまでは規則を守る一般人。お金の関係とはいえ、興味を持ってくれること自体が嬉しかった。
「ねぇっ、ねえっ……いっちゃう~っ!」
「……うっ!」
ゴムの中に吐き出される、ただのゴミと化した精子と共に、膣内の感触を味わいながら肉棒を引き抜いていく。特に思うこともなく、大して大きくもないギャルの胸に顔を埋めながら、シャワーの元栓を閉めた。
「……あ、おっきくなってきた」
「よし、二回戦だ」
ベッドの上で全裸になった俺達は、回復するまでシックスナインの体勢で互いの性器をむさぼっていた。俺が下になって差し出されたオマンコを舐めまわし、ギャルは俺のペニスを咥え込んでいる。シャワー中に出したばかりなのですぐには回復しなかったが、若さの前には大した障害とはならなかったらしい。
ギャルの身体を反転させて仰向けにさせると、俺は彼女に覆い被さる。
いつのまに被せていたのか、俺のペニスにはすでにゴムがつけられている。後はぶち込むだけだが、このまま挿入れるのも面白くない。
「ほら、何が欲しいか言ってみろ」
「えぇ~もう早くちょうだ~い、お兄さんのたくましいオチンチンちょうだいよぉ~」
安っぽい挑発だが、ないよりましってところか。
しかし安っぽい挑発には安い挑発で返すに限る。俺は自らの逸物を掴むと、亀頭を女陰にこすりつけた。じっくり、ゆっくりと。
「ぁあん、お兄さ~ん。挿入れてぇ~……ぁあんっ!?」
そしていきなり挿入する。
「あっ! あんっ! いぃっ! いいよぉ~!」
安っぽい挑発の後だと、喘ぎ声もまた安い演技に思えてくる。
というか、見かけとはいえ若い外見に反して、膣内はかなりこなれている。明らかにヤリ慣れている証拠だ。
それが平均少し上の大きさで若さのみのテクニックゼロ。ベテラン相手に感じさせることができるとは思えない。だったら料金分だけ、出すものを出してしまおう。そう考えていた方が得だ。
「おらっ、射精すぞっ!」
「イクっ、イクぅ~!」
張りぼてのセックスでも、出るものは出る。
「ふぅ……」
虫歯になりそうなキスはごめんだ。俺は褐色に彩られただけの大して大きくもない胸に顔を埋めて、ギャルからの口付けを回避した
「お兄さん、キスしな~い?」
「しな~い……」
麻薬の売人を営んでいる以上、まともな医者に掛かれないのだ。虫歯で人生ジ・エンドなんて、選べるとしたらそんな最後はごめんだな。
「ええ~、キス好きなのに……」
勘弁してくれ。
だったら虫歯に気をつけろと、俺は内心で舌打ちした。
その後も数回肌を重ねてから、俺達はホテルを後にした。
「じゃあお兄さん、まったね~」
朝焼けが視界を遮ってくるが、我慢できない程ではない。
ギャルビッチと別れた俺は、その足で麻薬を保管している倉庫へと向かった。手持ちが軽くなっていたのと、今夜売る商品を回収するためだ。
女を買って身体が軽くなっているのはいいが、正直眠い。
寝心地は悪いが、倉庫の中で寝るのもいいかもしれない。心配なのは保管してある薬がが俺の身体にも影響するかどうかだが、気にしていても始まらない。
「えっと、鍵は……あれ?」
鍵が、なかった。
慌てて服の中を探すも、どこにもない。どこかに落としたのか?
一応予備の鍵は別の場所に隠してある。それを回収し、すぐに鍵を替えれば問題はない。そう、その後はいつも通りにすればいいだけだ。何も問題はない。
……そう思っていた数分前の俺を殴りたい。
「結構な量があるな……」
「あ、あが……」
そう言って俺を下敷きにしているのは、見たこともない男だった。
予備の鍵を回収してすぐ倉庫に向かったのだが、俺は待っていたそいつにいきなり取り押さえられ、今は倉庫内の床の上で伸びている。その上に圧し掛かられているので、身動き一つ取ることができない。
「個人的には、麻薬を作ろうが売ろうが別にどうでもいいんだけどね。だけど、ちゃんと取り仕切っている人間に許しを請わないと……まあ、どっちにしても、警察もこの辺りを占めているヤ○ザも、麻薬を禁止しているから場所は変えないとだけど」
「な、なんで……」
そう、何故見つかったのかが分からない。素人に毛が生えたようなものとはいえ、それなりにうまくやっていたつもりだ。それが何故……
「近場で実験をしたのが間違いだった。君が実験台にしたホームレスの近所を調べてみれば、あっさりと足がついたよ。後はそこから芋蔓式にここまで辿り着いた。ただ……」
溜息を漏らす音が聞こえてくる。
「別にさ、鍵くらい開けられるんだよ。ピッキングとかで。なのにうちのご主人様ときたらさ。就活資金を稼ぐためのただのバイトなのに、『ワタシも手伝う!』とか言ってきてね。鍵を盗むためだけに、知り合いに声掛けるし……もう少し、自分のペット信じてくれてもいいと思うんだよ、本当に。ねえ、どう思う?」
意味の分からない言葉だが、どうせ愚痴だろう。いちいち相手してやる理由はない。
「し、らね、ぇ、よ……」
「まあ、どうでもいいか……というわけで、麻薬売買はここでおしまい。後はご自由に……今なら警察呼べるけど、対応するのはヤ○ザでいい?」
返答しなかったのが、回答になってしまったのだろう。一切の確認を取ることなく、男は電話を掛け始めた。
「……じゃ、後はお願いします。報酬は家で待っていれば届けてくれるんですね? 分かりました。それでは」
そして電話を終え、明らかに堅気ではない者達と入れ替わりに、男は立ち去って行った。
だが、俺は最期の足掻きとばかりに腕を伸ばした。
「終わったから、これから帰るよ。うん、お昼までには帰れそうだから……ご飯何がいい? ……えぇ、昨日もお肉だったのに? じゃあ、今日は豚肉で…………」
こんな、買い物のついでに終わらせられるほど、俺の人生は安くない。
一人で麻薬を精製し、売人として生計を立て、女を買って捨てるほどにまで上り詰めたのに。こんな簡単に終わらせて…………女?
「……ぁんのアマぁ~!?」
あの虫歯ビッチ、ただじゃおかねぇ!
その怒りを最後に、俺の人生は終幕となった。すぐに死んだわけではないのだが、人として扱われないまま人生を終えたのだ。終了の分岐点としては、この瞬間で間違いないだろう。
「……いやぁ、ぼろもうけ。相場を知らないのか余分に出してくれたし、おまけに盗んだ鍵と交換で大金手に入っちゃった。しばらく遊んでよぉ~っと」
代わり映えのしない学生生活に嫌気が差していた頃、友人に薦められて中央アジアにボランティア留学に行ったのが、事の始まりだった。
そう、荷物の中に紛れ込んでいた麻の種を見つけてから、全てが変わってしまった。
そこからは、隠れて麻を育てる日々だった。
幸い、場所はどうにかなった。子供の頃作った秘密基地、土地の傾斜が激しくて打ち捨てられたままの廃屋。そこでこっそりと育てて、ネットで拾った知識で見様見真似ながらも、試しに作ってみた。
……初めてにしては、出来は良かったと思う。
自分で試すのは怖いからと、変装してホームレスのねぐらの前にわざと落としてきた。それを数日、毎日続けてから止めてみると、人が変わったかのように地面の上を這いずっている。どうやら、精製はうまくいったみたいだ。
それからは、こっそりと栽培し、精製しては隠す日々だった。
気がつけば、学校には通っていなかった。そのうち家にも居づらくなり、そのまま出ていった。多分、手元になにもなければ、俗にいうニートになっていただけだと思う。けれども、幸か不幸か、俺には麻薬があった。
だからこそ麻薬を換金して、自ら生計を立てていくことができるのだろう。
そして数ヶ月が経過し、予想よりもはるかに順調な生活を送っていた。
「毎度……」
いつも通り、裏道に入ってきた夜の住人相手に麻薬を売った帰り。紙幣が数枚、手間を考えてもかなりの暴利だ。寝床も家賃代わりに麻薬を手渡し、単身者で常習者の家を渡り歩いている。栽培所も同じく常習者の名義を使い、小さな倉庫をダミー込みでいくつか借りているので、生産体制も万全だ。
昔、歴史の授業で、阿片戦争が起きたという話を聞いたのを思い出した。詳しいことはもう覚えていないが、麻薬一つで戦争になるというのも、よく分かる。こんなものは中毒性があるだけで、金や武器と大して変わらない。要するに戦争の火種には、十分だということだ。
「お兄さ~ん」
裏道を歩く程、派手な人間が地味に行動しているのが目立ってくる。矛盾が内包した空間というのは、存外居心地がいいものだ。
「ねぇ~、今夜一緒に寝な~い?」
「ああ、いいぜ……」
手持ちに麻薬はない。あるのは現金だけ。そしてこの辺りで援助交際や立ちんぼといった、娼婦紛いの連中に声を掛けられるのも初めてじゃない。
今日の宿は決めていないので、このまま女としけこむのも悪くなかった。
「近くにホテルは?」
「少し歩いた先に一軒あるよ~」
そして入ったのは、あまり目立たない印象のあるラブホテル。普通ならネオンを焚いて客を呼び寄せるものだが、ここは逆に、目立たないことを売りにしているようだ。
「ふたりね~」
ホテルの従業員は、顔を見せない小さな窓口から一本の鍵を差し出してきた。代金と引き換えに受け取ると、勝手知ったる女の方が俺の腕を組んで、そのまま階段を登って行く。
表向きは地味ながらもきれいに清掃されていたが、部屋のある二階より上は酷かった。
ここは本当に日本か、と思うくらいに汚れているのだ。ゴミや汚物だけじゃない。血痕まで壁に染みついているのだから質が悪い。おまけに酔っ払いの中年や焦点の定まっていない眼差しを持つ年端もいかない少女、挙句の果てには幼い少年が掃除をしながら寝転んでいる客の財布の中身を抜いている。これで銃でもあれば、完全に外国の犯罪都市だ。
ちなみに銃は持っていない。買えるだけの金はあっても、売人とのコネがないのだ。とはいえ、麻薬の売人としてはそろそろ手を出してみたいとも思うが。
「……で、いくらだ?」
「これくら~い」
提示されたのは、手持ちで一日中遊べる金額だった。懐は温かいので、断る理由はない。
「じゃあ、交渉成立」
「おっけ~い」
相手はギャルだった。
染料やパーマで傷んだ髪をツインテールにし、安い髪飾りでごちゃごちゃに彩っている。節操のない色遣いは日サロ通い特有の褐色の肌を覆う服にも表れていて、水着みたいな下着、いや水着そのものに上から服を着ているようだ。なぜ分かるかというと、ブレザーは胸元を完全に露出させ、ただでさえ短いスカートにも生地の上を安いピンバッジが踊っているのが視界に映っているからにすぎない。
そしてこのホテルの惨状を見慣れていることや金銭交渉の仕方から、かなりの経験者だと分かる。個人的には美人局でなければなんでもいいので、特に気にしない。
そう、女さえ抱ければ、それでいいのだ。
「じゃあシャワー行こっか。ほら脱いで脱いで~」
「おう」
服を脱いですぐ、全裸になった。運動はしていないので筋肉はないが、不健康な生活がかえって良かったのか、代わりに贅肉もない身体をギャルの前に晒した。別段自慢する程でもないので、とっくに水着になっていた彼女の肢体を抱きしめた。
「いいの持ってるじゃ~ん、いこいこ」
部屋に備え付けの小さくて汚いユニットバスに入り、湯船の中でギャルの水着に手を差し入れた。シャワーは温めにして、肌寒さを感じない程度に。
「あぁ~ん。もっと触って……」
背中から抱きしめ、乳首を弄り、膣口に指を這わせる。唇はもちろん、ギャルのものと重ねて。
「ちゅっ、ぷ……」
舌も絡めようと思ったが、ボロボロの歯の感触が気に入らなくて止めた。虫歯が移りそうだ。
「壁に手をつけ」
「こぉ?」
壁に手をついたギャルの尻が、俺の方に突き出された。水着を脱がしてみると、日焼けの跡がなく全身を包んでいる。もしかしたら全裸で日焼けマシンに入っていたのかもしれない。特に興味はないが。
「舐めるぞ」
「好きにしていいよ~……ひゃん!」
顔を近づけて、膣口やその中、果ては菊門の周りも確認しながら、綺麗に舐めていく。
性病持ちだとこの辺りに変化があるのだが、たとえ持っていても初期症状手前、博打だが気にすることもないだろう。
野垂れ死ぬ覚悟がないなら商売女を抱くな、とは俺の童貞をもらってくれた裏風俗のお姉さんからの忠告だ。今でもその忠告はしっかりと守っている。
「このまま一回、挿入れていいか?」
「ちゃんとゴム付けないと駄目~ちょっと待っててね~」
壁から手を離したギャルは俺の肉棒を手にし、手際よくゴムを嵌めてきた。避妊薬は使わない派なのだろう。こちらとしても生は怖いから、堂々と表のソープに通える年齢になってから、存分に味わおうと考えている。もちろん、ノースキンOKの高級店だ。その時豪遊するための代金は現在貯蓄中だ。
「おっけ~い。じゃあどうぞ~」
今度はギャルを壁にもたれさせ、足場をしっかりと固定してから膣穴に肉竿を挿し込んだ。
「ああっ、おっき、お兄さんおっきい~」
俺より大きいものを以前更衣室とかで見たことあるからか、特に嬉しくもなかった。
「いいっ、いい~」
だが演技とはいえ、褒めてくれるのは嬉しかった。学校でも特に褒められた記憶もなく、麻薬に手を出すまでは規則を守る一般人。お金の関係とはいえ、興味を持ってくれること自体が嬉しかった。
「ねぇっ、ねえっ……いっちゃう~っ!」
「……うっ!」
ゴムの中に吐き出される、ただのゴミと化した精子と共に、膣内の感触を味わいながら肉棒を引き抜いていく。特に思うこともなく、大して大きくもないギャルの胸に顔を埋めながら、シャワーの元栓を閉めた。
「……あ、おっきくなってきた」
「よし、二回戦だ」
ベッドの上で全裸になった俺達は、回復するまでシックスナインの体勢で互いの性器をむさぼっていた。俺が下になって差し出されたオマンコを舐めまわし、ギャルは俺のペニスを咥え込んでいる。シャワー中に出したばかりなのですぐには回復しなかったが、若さの前には大した障害とはならなかったらしい。
ギャルの身体を反転させて仰向けにさせると、俺は彼女に覆い被さる。
いつのまに被せていたのか、俺のペニスにはすでにゴムがつけられている。後はぶち込むだけだが、このまま挿入れるのも面白くない。
「ほら、何が欲しいか言ってみろ」
「えぇ~もう早くちょうだ~い、お兄さんのたくましいオチンチンちょうだいよぉ~」
安っぽい挑発だが、ないよりましってところか。
しかし安っぽい挑発には安い挑発で返すに限る。俺は自らの逸物を掴むと、亀頭を女陰にこすりつけた。じっくり、ゆっくりと。
「ぁあん、お兄さ~ん。挿入れてぇ~……ぁあんっ!?」
そしていきなり挿入する。
「あっ! あんっ! いぃっ! いいよぉ~!」
安っぽい挑発の後だと、喘ぎ声もまた安い演技に思えてくる。
というか、見かけとはいえ若い外見に反して、膣内はかなりこなれている。明らかにヤリ慣れている証拠だ。
それが平均少し上の大きさで若さのみのテクニックゼロ。ベテラン相手に感じさせることができるとは思えない。だったら料金分だけ、出すものを出してしまおう。そう考えていた方が得だ。
「おらっ、射精すぞっ!」
「イクっ、イクぅ~!」
張りぼてのセックスでも、出るものは出る。
「ふぅ……」
虫歯になりそうなキスはごめんだ。俺は褐色に彩られただけの大して大きくもない胸に顔を埋めて、ギャルからの口付けを回避した
「お兄さん、キスしな~い?」
「しな~い……」
麻薬の売人を営んでいる以上、まともな医者に掛かれないのだ。虫歯で人生ジ・エンドなんて、選べるとしたらそんな最後はごめんだな。
「ええ~、キス好きなのに……」
勘弁してくれ。
だったら虫歯に気をつけろと、俺は内心で舌打ちした。
その後も数回肌を重ねてから、俺達はホテルを後にした。
「じゃあお兄さん、まったね~」
朝焼けが視界を遮ってくるが、我慢できない程ではない。
ギャルビッチと別れた俺は、その足で麻薬を保管している倉庫へと向かった。手持ちが軽くなっていたのと、今夜売る商品を回収するためだ。
女を買って身体が軽くなっているのはいいが、正直眠い。
寝心地は悪いが、倉庫の中で寝るのもいいかもしれない。心配なのは保管してある薬がが俺の身体にも影響するかどうかだが、気にしていても始まらない。
「えっと、鍵は……あれ?」
鍵が、なかった。
慌てて服の中を探すも、どこにもない。どこかに落としたのか?
一応予備の鍵は別の場所に隠してある。それを回収し、すぐに鍵を替えれば問題はない。そう、その後はいつも通りにすればいいだけだ。何も問題はない。
……そう思っていた数分前の俺を殴りたい。
「結構な量があるな……」
「あ、あが……」
そう言って俺を下敷きにしているのは、見たこともない男だった。
予備の鍵を回収してすぐ倉庫に向かったのだが、俺は待っていたそいつにいきなり取り押さえられ、今は倉庫内の床の上で伸びている。その上に圧し掛かられているので、身動き一つ取ることができない。
「個人的には、麻薬を作ろうが売ろうが別にどうでもいいんだけどね。だけど、ちゃんと取り仕切っている人間に許しを請わないと……まあ、どっちにしても、警察もこの辺りを占めているヤ○ザも、麻薬を禁止しているから場所は変えないとだけど」
「な、なんで……」
そう、何故見つかったのかが分からない。素人に毛が生えたようなものとはいえ、それなりにうまくやっていたつもりだ。それが何故……
「近場で実験をしたのが間違いだった。君が実験台にしたホームレスの近所を調べてみれば、あっさりと足がついたよ。後はそこから芋蔓式にここまで辿り着いた。ただ……」
溜息を漏らす音が聞こえてくる。
「別にさ、鍵くらい開けられるんだよ。ピッキングとかで。なのにうちのご主人様ときたらさ。就活資金を稼ぐためのただのバイトなのに、『ワタシも手伝う!』とか言ってきてね。鍵を盗むためだけに、知り合いに声掛けるし……もう少し、自分のペット信じてくれてもいいと思うんだよ、本当に。ねえ、どう思う?」
意味の分からない言葉だが、どうせ愚痴だろう。いちいち相手してやる理由はない。
「し、らね、ぇ、よ……」
「まあ、どうでもいいか……というわけで、麻薬売買はここでおしまい。後はご自由に……今なら警察呼べるけど、対応するのはヤ○ザでいい?」
返答しなかったのが、回答になってしまったのだろう。一切の確認を取ることなく、男は電話を掛け始めた。
「……じゃ、後はお願いします。報酬は家で待っていれば届けてくれるんですね? 分かりました。それでは」
そして電話を終え、明らかに堅気ではない者達と入れ替わりに、男は立ち去って行った。
だが、俺は最期の足掻きとばかりに腕を伸ばした。
「終わったから、これから帰るよ。うん、お昼までには帰れそうだから……ご飯何がいい? ……えぇ、昨日もお肉だったのに? じゃあ、今日は豚肉で…………」
こんな、買い物のついでに終わらせられるほど、俺の人生は安くない。
一人で麻薬を精製し、売人として生計を立て、女を買って捨てるほどにまで上り詰めたのに。こんな簡単に終わらせて…………女?
「……ぁんのアマぁ~!?」
あの虫歯ビッチ、ただじゃおかねぇ!
その怒りを最後に、俺の人生は終幕となった。すぐに死んだわけではないのだが、人として扱われないまま人生を終えたのだ。終了の分岐点としては、この瞬間で間違いないだろう。
「……いやぁ、ぼろもうけ。相場を知らないのか余分に出してくれたし、おまけに盗んだ鍵と交換で大金手に入っちゃった。しばらく遊んでよぉ~っと」
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