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第四シリーズ

007 銃撃戦

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 銃声が鳴る少し前。
 クロをさらった黒服達が缶コーヒー片手に見張りについていた。現在彼らがいるのは、倒産した会社の施設を基に作られた拠点だ。医療設備に関しては流石に他所から持ち込まなければならなかったが、それ以外であれば生活基盤が一通り揃っているので、安く買い取るだけで事足りた。
「さて……お前等、これからどうする?」
「どうするって……高飛びの件か?」
「まあ確かに、信用できんわな。捨て石にされそうだし」
 等と話す仲間に手を振り、最初に発言した黒服が話の舵を切った。
「んなこたどうでもいいんだよ。俺達犯罪者に安定した生活なんて期待できるかよ。……じゃなくて、そろそろ逃げてもいいんじゃないかってことだよ」
「逃げるって……裏切るつもりか?」
「まあ、無難だな。そろそろ報酬外の面倒事がやってきそうだしさ……」
 それぞれが自動拳銃を構えて、銃身のスライドを引いた。
 ひたひたと響く足音、誰かが近づいてきているのだ。
「噂の白鴎組か?」
「もしくは別の犯罪組織?」
「幽霊じゃありませんように……」
 しかし、歩いてきたのは見覚えのある男だった。同じ黒服を身に纏う彼を見て、一同はようやく銃を下した。
「おい、お前かよ……びっくりさせんな」
「まったく……で、俺達から借りた金で女買いに行ったんだろ。成果はどうだったんだ?」
「さっきの小娘抱けなかったからって無駄にごねやがって。……ちょっと待て、それにしては帰りが早……」
 偶然かは知らないが、クロのいる手術室と同時に銃声が鳴り響いた。音の発信元は、近づいてきた男の背後だった。



『へいへい彼女~こんなところでなにしてんの~』
『あん? ああ、あんたか。いつものお仕事だけど?』
『それでなんで、こんな人気のないところに?』
『客がここ指定してきたんだよ。ああ、かったりぃ』
『何なら変わろっか? 労働なしの五万とここでお仕事の特大報酬とどっちがいい?』
『労働なし。余裕あるから、無理して稼ぐ必要もないしね』
『ほいほい……ほい五万』
『はいどうも。……ところで、首突っ込んでんのはやばいこと?』
『やばいこと~』
『じゃあ帰る。客はここで待ってたらすぐ来るから、絶対にこっちを巻き込むなよ』
『りょうか~い』



 そして来た客が例の襲撃の時に見たロリコンくさい太めの男だったので迷わず持っていた銃器で殴り殺した。元々目的地は分かっていたので、ついでとばかりにこれを盾にしたリナは、施設へと入り込んで見張りに発砲していたのだ。
「いやぁ~顔見知りに会ったのはついてたね。……っと」
 未だに呻く男に死体を投げつけてから、リナは小型の自動拳銃を仕舞い、代わりに軽機関銃サブマシンガンを構えた。
「あ~重かったぁ~……」
 男達の持つ自動拳銃に構わず、リナは施設の中へと入っていった。
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