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第一章 富田沙織の物語 盆踊り

お花摘み 其の二

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 美子はそのままトイレの裏に回ります。
 
 えっ!!!

 そしてレディースパンツのチャックに手をかけ、パンティーの中に手を入れます。
 余りの事に声も出ないクローイさん。

 なんと美子は委細構わず、クローイの壊れている場所に、手を突っ込んだのです。
 三十歳を少し超えているのに、恥ずかしさに身体が震えます。
 と、美子が手を抜くのです。
 
「これで子宮と肛門は治りますよ、子を授かることも可能でしょう」
「でもこの後、下腹部はかなり重い生理痛のような症状が始まるでしょうが、貴女なら耐えられるはずです」

「とにかくこれを付けときなさい、子宮と肛門が再生する時、おりものもお漏らしも、止められませんからね」
 どこから出したのか、大人用のおむつを差し出します。
 クローイさん、もういいなりです。

 とにかく二人はおトイレに。
 本当に美子さん、行きたかったようですね。

 クローイさん、トイレの便器に腰かけた頃には、言われた通り、経験したことの無いような生理痛が襲ってきます。
 さらに下痢とおりものが大量に……
 とにかく、何とか大人用のおむつをつけたクローイさん、そこでふと気がついたのです。
 早く出なければ、あの方が行ってしまう。

 慌てて出ると、美子が待ってくれています。
「生理痛はもうすぐ収まります、子宮と肛門は再生していますよ、勿論手術の傷跡も治るでしょう」

「本当は代価がいるけど、今日は気分がいいのでまけてあげます、後日、何かおごってもらいましょうかね」

 美子はそういうと、すたすたと歩いていきます。
 慌ててクローイさん、付き従っています。

 富田沙織は、トイレから帰ってくる二人を眺めながら、
 ……やはり、なにかあったのね、この短時間でエッチは無理としても、カナダの外人さんを拾ったわね、素早い……
 美子さん、聞かれる前から弁解など始めます。

「いや、何もしていませんよ、本当ですよ、悪さなんかしていません!怪我を治して差し上げただけです」

「怪我を治した?代価はどうされるのですか!やはり拾ったのですね!」
 出会った頃は、お淑やかで穏やかだった沙織も、今ではなかなかどうして、美子さんタジタジです。

「今日は気分が良いので代価は格安、後日何かをおごってもらおうかと……」

「気分がいい?」
 
「多大な犠牲を払って、数多くを世界を何とかし、いまその世界の一つが、このように平和を謳歌しているのよ
「私の行いは報われているのです、これが喜ばれずに何を喜ぶの?」

「吉川様……」
 
 盆踊りの一回目が終わります。
「あら、アリスたちが戻ってくるわ、一回目終わったのね」
「途中で消えるのだから、何処へ行ってたのですか?」
「『お花摘み』へ」
「大きいほう?」
 アリスさん、かなり大きい声ですよ。

「アリス様!」

 しかし一切気にしないのがアリスさん、爆弾発言をします。
「トイレ?誰に水芸させたの?そこにいる人?また拾ったの?」
「アリスお姉さま、真実をはっきりというものではないわ、拾ったという真実は隠すものよ」
 ココさん、フォローしているつもりのようです。

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