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第十一章 私、色事師ではないのよ!
帝国の愛人メイド騒動
「皇帝陛下から書簡が来ており、新しいメイドの打診がありましたが、どういたしますか?」
クレアさんが、お二人のゴッドマザーをお送りしたあと、皆でお茶をしようとしている時です。
先日、商品を卸している時、カニンガム商会から、正妻であるクレアさんに渡されたのです。
こういう話は、ハレムを束ねる正妻さんを通す慣例ですからね。
「受けるしかないでしょうが、皆さんに任せますよ、面接されるのでしょう?」
「私たちと同じように皆さんで面接いたしましょうと、申し合わせております」
フリーダさんが答えてくれました。
エバさんが、
「チョットばかり問題がありまして、ヒロ様にご相談申し上げようかなと……」
「なにが問題なのですか?」
「下の兄上が離宮に行かれたとき、たまたま出迎えていた離宮の女官三人を、随行の者の馬が暴れ、蹴り上げたようで、大けがを負わせたようなのです……」
「やっと動けるようになったのですが、手が動かないとか、顔に大きな傷があるとかで、宮仕えを辞退、となりました」
「女官は奴隷ですので、通常なら、拘束魔法を軽くかけて、臣下の者に下賜するのですが、今回の場合、誰も希望する者がいないのです」
「皇帝陛下から、三人を下賜するので、ヒロ様に治療をしてほしいとの事です」
「こんなことを言ってはいけないのでしょうが、離宮とは名ばかり、兄の後宮です、その女官とは兄のお手付き……暴れ馬も誰かが……」
「兄もそのあたりは把握しているはず、父上に善処を願い出たようです」
「でも、治療したら、第二皇子殿下の愛人になるのでしょう?心ここにあらずの方をいただいてもね……」
クレアさんが、
「そのあたりは、私たちも危惧しておりますので、面接しようとなったのです」
「ヒロ様には、治療をお願いできるか、確かめなくては返事も出来ません」
「治療は構いませんが、あまり首を突っ込みたくない話ですね」
「治療はいたしますが、第二皇子殿下の思い人をいただくわけにはいきませんね、そのように返事をしていただけませんか?」
「分かりました、そのように申し上げておきましょう」
と、エルダさんが、
「お待ちください、皇帝陛下の意向がある以上、その返事は三人の方の不幸を意味します、原因は第二皇子殿下の奥向きの権力争い、戻れないはずです」
「大けがだから、それで収まったのです、元に戻れば元に戻るわけです」
「だから皇帝陛下は下賜されるのです、帝国の後宮とはどこでも大なり小なりそんなものです」
「やれやれ、ならどうしましょうか……治療して、面接の結果、まだ殿下を思っておられるのなら、オルデンブルグの館の管理人でもなっていただきましょうか……」
「それでよろしいのですか?かなりの美人さんのようですが?」
「よろしいのですよ、頑張って新しく女性を口説くのは、皆さんに失礼でしょう?」
「まあ、ヒロ様ったら♪」
「この話はここまでにしましょう、それよりお茶にしましょうよ」
「そうですね、今日はマーガレットさんが『くるみのチョコケーキ』を取り寄せられたのですよ♪」
これは本来、120円ぐらいで売っているものですが、特価で50円というものがウェブであったようで、リストに載っていたのです。
「結構くるみが入っていて美味しいですね♪」
マーガレットさんが自賛していますが、
「マーガレット様、私は先日の『しっとりチョコケーキ』の方に軍配を上げますわ♪」
なんと、シュネさんのお言葉です。
私がこの世界に転移し、ほぼ10ケ月はたちました、王国の奥さんとメイドさんはこんなため口を交わすほど親しいようです。
一応、愛人メイドさんたちは、奥さんたちを様付で呼ぶようですが、かなりフレンドリーな関係のようですね。
「私はこのメーカーなら、『チョコブラウニー リッチミルク』をお勧めしますわ♪」
エバさんですね。
「『香ばしアーモンドのバターケーキ』というものもありますわよ♪実はヒロ様に散々に抱かれた翌朝、フリーダさんと二人でこっそり食べたのです♪」
エルザさんでした。
「あの味は忘れられません、腰が抜けてフラフラしていた時でしたので、美味しかったですね♪」
フリーザさん。
「あら、その手があるのね♪ヒロ様に責められ、翌朝フラフラになった時、なにか美味しい物を口にすれば二回戦もね♪」
メアリーさん、その舌なめずりは何なのですか!
ここでエバさんが、
「その時はオレンジジュースとかがお勧めですよ、たしか50円でも100パーセントの物があるはずです」
「あっ、ありました♪これですね♪」
40円でオレンジ100パーセント185ml缶が手にありました。
帝国からの奥さんたちも、馴染んでくれているようです。
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*この作品は「カクヨム」様にも投稿しています。
**週1(土曜日午後9時)の投稿を予定しています。**