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第十八章 女性世界

女たちの夢

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「アナーヒター」と姉が促しました。
「ようこそ、ヴィーナス・ネットワークへ、代価を受領し、心より歓迎いたします」
 と、私は言いました。

「では以後は我々の代表としての、天照大神(あまてらす)と話を詰めてください」

 これで惑星ブリタニカの加入は事実上、決定したのです。

 あとはスラスラと、ことは進みます……
 しかし……サリーさんより、驚愕の事実を聞かされました……

 ジョージアナ女王とテロワーニュ皇后の、名誉夫人待遇女史への位につくとのこと。
 女史ですから……しかも独身……将来的には側女から夫人になる……

「姉上様のご決定です、お二人には惑星ブリタニカのシャペロン――あるたんぱく質を指す名前だが、ここでは若い女性が社交界にデビューする際に付き添う年上の女性を意味する、ウィキペディア参照――として、すべての女性を管理していただきます」

「女官長という意味ですか?」
「惑星ブリタニカの女官長との意味です」
「首席女官長はチーフシャペロン、ジョージアナさんになっていただき、テロワーニュさん、サブシャペロンとしてその補佐をお願いいたしました」

「各地域のハレムのシャペロンは未定です」
「クリスティンさんについては、側女となることを認めます、またマッケンジー夫人も側女、クレアさんも貢献を認め側女、中川梅子さんはとりあえず『女孺(にょじゅ)』と認めます、後は当面はそのままとします」

 それにしても何といえばいいのか……姉の横やりがなければ、ありえない人事です……

「ジョージアナ陛下……テロワーニュ皇太后……いいのですか……私は絶対に反対なのですが……翻意しませんか?」
「いいえ、女は美しくなれるなら、何でもするものですよ、それに私は広い世界を見てみたい……お友達も一緒ならなお良しです」

「しかし……名誉夫人待遇女史とは……意味を理解しているのですか……」
「十分理解しています、サリー様から聞きましたが、娘と一緒の方はかなりおられるとか……私たちが死んだことにすれば、それでいいのでは?」
「それに夫人待遇なら十分に若返ると聞いていますし……」

 夫人クラスは、たしか三十歳を条件に歳をとらないはず……
 でも十分に『格子』のリングの力で若返っているはず……それよりも若返りたいの?

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