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第六章 キャロラインの物語 ホットドッグはお好き?

お漏らし事件

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 大観覧車を降りると、ジリアンとアマテラスさんが待っていました。
 興奮気味のジリアン、どうやら横揺れするほう――ルナパークの観覧車は普通のゴンドラと横揺れするゴンドラがあるらしい、作者――のゴンドラに乗ったようです。

「ねぇ、上から眺めていたのだけど、ジェットコースターがサイクロン以外にもあるのよ!どれも乗ってみたいけどチケットは一つしかないわ、どちらにする?」

 ジリアンは次はジェットコースターと決めているようで、キャロラインには、『どのジェットコースター』しか、選択権がないようです。

「もう!ジェットコースターね、そうね、ここはやはりサイクロンよ、ゲストの方には、有名な方に乗っていただかなければ」

 アマテラスさんが、
「チケットなら私が提供するから、二つとも乗りませんか?」
 と、いってくれましたが、キャロラインが、
「嬉しいですが、やはり私たちに、任せていただけませんか?」
 アマテラスさん、心なしか感心したようで、
「それは失礼な事をいいましたね、では『ホステス』さんに、お任せいたします」

 四人はサイクロンと呼ばれるジェットコースターに……
 乗りたいといった二人ですが、実は乗ったことがありません。

「ジリアン、私、どきどきする、白状するけど初めてなのよ!」
「私も……」

 サイクロンは木造、ギシギシときしみながら。坂を上っていきます、もうこの時点で二人は緊張しています。
 そして……
 二人はあらん限りの悲鳴をだして、泣き出しています。
 
 サイクロンは、ギシギシと横揺れしながら、さらに上下し、キャロラインとジリアンの悲鳴を撒き散らしながら、やっととまりました。
 放心状態の二人ですね。

 キャロラインが真っ赤な顔をしながら、セシリーさんに耳打ちをしています。
「アマテラスさま、売店に行ってきます」
 このニューイーグルのルナパークでは、売店で服や下着も売っているようです。

 一応、水しぶきを浴びるアトラクションもありますので、着替えなども用意されているのです。
 どうやらキャロライン、余りに怖かったのか、少しばかり『ちびった』ようなのです。

 それを見てアマテラスさんが、
「私たちも行かない?」
「……」
「大丈夫よ、私たちは『仲間』でしょう、アクシデントがあったときは力を合わせなくっちゃね」

 アマテラスさん、ジリアンを手を握ると、
「セシリーさん、待って!私たちもいくわ!」
 と、声をかけていました。
 ジリアンもキャロライン同様、真っ赤な顔をしていました。

「ジリアン、貴女も……」
 うなずくジリアン、
「怖かったわ……でも、内緒にしてね」
「当然よ、このことは死んでも喋らないと誓うわ、二人の秘密よ!」
 
 突然にジリアンが、
「ねぇキャロライン、ウイッチにはどうすればなれるの?」
「なりたいの?」
 うなずくジリアン。

「ロリータ課程は編入できないけど、このままベティ女子スクールに進学して、メイド任官課程に入るのが一番確実よ」
「私はそのままメイド任官課程に上がるのだけど……ジリアンなら、きっと受かるわ、とても綺麗だし、私よりも賢いもの!」

「私、アマテラスさんにお姉さまになってほしいの、ずっとずっと側にいたいの」
「こんなことになって、アマテラスさんには知られてしまったのよ、それでも優しく気を使ってもらったの」

「手をつないでいただいたとき、お姉さまがいれば、こんな感じなのだと思ったの、だってそうでしょう、粗相をしたのに……」

「私、がんばる!」

 セシリーさんが、子供用のショーツなんて買ってきましたが、二人の会話を聞いていたようです。
「ジリアン、望みが高いわね、でも努力すれば、メイド任官課程に受かると思うわよ、容姿のほうは大丈夫だから、それよりも早く履き替えなさい、かぜを引きますよ」

 ショーツを渡され、あわてて更衣室に入った二人でした。

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