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第五章 ハイデマリーの物語 荒くれの町

標準小型ステーション

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 SS6AE1の説明によれば、チタニアステーションは標準型の小型ステーション、直径五キロで二層構造になっています、表層と第二層の間に内部空間があり、第二層の下、中心部にシェルター領域と、重力発生装置が組み込まれています。

 内殻都市と呼ばれる部分は第二層上にあり、外殻都市と呼ばれる部分は表層にあります。
 さらには外殻都市のある表層の裏、つまり外殻都市の一部でもある、天井都市に光源が設置されていて、内殻都市に光を供給しています。
 表層を支える巨大な支柱の中に、乗降用のエレベーターがあります。

 表層にステーションの駅舎や宇宙港などがあり、いままでナーキッドへの委託となっていましたので、この表層部の外殻都市の一部だけが公開されていたのです。

 今回正式にネットワーク管理になり、管理官が赴任した以上、チタニアステーションは全機能がはじめて稼動を始めたということです。

 いままでの管理は、この動力炉コンピューターが行っていたようで、つまり非常制御モードということのようです。
 SS6AE1はネットワーク管理になり、初めてユニバースより起動されたようです。

「とりあえずは安全は万全ということですか」
「平時においては、住民の安全は確保されています、戦時の場合は、軍用コンピューターにお聞きください」

「軍用コンピューターD387459です、管理官の命令に従います」
 こう云ったのは、ヒューマノイド端末型の戦闘用コンピューター。

 執政官府なら、ミリタリーから軍事参事官が派遣されてくるのですが、管理官府には、このような軍用戦闘コンピューターが代理となるわけです。

 当然といえば当然ですが、女性型で美人ですよ、そのように作られていますのでね。
 D387459は胸が少し寂しいタイプのようです、軍用戦闘コンピューターですので、大きな胸は不要なのでしょう。
 こちらもSS6AE1同様、今回初めて起動したとのことです。

「D387459ねぇ……」

 二体のヒューマノイド型コンピューターによると、陸戦ロボット部隊がかなり配属され、警備は飛躍的に強化されたそうです。

 シェルター領域は軍用領域として、動力炉以外に各種の軍需物資の製造工場、小さいコンバット戦闘艇工場があり、それも稼動、保存倉庫や緊急退避用のシェルターも稼働したようです。

 外殻都市および天井都市、内殻都市も稼動、外殻都市にあるコンテナと呼ばれる宇宙船が製造できるドッグも稼動、内殻都市にある、非常食量などの民生用の製造工場も稼働、稼働したシェルター領域の保存倉庫に備蓄を始めたようです。

 軍事機密事項として、全住民は緊急退避用のシェルターに避難し、表層をノヴァ化することが出来ることも伝えられたのです。

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