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第五十八章 姉上転移
09 寵妃攻勢 其の三
しおりを挟むその頃、ハイドリッヒの未亡人でもある、四人組も一室に集まっていました。
「明日は姉上さまに、ご挨拶をすることになりますが、ここに皆さん集まっていただいたのは、極秘の情報をお知らせして、その対策を立てたいと思ったからです。」
と、シャルロッテさんが口火を切りました。
「極秘情報ってなんですの?」
「クララさん、実はね、巫女様の愛人ですが、あと四枠あるの、知っていますか?」
「これ以上は駄目と聞いていましたが。」
「でもその後で、あの参謀がなったのですよ、今更怒りませんが、あの参謀が巫女様に抱かれるなんて……」
と、シャルロッテさんが、悔しそうにいいました。
コルネリアさんは、
「ハイドリッヒ王のことを考えると、確かに悔しい思いもしますが、いわれるように今更仕方ないでしょう。」
「で、話しは戻りますが、あと四枠って本当なんですか?」
「某女官長さんから聞いたのです。」
「姉上様が、愛人は十五名以内にしなさいと云われたそうです。」
「ということは、姉上様には、愛人枠決定に対する発言力があると思われます。」
「あと四枠、私たちも四人、いわんとすることがおわかりですね。」
「夢を持ちましょう、私は賛成ですわ。」
と、フレデリカさん。
四人組は、夢の実現のための対策を話しています。
似たような会合はジャバでも、パリスでも、夫人さんたちは燃えています。
次の日の朝、思惑が渦巻くイーゼルに、皆さんが集まりました。
そこで姉は、あっさりといいました。
「私も女です、皆さんの気持ちはよくわかります。」
「女は嫉妬を身上とします、これだけの美人が、一人に夜の奉仕をする以上は、色々軋轢もありましょう。」
「皆さんは、閨で妹におねだりしなさい。」
「私の妹は聡明ですので、是々非々は判断できます。」
「寵妃の間での競争は、妹のベッドの中で行いなさい。」
「皆さんは床上手になる必要があります。」
「そのうまい下手で、皆さんの希望はかなえられます。」
「それといっときますが、私はエラムの風習を守ります、だから大勢の寵妃も認めましょう。」
「皆さん、努力してください。」
姉さん、何ということを! 火に油をさすようなものです。
でもあとで、
「洋人さん、これならほかの女に、彼女たちの憎悪は向かないでしょう。」
「努力すれば貴女に、可愛がってもらえるのですから。」
そうとも考えられますが、私はどうなるのですか!
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