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第五十九章 明かされる隠し事
07 どうしてわたし
しおりを挟む「どうして私だったのですか。」
『しもべ』さんは、しゃべりはじめました。
「私はマスターたちの脳波により、本格作動するようにつくられました。」
「私を製造した創造の人々は、内部抗争で衰退してしまい、民族としての力を失い始めました。」
「そのため私は、自動的に管理モードに入りました。」
「そうした中、創造の人々の子孫は、巡り巡ってマスターの地球という星にたどり着いたのです。」
「そして現地の人種と交配してしまい、直系の子孫は、日本という場所にいた人種、その一部にしか血筋が残らなくなりました。」
「宇宙を超えるほどの、科学技術も衰退していき、かろうじてマスターが所属する、宇宙の僻地にいた人々が直系の子孫として残りました。」
「しかし民族としての記憶も薄れ、さらに直系の子孫は減少していきます。」
「管理モードでの私でも、探知程度ならばエネルギーも予備で可能であると計算できたので、注意深く監視していました。」
「私が初めてエラムについた時より、地球の時間単位で7億年ほどたった時、私を製造したマスターたちから感じた、同じ脳波を探知できました。」
「その脳波により、私の各種の装置が起動をはじめたのです。」
「そして託されていた、使命の発動の機会を待ちかまえていました、脳波が安定する時まで待つつもりでした。」
「その脳波の持ち主が、マスターだったのです、マスターの脳波は、ヴァルナ評議会議長と認定されます。」
「それほど強いのです。」
「あなたは私に従うのか。」
『しもべ』さんは、しゃべりはじめました。
マスターに従うことが、私が製造された時点の、根本的な規則で不可侵のものです。
マスターは私を壊す、特権命令をおもちです。
また惑星エラムにたいしても、滅亡させる特権命令をおもちです。
もし特権命令が出れば、惑星改造用の有機物合成超高性能ナノマシン群が、エラムを破壊することになります。
この二つが、第一序列命令の中核であす。
「手紙を書いたのはあなたか。」
『しもべ』さんは、しゃべりはじめました。
その答えはイエスともノーともいえます。
マスターの転移の時、私はエネルギーを失い、スリープモードに移降しました。
その時点で書くことはできません、第二衛星の監視端末へ権限を移譲し、彼が配達をしました、しかし最初の文章は事前に書いていました。
「パスポートキーについて、おしえてください。」
『しもべ』さんの答えを要約すると、
黒の巫女の従者がもつもので、女性だけが登録できる。
もし男性で、パスポートキー登録をさせると、強制的に体を再構成して女性となってしまう。
パスポートキー登録者は、第四序列命令まで権限を持つことができる。
また第三序列命令で守られることになり、自身の怪我などはすぐ治ることができる。
もしなんらかで、登録者が死亡すると、パスポートキーは消滅する。
ちなみに、古代レムリアの大魔道師はこのレベルで、正確にイメージを唱えることができ、『剣(つるぎ)』とよばれていた、キンメリア時代にはこのイメージは伝わっていない。
したがってパスポートキー所有による魔法は、古代レムリアの大魔道師クラスで、キンメリアの最高魔法士よりは上になる。
パスポートキーについての各種情報が、エラムの高位の神官に、伝わるようにしたのは『しもべ』さんである。
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