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第六十四章 情事日程その一

05 十五人枠は決まり

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 浴槽で、
「ヴィーナス様、本日はありがとうございます、夫に代わり、御礼申し上げます。」
「また本日の予定の代わりは、後日お知らせします。」

「ヴィーナス様、私の時も、あのように治療して下さったのですか?」
「あの時は、私の魔力も少なく、扱いもたどたどしく必死でしたよ。」

「でも私は苦しい息の下、私たちを迎え入れてくれた、貴女を助けたかった。」
「今から思えば、あの一件は、以後このエラムでおこった出来事を、象徴していたように思えます。」

「貴女がいなければ、私はサリーさんをつれて、エラムの明日に、終わりを選択していたかも知れません。」
「貴女が私を、エラムに肩入れさせたのでしょう。」

「ヴィーナス様、このアンリエッタ、どこまでもお仕えします。」
「それはピエールさんにいってね、でも、ここだけの話ですが、ピエールさんに妻として仕え終えたら、私と長き時を一緒に過ごして欲しい。」

「妻の座、愛人の座は、あと一枠残っているのですから……」
「私の時は長い、結構気長に待てますよ。」

「それに貴女とサリーさんと、あとアナスタシアさんがいなければ、私はどうなることやら。」
「皆さん、生活能力という点では落第点です、姉などもかなり困ったちゃんです、面倒みてください。」

「こんな私でよろしいので……」
「姉も私も、愛人一同想いは同じです。」
「今日、ロキさんは助けることが出来ましたが、人の寿命は私といえど、どうにもできません。」

「だからいつか、大事な方とのお別れがきます、その後は、私に余生を捧げてほしい。」
「イシス姉さん、貴女もそう思っているでしょう。」

 イシス姉さんは、どこでも出てきますので、このような場所でも素っ裸で出てきました。
「私もその湯船にはいるわ。」
 三人ピッタリとくっつくことになりました。

 そして姉が、アンリエッタさんの耳元で、
「私からも頼みます、アナーヒターのいう通り、生活能力は皆無の女たち、アナーヒターなんか、生理の処置の仕方も、下手なのですから……」

「イシスさん!」
 私の声が、浴室に鳴り響きました。

 アンリエッタさんは承諾しました。
 これで十五人の枠は決まりましたが、アンリエッタさんの件は、ピエールさんがお墓へ入るまで秘密です。
 しかし扱いは愛人と同じですが、一般には空席の麗人とさせていただきます。

 アンリエッタさんの首には、銀色のチョーカーが燦然と輝き、その魔力はどの異空間倉庫も通れるようになります。
 また特別に、愛人が使える大小のカバン、そしてカタログシステムも使用できるようにしました。
 薫さんもマレーネさんも、そのことに対して了承しました。

 ただエラムで使用するので、チケットは二倍増です。
 御座所で使うことを勧めました。
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