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第六十七章 平和な日々の始まり
05 帝国陸軍女性用軍服
しおりを挟む女官長さんたちが、遠巻きに佇んでいます。
「アンリエッタ様、本当にお似合いですね、お二人の神々しいこと。」
「私たち、姉上様が黒の女神様で、巫女様がさらなる主筋の方と聞いて、もう本当に驚くばかり……」
と、ニコル女官長が小声で云いました。
「本当によくお似合いで、でもその巫女様に、私たちはご寵愛を受けているなんて……」
と、アンリエッタさんが答えます。
「本当は夫に自慢したいところですが……私も口が滑りかかったことがありますが、突然に言葉がでなくなりました、アポロが怪訝な顔をして、ごまかすのに苦労しました。」
エーデルガルトさんがシルビアさんに、
「巫女様のお召し物って、飾りが少ないのにすごく美しく見えます、私が着たら似合うかしら。」
「どうでしょうか、私も着てみたいのですが似合うかどうか……不思議なお召し物ですから……」
「みていると胸がドキドキして……、死んだ主人にも感じなかったのに、これって恋なのかしら。」
「それより今夜、野宿とのこと、サリー様とお二人での、初めての夜にサリー様が、巫女様を誘惑したという噂がありますけど、本当なら羨ましいわ、私がサリー様の代わりに選ばれていたら……」
「シルビアさんなら、巫女様を押し倒すのではありませんか?そんなことをすれば、ぶちのめされるのでは……」
「やはり女の武器を全開にしなければね、でも苦手でしょう?」
「否定出来ないですね……」
「私、夜の順番が待ち遠しくて、我慢できないので、お昼にお会いした時に、側女のように抱いてもらえないかと……」
「そのためには貴女がおっしゃるように、女の武器を磨かなければと……だれか教えてくれないかと思うのです。」
「サリー様やアナスタシア様にお願いしたいのですが、はばかれまして。」
「私たち、青や赤の女は、抱いていただけるのは巫女様だけ。」
「もっとも他の者に抱かれるぐらいなら、死んだ方がいいですが。」
エーデルガルトさんが、
「私は長く孤児院を運営し、色々な親を見てきました、巫女様は私から見ても、大変優しい母親でいらっしゃいます。」
「しかし、時折お見せになる厳しさは、父親の厳しさ、どこかに私たちのことを思って、厳しくなされます。」
「そして、夫としての威厳もお持ちです、私はそこに、巫女様の本質は男と実感するのです。」
「だから巫女様の御前にまかり出ると、子供はなつきそして従い、男はつい甘え、女は胸をときめかせる。」
「シルビアさんが、そう思われるのも、もっともなこと、私なんか、すぐに足を開きそうになりますから。」
と笑いました。
シルビアさんが、
「エーデルガルトさん、貴女って素晴らしい方ね、これかも親しくさせてくださいね。」
仲良しさんが増えたようです。
女官長さんたちの話しは、何となく聞こえていましたが、まあ盗聴はモラルに反しますので、聞こえないふりです。
「さて、早めに夜営地へいきましょうか、キャンプですよ、今日は私が料理を作りますから。」
さて夜営地へいきますか。
ここから夜営地の道は、完全に整備されています、石畳の道がうねうねと続いています。
サリーさんと昔歩いた時は、セーラー服で歩くのが大変でしたが、いまはピクニックコースです。
セーラー服は機能的なものですから、このくらいなら大丈夫でしょう。
女官長さんたちは、明治天皇の皇女さんが着た、帝国陸軍唯一の女性用軍服、肋骨服と長めのスカート、ブーツを履いています。
女官長さんは美女ぞろい、野外活動の服を、この日のために定める時、頭をよぎったのがこの軍服姿の皇女さんの写真でした。
美女が着ると本当にかっこいいですね、萌え萌えというやつになりそうです。
これは完全に私の趣味でもあります。
この服、女官長補佐の、女史辺りにも配ろうかとおもっています。
でもこの萌え萌えの制服を着られたら、女史さんに手を出しそうで……ちょっとよく考えましょう。
姉がやってきて、
「ヒロト、この格好、趣味でしょう、皆さん、黒の巫女さんはこの制服姿に弱いのですよ、姉の私が保障します。」
大きな声で云うものですから、皆さん、こちらを見ました。
目つきが一瞬ですが、肉食獣のような……特にシルビアさん、危ないオーラが……
私はカバンを駆使して、ファミリー用のワンタッチテントを五張り、二人用を一張り出しました。
皆さんを集めて、一張り設営して見せました、まぁこれは姉と薫、マレーネ組にいたしましょう。
後は籤引で四チームを決め、それぞれのチームにワンタッチテントを渡します。
アンリエッタ、バーバラ、エリザベートの組
ニコル、アリアドーネ、ドロシーの組
アンジェリーナ、ロランス、シルビアの組
フローラ、ロジーナ、エーデルガルトの組となりました。
ツインのエアベッドとシングルのエアベッドを各組に一つずつ、足踏み式のポンプ内臓のものです。
インナーシーツと寝袋も各組に三つずつ渡しました。
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