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第二章
天使ふたり
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◇
「ミリィお姉さんこのお花は?」
「えーと、これはガーリエレの花ですわね。疲労の回復が…うーん、元気になる薬草ですわ」
「やくそうってなに?」
「え?そうねぇ、薬草っていうのはお薬のもとと言えばいいかしら?あ、ロビンはお薬は平気?」
「おくすりきらい!」
「あら、わたくしもよ。一緒ね!」
ベアトリーチェの庭園にある虹色の小さい花の前でしゃがみこんでいたミリアムとロビンは「いっしょだね!」と言うと微笑み合った。
手を繋いで再び散策を続ける。ロビンはこの世界の植物が物珍しいのか、しきりにミリアムに尋ねてくるが、効能を教えようとすると難しい言葉になる為、かみ砕いて教える。
そんな事もあり、ロビンはこの短時間でミリアムにとても懐いていた。
その様子はまるで歳の離れた姉と幼い弟の様だった。
そんな二人をテラスの円卓から温かい目で見守る男が二人。
「俺の天使が幼い天使と戯れている。素晴らしい光景だな。絵師を呼んで残しておくべきか…?」
「お、おう。ところでミリアム嬢はなぜあんなに植物に詳しいんだ?」
レオナルドの妹溺愛発言に若干引きつつ、エミリオが尋ねる。
「ミリィは幼い頃から一つのジャンルに凝りだすと深堀する質なんだ。一時期植物図鑑に凝っていた事があって、ありとあらゆる図鑑を読んでいた。その時に得た知識だろうな。おかげで我が家の書斎の植物図鑑はかなりの充実ぶりだ」
「ちゃんと身についているところが偉いな」
「…ち、ちなみに今凝っているのは「サボってんじゃないわよ!この青二才ども!」」
エミリオがミリアムの情報を得ようとしたところ、円卓の向かい側から喝を入れられる。
レオナルドがベアトリーチェの邸に着いたのは約一刻ほど前。
すぐにミリアムを馬車に乗せてカパローニ邸に帰そうとしたが、ヴァレリアによって阻止それた。
『子供に気を取られて全然話を聞かない奴がいるから、ミリィを子守要員で貸しなさい!』
国で最も尊ばれる救国の魔女に請われれば、断ることは難しい。
レオナルドは渋々了承し、連れてきた従僕を知らせに奔らせた。
今回の異世界転移は人為的に行われていたが、手掛かりが乏しいため議会に持ち込む前に担当者である第一王子エミリオとその側近レオナルド、3人の救国の魔女で情報を整理、精査することにした。
「犯人は“赤いローブの集団”。考えられる特徴はかなり魔法に精通している奴が一人ないし複数いる。時空転移に必要な魔力量を考えると最低でも10~20人は魔力のある人間が関わってる可能性があるわ」
「魔力のある人間が減ってきている昨今で10~20の人間を集めるとは…。かなり大規模な組織なのか?」
そもそも魔力のある人間は減少傾向にある。その為、国で保護して管理すべきかどうかと度々議論の対象にもなっている。そんな中で10~20の人間を集めるのは至難の業だ。かなり大規模な募集活動でも行わない限り難しいだろうが、そんな事をすればかなり目立ってしまう。
「とすると、何か別の方法を使ったのかしらぁ?」
考え込む魔女たちを横目にエミリオはここ最近の会議の議題でよく挙がっている、とある団体について思い出していた。
【真・救国神教】。国内外でその人数をじわじわと増やしている新興宗教団体だ。
救国の魔女による建国の歴史を王家による捏造とし、真に魔境を退けたのは救国神であり、その末裔だとされる人物が教祖を務めている。
そして、そのイメージカラーが“赤”だった。
だが、赤いローブの団体がその者たちと断定するにはまだ材料が足りない。
「魔力を増幅させる方法は難しいが、消費する魔力を抑える方法には心当たりがあるぞ」
エレオノーラは自分のローブを広げ、内側の刺繍を指差す。
「「あー!」」
ベアトリーチェとヴァレリアは同時に声を上げる。
エミリオとレオナルドは訝しげな表情を浮かべる。
「なんです?」
「黒龍の髭と漆黒の魔石よぉ」
レオナルドの問いにベアトリーチェが答える。だが、そのもの自体を知らないエミリオとレオナルドは困惑する。
「【黒龍の髭】と【漆黒の魔石】は魔境に生息している黒龍と言う大型の魔獣から取れる素材なんだが、これらは【魔素】と呼ばれる“魔力の欠片”の様なものを多量に含んでいる」
「つまり、自分の魔力を使わずに魔法を行使することが可能になるわけ。僅かな魔力しか使わない簡単な魔法なら誰にでも使えるようになるし、大規模な魔法は自前の魔力を節約できるってわけ」
黒龍は200年周期で老体が渓谷に現れる。老体とは言え、並の戦力では歯が立たないため、エレオノーラと王国の騎士団が連携して駆除し、入手した素材は研究分以外を市場に流す。
数は少ないのでかなり貴重な素材だ。魔力を持たないエミリオやレオナルドが知らないのも無理はない。
「先日現れた若い個体の件も、もしかしたら繋がっている可能性が高いな」
「何者かが手引きしたってこと?」
「可能性は充分よねぇ」
黒龍が間違って人里に出てくれば大惨事が想像に難くない。もし、人為的に呼び寄せたのだとしたらかなりの重罪だ。
「一つに繋がっていると考えるべき?」
「もう少し情報があればな…」
エミリオは会話を聞きながら、確信は持てないが【真・救国神教】についても情報を共有した方が良いだろうと考え、3人に件の新興宗教団体について報告した。
「確かにきな臭い団体ね。一応頭の隅に入れておくわ」
「今分かってるのはこれくらいかしらねぇ。また何か分かり次第集まりましょう」
話が一段落した所で、ミリアムとロビンが帰ってきた。ロビンは疲れたのか、目を擦ったり欠伸を噛み締めたりしている。
「あの、ロビンがもう眠いようです。ふふ。手が温かくなってきていますわ」
ロビンの小さな手を優しく包みながらミリアムは微笑む。その様子を見たエミリオとレオナルドは手で目を覆いながら天を仰いだ。
「レオ…、先程のお前の意見に完全に同意する。ミリアム嬢は…天使だ…」
「友よ、わかってくれるか…」
「はいはいキモいキモい。ロビン、待たせて悪かったわね。邸に帰るわよ」
第一王子と次期侯爵にとんだ暴言を投げかけ、ヴァレリアはロビンに手を差し伸べる。
ロビンはその手を握り返すが、ミリアムの手をなかなか離そうとしない、たった一人見知らぬ世界に連れ出された寂しさからか、懐いた人間から離れたくないようだった。
「ミリィお姉さんもいっしょがいいよ…」
ロビンはヴァレリアとミリアムに訴えかけると、二人は速攻で折れる。
「そこの金髪青二才!ミリアム一晩貸しなさいよ」
「ダメでしょうか、お兄様…」
またもや暴言を投げかけるヴァレリアと、上目遣いで訴えるミリアムに、レオナルドは困惑する。
「そ、その金髪青二才と言うのはもしかしなくても俺の事でしょうね。ああ!ミリィにそんな目で見られると弱るな。どうしたものか…」
「お願いします!お兄様!」
「仕方が無いな!ご迷惑をおかけしないようにな」
再びの上目遣いのミリアムにレオナルドもすぐに折れた。
「ミリィお姉さんこのお花は?」
「えーと、これはガーリエレの花ですわね。疲労の回復が…うーん、元気になる薬草ですわ」
「やくそうってなに?」
「え?そうねぇ、薬草っていうのはお薬のもとと言えばいいかしら?あ、ロビンはお薬は平気?」
「おくすりきらい!」
「あら、わたくしもよ。一緒ね!」
ベアトリーチェの庭園にある虹色の小さい花の前でしゃがみこんでいたミリアムとロビンは「いっしょだね!」と言うと微笑み合った。
手を繋いで再び散策を続ける。ロビンはこの世界の植物が物珍しいのか、しきりにミリアムに尋ねてくるが、効能を教えようとすると難しい言葉になる為、かみ砕いて教える。
そんな事もあり、ロビンはこの短時間でミリアムにとても懐いていた。
その様子はまるで歳の離れた姉と幼い弟の様だった。
そんな二人をテラスの円卓から温かい目で見守る男が二人。
「俺の天使が幼い天使と戯れている。素晴らしい光景だな。絵師を呼んで残しておくべきか…?」
「お、おう。ところでミリアム嬢はなぜあんなに植物に詳しいんだ?」
レオナルドの妹溺愛発言に若干引きつつ、エミリオが尋ねる。
「ミリィは幼い頃から一つのジャンルに凝りだすと深堀する質なんだ。一時期植物図鑑に凝っていた事があって、ありとあらゆる図鑑を読んでいた。その時に得た知識だろうな。おかげで我が家の書斎の植物図鑑はかなりの充実ぶりだ」
「ちゃんと身についているところが偉いな」
「…ち、ちなみに今凝っているのは「サボってんじゃないわよ!この青二才ども!」」
エミリオがミリアムの情報を得ようとしたところ、円卓の向かい側から喝を入れられる。
レオナルドがベアトリーチェの邸に着いたのは約一刻ほど前。
すぐにミリアムを馬車に乗せてカパローニ邸に帰そうとしたが、ヴァレリアによって阻止それた。
『子供に気を取られて全然話を聞かない奴がいるから、ミリィを子守要員で貸しなさい!』
国で最も尊ばれる救国の魔女に請われれば、断ることは難しい。
レオナルドは渋々了承し、連れてきた従僕を知らせに奔らせた。
今回の異世界転移は人為的に行われていたが、手掛かりが乏しいため議会に持ち込む前に担当者である第一王子エミリオとその側近レオナルド、3人の救国の魔女で情報を整理、精査することにした。
「犯人は“赤いローブの集団”。考えられる特徴はかなり魔法に精通している奴が一人ないし複数いる。時空転移に必要な魔力量を考えると最低でも10~20人は魔力のある人間が関わってる可能性があるわ」
「魔力のある人間が減ってきている昨今で10~20の人間を集めるとは…。かなり大規模な組織なのか?」
そもそも魔力のある人間は減少傾向にある。その為、国で保護して管理すべきかどうかと度々議論の対象にもなっている。そんな中で10~20の人間を集めるのは至難の業だ。かなり大規模な募集活動でも行わない限り難しいだろうが、そんな事をすればかなり目立ってしまう。
「とすると、何か別の方法を使ったのかしらぁ?」
考え込む魔女たちを横目にエミリオはここ最近の会議の議題でよく挙がっている、とある団体について思い出していた。
【真・救国神教】。国内外でその人数をじわじわと増やしている新興宗教団体だ。
救国の魔女による建国の歴史を王家による捏造とし、真に魔境を退けたのは救国神であり、その末裔だとされる人物が教祖を務めている。
そして、そのイメージカラーが“赤”だった。
だが、赤いローブの団体がその者たちと断定するにはまだ材料が足りない。
「魔力を増幅させる方法は難しいが、消費する魔力を抑える方法には心当たりがあるぞ」
エレオノーラは自分のローブを広げ、内側の刺繍を指差す。
「「あー!」」
ベアトリーチェとヴァレリアは同時に声を上げる。
エミリオとレオナルドは訝しげな表情を浮かべる。
「なんです?」
「黒龍の髭と漆黒の魔石よぉ」
レオナルドの問いにベアトリーチェが答える。だが、そのもの自体を知らないエミリオとレオナルドは困惑する。
「【黒龍の髭】と【漆黒の魔石】は魔境に生息している黒龍と言う大型の魔獣から取れる素材なんだが、これらは【魔素】と呼ばれる“魔力の欠片”の様なものを多量に含んでいる」
「つまり、自分の魔力を使わずに魔法を行使することが可能になるわけ。僅かな魔力しか使わない簡単な魔法なら誰にでも使えるようになるし、大規模な魔法は自前の魔力を節約できるってわけ」
黒龍は200年周期で老体が渓谷に現れる。老体とは言え、並の戦力では歯が立たないため、エレオノーラと王国の騎士団が連携して駆除し、入手した素材は研究分以外を市場に流す。
数は少ないのでかなり貴重な素材だ。魔力を持たないエミリオやレオナルドが知らないのも無理はない。
「先日現れた若い個体の件も、もしかしたら繋がっている可能性が高いな」
「何者かが手引きしたってこと?」
「可能性は充分よねぇ」
黒龍が間違って人里に出てくれば大惨事が想像に難くない。もし、人為的に呼び寄せたのだとしたらかなりの重罪だ。
「一つに繋がっていると考えるべき?」
「もう少し情報があればな…」
エミリオは会話を聞きながら、確信は持てないが【真・救国神教】についても情報を共有した方が良いだろうと考え、3人に件の新興宗教団体について報告した。
「確かにきな臭い団体ね。一応頭の隅に入れておくわ」
「今分かってるのはこれくらいかしらねぇ。また何か分かり次第集まりましょう」
話が一段落した所で、ミリアムとロビンが帰ってきた。ロビンは疲れたのか、目を擦ったり欠伸を噛み締めたりしている。
「あの、ロビンがもう眠いようです。ふふ。手が温かくなってきていますわ」
ロビンの小さな手を優しく包みながらミリアムは微笑む。その様子を見たエミリオとレオナルドは手で目を覆いながら天を仰いだ。
「レオ…、先程のお前の意見に完全に同意する。ミリアム嬢は…天使だ…」
「友よ、わかってくれるか…」
「はいはいキモいキモい。ロビン、待たせて悪かったわね。邸に帰るわよ」
第一王子と次期侯爵にとんだ暴言を投げかけ、ヴァレリアはロビンに手を差し伸べる。
ロビンはその手を握り返すが、ミリアムの手をなかなか離そうとしない、たった一人見知らぬ世界に連れ出された寂しさからか、懐いた人間から離れたくないようだった。
「ミリィお姉さんもいっしょがいいよ…」
ロビンはヴァレリアとミリアムに訴えかけると、二人は速攻で折れる。
「そこの金髪青二才!ミリアム一晩貸しなさいよ」
「ダメでしょうか、お兄様…」
またもや暴言を投げかけるヴァレリアと、上目遣いで訴えるミリアムに、レオナルドは困惑する。
「そ、その金髪青二才と言うのはもしかしなくても俺の事でしょうね。ああ!ミリィにそんな目で見られると弱るな。どうしたものか…」
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