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4.同じ大学に受かったら
しおりを挟む私は先生のことが好きだ。中学3年生の頃、志望校の文化祭に行ったときに、先生を見かけた。一目惚れだった。
なんとかその学校に受かることができ、1年生のときの担任は私の好きな先生だった。
校舎で先生を見かけたらすぐ挨拶をし話しかけた。何か手伝えることありますか?と先生をサポートした。バレンタインでは先生にだけガトーショコラを作り、ハートを描いたメッセージカードも入れた。
そして、本気だと思われてないと思うが、先生によく好きと言っていた。
2年生の頃、志望する大学を書くシートを渡された。私は迷わず、先生の出身の大学を書いた。
第一志望から始まり全部の枠にその大学名を書いたため、さすがに書き直しを要求された。
3年生の私は模試の結果を見ていた。判定は微妙で、自信がない。3年生では担任が違う先生なので、ヤル気も起きない。
私は階段を降り、ある教室へ向かった。その教室とは今先生が担任を持っているクラスだ。
教室では先生が一人で仕事をしていた。
「先生。」
「お!桜田!どうした?」
私は見てと言わんばかりに模試の結果を先生に渡した。先生は模試の結果を見ると、目を細めながら顎を触った。
「うーん。桜田は国語が苦手なんだよな。特に古典。」
「はい。」
「でも、桜田は頑張り屋さんだから。俺は桜田がいつもちゃんと勉強してること知ってるよ。桜田の努力はきっと報われるよ。」
「自信もないし、ヤル気も起きないんです。だから、最近集中できなくて…。」
「そうだったのか…どうしたら桜田は自信が取り戻せるかな?桜田はどういうときにやる気が起きるの?」
私はスカートをぎゅっと握った。
「私が先生と同じ大学に受かったら、私と付き合ってください。」
先生はきっと驚くと思っていた。でも、先生の表情はあまり変わらなかった。私の気持ちに気づいていたのだろうか。
少し間を開けたあと、先生は笑顔を作り頷いた。
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