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第二の語り
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「とにかく、ここは気味悪いし、出るわ」
「…」
「ん?何て?」
「すまん、何か電波が悪いみたいや、ここ」
「ああ、とにかく、俺は一旦ここ出んで」
「もうちょい見てったらどうや」
「アホウ、気分悪なるわ」
「せやな」
「せや言うたら田村、東京での暮らしはどないやねん」
「えらいいきなりやな。まあそれなりにやっとるわ」
「もう東京行って何年目になるんや?」
「三年ってとこやな」
「もうすっかり東京人やないか。まあ、たまには帰ってきて顔見せてくれな」
「勿論や」
「ほんで、あの子とはまだうまくやっとんのかいな」
「あの子?」
「ほら、お前が大学から付き合うとった女の子や」
「え?ああ、もうとっくに別れとるわ、そんなもん」
「ええ、ほんまかいな。あんなにええ感じやったのに」
「そういうこともあるんや」
「えらいお前らしない冷めたこと言うねんなぁ」
「そういう訳やあらへんけど…」
「俺も五年前までは恋愛でも何でもやっとったけど、もうあれからは、何ちゅうか、何しても引っかかってまうんや。そもそも、あの人がこないな”爆弾”を買うたんがようなかったんや」
「そない言うたら、手伝いなんて断れば良かったやないか」
「…」
「おい?どうした?」
「うわっ!台所もえらいこっちゃ!」
「何だ。何か見つけたんか?」
「調理台の上にぎっしり置かれとんのや、あの人形が」
「台所に何でまた」
「知らんがな。ああ、ほんまにどういう心算やねん、この人形は」
「いっぺんよう見てみたらでやねん、その人形」
「よう見る?」
「いや、ほんまに全部同じ人形なんかいな思て」
「確かに、ちょっと見て…うわっ!」
「何や」
「人形が何個かいきなり落ちてきよったで」
「お前が触ったんか」
「いや、何もしてへん。いきなりバサッと落ちてきよったんや」
「どういうことやねん、それ」
「うわっ!この人形…」
「何か変なとこあったんか」
「こいつ、手にナイフ持たされとるで」
「何やて!?」
「ほんまに、誰がこないなしょうもないことしよったんや。悪趣味もええとこやで」
「やっぱり誰かがそこに忍び込んでそないなことしとるんか」
「そうとしか考えられへんやろ。何の心算や知らんけど、台所やから言うてこないな危ないモン持たせてやな。まるで何かの映画に出てくるやつやないか」
「何でそないな手間の掛かることする奴がおるんだ」
「その通りや。ほんまどんな神経しとんねんっちゅう話やで」
「それ、どんな人形なんや?」
「どないな言われても、全部片目抜けてる以外は普通のどこにでもあるようなやつや。どんな女の子でも持っとるようなやっちゃ。結構色が剥げてきとんなぁ」
「年季入った人形なんか」
「せやなぁ、何か使い古されたような…おい、ちょっと静かにせぇ」
「ん?」
「何か上から聞こえんのや。ぱさぱさって微かな音やけどな」
「風か何かと違うんか」
「せや言うたらそんな気もするけど、何かちゃう気もすんねん。あっ、ほらまた。何かで床を擦ってるみたいな音や」
「上っちゅうことは二階か」
「せやな。もしかしたら上に何かおんのかもしれんで」
「そらえらいこっちゃ。せやけど、いっぺん確認しに行った方がええんとちゃうか?お前今台所っちゅうことは、その先にはもう階段くらいしかあらへんやろ?」
「えらいよう覚えてんねんな。やっぱトラウマいうのがあるもんなんか」
「せやな。トラウマやからこそ、覚えとんねん」
「確認いうたかて…あっ、またや。また何か音しよんで」
「またかいな」
「何か歩いてるみたいな音やな。何か怖なってきたけど、せっかくこないなところまで来たんやから、二階を見ん訳にもいかんわな」
「せやな」
「よう考えたら、五年前、宮上さんは俺ら逃がして、二階であの変なバケモンを食い止めとようとしとったんやったよな。あの黒いのが出て来よったんも二階やった」
「せやったせやった」
「正直、二階に行くのは怖いわ。あの時も、一階まではまだ大丈夫やったけど、二階でよう分からん黒い影みたいなんが出てきて…」
「そないなこと言うても、今はまだそんなん見てへんねやろ?」
「まあ、そう言うたらせやな。二階に行かんと、宮上の追悼にもならんしな」
「せやな」
「うわっ!何や!」
「…どないした?ごっつい音したけど…」
「あの人形が、階段から落ちてきよったんや…」
「…」
「ん?何て?」
「すまん、何か電波が悪いみたいや、ここ」
「ああ、とにかく、俺は一旦ここ出んで」
「もうちょい見てったらどうや」
「アホウ、気分悪なるわ」
「せやな」
「せや言うたら田村、東京での暮らしはどないやねん」
「えらいいきなりやな。まあそれなりにやっとるわ」
「もう東京行って何年目になるんや?」
「三年ってとこやな」
「もうすっかり東京人やないか。まあ、たまには帰ってきて顔見せてくれな」
「勿論や」
「ほんで、あの子とはまだうまくやっとんのかいな」
「あの子?」
「ほら、お前が大学から付き合うとった女の子や」
「え?ああ、もうとっくに別れとるわ、そんなもん」
「ええ、ほんまかいな。あんなにええ感じやったのに」
「そういうこともあるんや」
「えらいお前らしない冷めたこと言うねんなぁ」
「そういう訳やあらへんけど…」
「俺も五年前までは恋愛でも何でもやっとったけど、もうあれからは、何ちゅうか、何しても引っかかってまうんや。そもそも、あの人がこないな”爆弾”を買うたんがようなかったんや」
「そない言うたら、手伝いなんて断れば良かったやないか」
「…」
「おい?どうした?」
「うわっ!台所もえらいこっちゃ!」
「何だ。何か見つけたんか?」
「調理台の上にぎっしり置かれとんのや、あの人形が」
「台所に何でまた」
「知らんがな。ああ、ほんまにどういう心算やねん、この人形は」
「いっぺんよう見てみたらでやねん、その人形」
「よう見る?」
「いや、ほんまに全部同じ人形なんかいな思て」
「確かに、ちょっと見て…うわっ!」
「何や」
「人形が何個かいきなり落ちてきよったで」
「お前が触ったんか」
「いや、何もしてへん。いきなりバサッと落ちてきよったんや」
「どういうことやねん、それ」
「うわっ!この人形…」
「何か変なとこあったんか」
「こいつ、手にナイフ持たされとるで」
「何やて!?」
「ほんまに、誰がこないなしょうもないことしよったんや。悪趣味もええとこやで」
「やっぱり誰かがそこに忍び込んでそないなことしとるんか」
「そうとしか考えられへんやろ。何の心算や知らんけど、台所やから言うてこないな危ないモン持たせてやな。まるで何かの映画に出てくるやつやないか」
「何でそないな手間の掛かることする奴がおるんだ」
「その通りや。ほんまどんな神経しとんねんっちゅう話やで」
「それ、どんな人形なんや?」
「どないな言われても、全部片目抜けてる以外は普通のどこにでもあるようなやつや。どんな女の子でも持っとるようなやっちゃ。結構色が剥げてきとんなぁ」
「年季入った人形なんか」
「せやなぁ、何か使い古されたような…おい、ちょっと静かにせぇ」
「ん?」
「何か上から聞こえんのや。ぱさぱさって微かな音やけどな」
「風か何かと違うんか」
「せや言うたらそんな気もするけど、何かちゃう気もすんねん。あっ、ほらまた。何かで床を擦ってるみたいな音や」
「上っちゅうことは二階か」
「せやな。もしかしたら上に何かおんのかもしれんで」
「そらえらいこっちゃ。せやけど、いっぺん確認しに行った方がええんとちゃうか?お前今台所っちゅうことは、その先にはもう階段くらいしかあらへんやろ?」
「えらいよう覚えてんねんな。やっぱトラウマいうのがあるもんなんか」
「せやな。トラウマやからこそ、覚えとんねん」
「確認いうたかて…あっ、またや。また何か音しよんで」
「またかいな」
「何か歩いてるみたいな音やな。何か怖なってきたけど、せっかくこないなところまで来たんやから、二階を見ん訳にもいかんわな」
「せやな」
「よう考えたら、五年前、宮上さんは俺ら逃がして、二階であの変なバケモンを食い止めとようとしとったんやったよな。あの黒いのが出て来よったんも二階やった」
「せやったせやった」
「正直、二階に行くのは怖いわ。あの時も、一階まではまだ大丈夫やったけど、二階でよう分からん黒い影みたいなんが出てきて…」
「そないなこと言うても、今はまだそんなん見てへんねやろ?」
「まあ、そう言うたらせやな。二階に行かんと、宮上の追悼にもならんしな」
「せやな」
「うわっ!何や!」
「…どないした?ごっつい音したけど…」
「あの人形が、階段から落ちてきよったんや…」
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