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第二の語り
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「また人形か」
「ああ、今度も上から落ちてきよった。この浴室の上にでも置いてあったんやろ」
「誰がそんなことを…」
「うわっ、よう見たらこの浴槽の中に、びっしり詰まってんで、人形が」
「誰がそないなことを…」
「ああ、もう気味悪ぅてしゃあない。すまん宮上さん、一旦出るわな」
「その宮上さんのことはどないすんねん」
「やっぱり、警察に言うべきやろ。あん時、警察は全く取り合うてくれんかったけど、こんだけのモンがあれば、流石に動かざるを得んやろ」
「せやな…」
「あっ、また音すんで。下からや。ちょっと静かにせぇ」
「…」
「今度は、何かが落ちるみたいな音や。ああ、もう怖いわ」
「やっぱり、その家は普通やないねんて」
「…せやな。もう五年も経ったら大丈夫やろ思たけど、寧ろ悪化しとんのかもしれへん。訳の分からん人形やら何やら…いや、せや言うても、俺は五年前、俺は荷物運んだ時から違和感は感じとったで」
「やっぱり、もう帰った方がええんとちゃうか」
「ああ、俺もそう思てたところや。せやけど、さっきから一階で変な音してるしやなぁ…」
「そうやな…ん?何の音や…?」
「浴室の方から…うわっ!何や、何やねん、お前ら」
「おい、どないした」
「ぎゃああああ!えらいこっちゃ!」
「おい、何が…」
「来んな、何やねん、お前ら…!」
「おい、どうした、凄い音したけど…」
「ドアを閉めたんや。あの人形が、浴室から出てきよった」
「何を言うてんねん、それはほんまなんか」
「ほんまや。懐中電灯でパッと照らしたら、のそのそと出てきおったんや。ほんで、あの片目が、何やおかしな色を…」
「…やっぱり、その家…」
「下からも何か聞こえるで。もしかしたら、下の人形も…」
「動き出すっちゅうんかいな」
「ああ、もうどないしたらええねん。やっぱりこんなとこ入るんやなかった」
「兎に角、早う逃げた方がええ」
「逃げ言うても…あっ!あかん、階段の方まで…」
「おい、大丈夫か?」
「くそっ!こうなったら…」
「おい、どないした?」
「…」
「どないした、大丈夫なんか?」
「…」
「おい、おい」
「…」
「何があったんや、何か返事せえ、頼むから」
「…」
「おい、どういうことや」
「おい、どういうことや」
「…」
「おい?何があったんや」
「パパ。何でここにいるの?」
「何や…?」
「ねえ。パパ達はどこに行っちゃったの?」
「誰やねんな、お嬢ちゃん」
「どうして戻って来てくれなかったの?」
「だから、そないなこと言われても…おい、田村。どないしたんや、田村」
「ママはあんなに優しいのに、パパがおかしくしたんだ」
「お嬢ちゃん、そんなん俺に言うたかて…すまんけど、田村に代わってくれへんか?」
「どうして私を置いていったの?」
「ああ…あかん、あいつらこのドア破る気なんかいな」
「パパはいつから私を嫌いになったの?」
「えらいこっちゃ…ここのドアがやられてもたら…」
「もう会えないの?ずっとこの家で一人で待てばいいの?」
「くそっ…もうやられるしかあらへんのか…」
「何でパパはあんなおかしな目をしてたの?」
「あかん、懐中電灯まで切れてもうた」
「どうしてあんな怖い顔をしてたの?」
「…ん?ここやったらいけるんと違うか」
「ママと何を話してたの?」
「よっしゃ、これでひとまずは安心や」
「どうしてあんなものを持っていたの?」
「ほんで、お嬢ちゃんはどないしてんな、さっきから」
「それで、ママを連れていったの?」
「どないしたんや。いっぺん落ち着き」
「パパはあんなにママのことが好きだったよね?」
「すまん、そんなん言われても、俺には分からへん。ちょっとでええから、田村に代わってくれへんか?」
「…」
「もしもし…?」
「あっ、私の人形に触らないで」
「あかん、ついにあいつら部屋に入ってきよったで」
「パパ?やめてよ。何するの?」
「こっちやったら、ここから隣の部屋に繋がっとんのか」
「それ私の大事な人形だよ?なんでそんなことするの?ねえ、おかしくなっちゃったの?」
「よっしゃ、こっちの扉開いとんで」
「やめて、ねえ、ママ呼ぶよ?」
「よし、何とかこれで…」
「ねえ、何してるの?ほんとに止めてって言ってるよね?」
「おい、そろそろお嬢ちゃんも…」
「ああ、今度も上から落ちてきよった。この浴室の上にでも置いてあったんやろ」
「誰がそんなことを…」
「うわっ、よう見たらこの浴槽の中に、びっしり詰まってんで、人形が」
「誰がそないなことを…」
「ああ、もう気味悪ぅてしゃあない。すまん宮上さん、一旦出るわな」
「その宮上さんのことはどないすんねん」
「やっぱり、警察に言うべきやろ。あん時、警察は全く取り合うてくれんかったけど、こんだけのモンがあれば、流石に動かざるを得んやろ」
「せやな…」
「あっ、また音すんで。下からや。ちょっと静かにせぇ」
「…」
「今度は、何かが落ちるみたいな音や。ああ、もう怖いわ」
「やっぱり、その家は普通やないねんて」
「…せやな。もう五年も経ったら大丈夫やろ思たけど、寧ろ悪化しとんのかもしれへん。訳の分からん人形やら何やら…いや、せや言うても、俺は五年前、俺は荷物運んだ時から違和感は感じとったで」
「やっぱり、もう帰った方がええんとちゃうか」
「ああ、俺もそう思てたところや。せやけど、さっきから一階で変な音してるしやなぁ…」
「そうやな…ん?何の音や…?」
「浴室の方から…うわっ!何や、何やねん、お前ら」
「おい、どないした」
「ぎゃああああ!えらいこっちゃ!」
「おい、何が…」
「来んな、何やねん、お前ら…!」
「おい、どうした、凄い音したけど…」
「ドアを閉めたんや。あの人形が、浴室から出てきよった」
「何を言うてんねん、それはほんまなんか」
「ほんまや。懐中電灯でパッと照らしたら、のそのそと出てきおったんや。ほんで、あの片目が、何やおかしな色を…」
「…やっぱり、その家…」
「下からも何か聞こえるで。もしかしたら、下の人形も…」
「動き出すっちゅうんかいな」
「ああ、もうどないしたらええねん。やっぱりこんなとこ入るんやなかった」
「兎に角、早う逃げた方がええ」
「逃げ言うても…あっ!あかん、階段の方まで…」
「おい、大丈夫か?」
「くそっ!こうなったら…」
「おい、どないした?」
「…」
「どないした、大丈夫なんか?」
「…」
「おい、おい」
「…」
「何があったんや、何か返事せえ、頼むから」
「…」
「おい、どういうことや」
「おい、どういうことや」
「…」
「おい?何があったんや」
「パパ。何でここにいるの?」
「何や…?」
「ねえ。パパ達はどこに行っちゃったの?」
「誰やねんな、お嬢ちゃん」
「どうして戻って来てくれなかったの?」
「だから、そないなこと言われても…おい、田村。どないしたんや、田村」
「ママはあんなに優しいのに、パパがおかしくしたんだ」
「お嬢ちゃん、そんなん俺に言うたかて…すまんけど、田村に代わってくれへんか?」
「どうして私を置いていったの?」
「ああ…あかん、あいつらこのドア破る気なんかいな」
「パパはいつから私を嫌いになったの?」
「えらいこっちゃ…ここのドアがやられてもたら…」
「もう会えないの?ずっとこの家で一人で待てばいいの?」
「くそっ…もうやられるしかあらへんのか…」
「何でパパはあんなおかしな目をしてたの?」
「あかん、懐中電灯まで切れてもうた」
「どうしてあんな怖い顔をしてたの?」
「…ん?ここやったらいけるんと違うか」
「ママと何を話してたの?」
「よっしゃ、これでひとまずは安心や」
「どうしてあんなものを持っていたの?」
「ほんで、お嬢ちゃんはどないしてんな、さっきから」
「それで、ママを連れていったの?」
「どないしたんや。いっぺん落ち着き」
「パパはあんなにママのことが好きだったよね?」
「すまん、そんなん言われても、俺には分からへん。ちょっとでええから、田村に代わってくれへんか?」
「…」
「もしもし…?」
「あっ、私の人形に触らないで」
「あかん、ついにあいつら部屋に入ってきよったで」
「パパ?やめてよ。何するの?」
「こっちやったら、ここから隣の部屋に繋がっとんのか」
「それ私の大事な人形だよ?なんでそんなことするの?ねえ、おかしくなっちゃったの?」
「よっしゃ、こっちの扉開いとんで」
「やめて、ねえ、ママ呼ぶよ?」
「よし、何とかこれで…」
「ねえ、何してるの?ほんとに止めてって言ってるよね?」
「おい、そろそろお嬢ちゃんも…」
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