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「効くっちゃーーーーー!」……「なかなかの駆け引きだな」……「こいつ意外とできる」……「これを狙っておったのか!」……「新しい技を覚えた」
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ケーシーの指示で、俺たちは魔族の連中と一緒に、後方から見守るということになった。一応、騎士様とQ術師が守ってくれるということになっている。魔族は魔族で、戦闘要員が非戦闘要員を守っている。竜魔族の長が一番前にいるところからして、いざという時には何か手があるのだろう。
ケーシーとクロだけが前進守備だ。そのクロでさえ、ほうきを持って耳をピクピクさせているだけで、特に何かするでもない。
ケーシーだけが、準備体操をしている。
「あー、身体動かすの久しぶりだな」
コキコキとあちこちの関節を鳴らしている。
「さて、と。イフ、出番だぞ」
「はあ~い」
ケーシーが左手の指輪の赤い石をひねると、石が明るく輝き始めた。指輪から煙のように登場したのは、美人のイカしたねーちゃんだ。水着みたいな薄着で、短いズボンに、短い上着を羽織っている。服装は全体に白だけど、ところどころに入っている紅色がケーシーの服とお揃いだ。体のあちこちに、うっすら赤く輝く紋様が見える。立ち上がって大きく伸びをした。眠そうだ。
「ふぁ……よく寝た」
「だらけてんなあ。ほら、火Q食っていいぞ」
ケーシーは先ほどQ術師から買い取った火Qを美女に渡す。なんと、美女はその火Qを一つずつ摘んで美味しそうに口に入れてしまった。ボリボリ噛む音がする。えー。不味そう。ガラス玉噛んでるみたい……。
しかし美女は上機嫌だ。
「うーーーーーーん! 効くっちゃーーーーー!」
火Qを一つ齧るたび、彼女の全身が赤く輝き、肌から火柱が噴き出す。
「あれ誰……? あれが『イフ』さんなの?」
「信じらんねえ……あの姐さん、たぶん、火の魔神族っスね」
「魔神族? でっかい猿と同類?」
「同じ魔神族とは言っても、猿魔神族は最下層ス。本物の火の魔神族なら、だいぶ格上ッスけど、指輪に封じられてるのなんか見たことないし……あれで全力が出せるかどうかはなんとも言えないッスね」
火の魔神族の方が格上って言われても、デカさが全然違うんだけど、あれで勝負になるんだろうか。
猿魔神族はケーシーと火の魔神族に気づいて歩いてくる。城が歩いてくるようなもんだ。こんなに離れているのに逃げたくなってくる。
「イフ、行くぞ!」
叫ぶケーシー。火の魔神族の身体が輝いて、大きくなっていく。と言っても、猿魔神族の半分くらいの大きさだ。まだ大きさでは負けている。ケーシーと火の魔神族の叫びが重なった
「じゃーーんけーーーーーーーーーーん」
「じゃんけんかよ!」
叫ぶ俺。竜魔族の長は感心したようにつぶやく。
「ふむ。敵もあれだけの大きさじゃ。まともに殴り合ったら不利かもしれん。そこをじゃんけんに持ち込むとは……なかなかの駆け引きだな」
「どこか駆け引きの要素あった?」
騎士様が重々しく口を開く。
「問題は何を出すかだ。突然じゃんけんを挑まれた時、出す確率が一番高いのはチョキ……あの猿魔神族もチョキを出す可能性が一番高い」
「騎士様?」
「だとすれば初手グーが有効ッスね。しかしそれが相手に読まれている可能性もある。だとすれば相手はパーで来るはず。そこにチョキで迎え撃って決まりッス!」
「Q術師?」
「じゃがチョキを出して万が一負けたとしたら『あいつ何にも考えずチョキ出して負けやがった』と恥をかくのは間違いなかろう……そのプレッシャーに耐えられるか、赤き若者よ」
「だーー! つべこべ言ってる間にもう出してるだろ普通! なんでじゃんけん出すだけでこんな長々と喋ってんの!」
「一瞬の間に脳内に去来する様々な駆け引きを文字に表現するにはこれしかないんじゃ……若いあんたには理解できんかもしれんが」
「できん! いいから早く結果を!」
猿魔神族はチョキ! そしてケーシーと火の魔神族は……チョキ!
「あいこ!」
「くっ。この場面でチョキとはこいつ意外とできる……!」
「いや、猿だし何にも考えてなかっただけじゃん?」
「『何にも考えてなかった』? そうか、わかったぞ! ジャック、ありがとうよ」
「えっ? は? 何が?」
「イフ! 本気でいくぞ!」
「あいよ、ケーちゃん!」
「うぉおおおおおおおおおお」
再び二人の声が重なる。全身から炎を噴き出しつつ吠えるケーシー、その隣で、寝そべって尻をかきながら、大声だけ出してる火の魔神族。
「いや待って。あのねーちゃん本気でやってないよね。絶対手を抜いてるよね。声だけだよね」
「だってまー、ただのじゃんけんじゃん?」
「聞こえてた。しかも正論だった」
「今だ!」
ケーシーが鋭く叫ぶ。続けて火の魔神族も寝たまま唱和。
「あーいこーで」
「しょーーーーーー!」
猿魔神族はまたチョキ! ケーシーと火の魔神族は……グー!
「ジャックの言葉でピンと来たのさ。猿だし何にも考えてないんじゃないかってな!」
「いやピンと来るも何も言った台詞そのまんまですけど!? お前も何も考えてないんじゃ?」
首を傾げる俺に構わずケーシーが叫ぶ。
「まだまだ! これで終わりと思うなよ!」
ケーシーと火の魔神族は左の人差し指を猿魔神族に突きつける。
「あっち向いて~~~~~~~~」
騎士様、Q術師、竜魔族の長が拳を握って身を乗り出す。
「いつの間にあっち向いてホイに!」
「これを狙っておったのか!」
「さすがっス」
「いや、俺には何言ってるのか全然わからんけど、男子ってこういう展開好きなの?」
その時、空高くから何者かが舞い降りてきた。クロだ。鮮やかな急旋回で(練習したんだろうなあ……)猿魔神族の視界の上の辺りをくるっと回る。猿魔神族の注意を逸らす。猿魔神族のアゴにできた隙を二人は見逃さない。
「戦いは!」
「これで決まりだ!」
ケーシーの左人差し指が天を衝く。
「ホイ!」
それと同時に火の魔神族の人差し指から吹き出した炎の柱が、猿魔神族のアゴを直撃し、強引に上を向かせる。
「勝った! 第三部完!」
猿魔神族はアゴをぶっ飛ばされて、そのまま後ろに倒れた。と、その巨体はキラキラ光る粉になって、火の魔神族の身体に吸い込まれていく。
「うふふ……イフちゃんは新しい技を覚えた! 名付けて『炎人ゴリ』。今度見せるね」
「あんなゲテモノ食って腹壊さねえか?」
「魔神族の身体はほとんど魔素で構成されてるんだもの。大きくたって小さくたって同じよー。じゃあねー。また後で♪」
火の魔神族はケーシーの指輪に帰って行く。
耳で羽ばたきながらクロが下りて来た。
「おう。陽動助かった」
「はい、ケーシー様」
「いろいろツッコミどころは多かったけど、ほんとに倒しちゃった……ケーシーって金づかい荒いだけじゃなかったんだ」
「あのなあ。主人公だぞ、一応」
ケーシーとクロだけが前進守備だ。そのクロでさえ、ほうきを持って耳をピクピクさせているだけで、特に何かするでもない。
ケーシーだけが、準備体操をしている。
「あー、身体動かすの久しぶりだな」
コキコキとあちこちの関節を鳴らしている。
「さて、と。イフ、出番だぞ」
「はあ~い」
ケーシーが左手の指輪の赤い石をひねると、石が明るく輝き始めた。指輪から煙のように登場したのは、美人のイカしたねーちゃんだ。水着みたいな薄着で、短いズボンに、短い上着を羽織っている。服装は全体に白だけど、ところどころに入っている紅色がケーシーの服とお揃いだ。体のあちこちに、うっすら赤く輝く紋様が見える。立ち上がって大きく伸びをした。眠そうだ。
「ふぁ……よく寝た」
「だらけてんなあ。ほら、火Q食っていいぞ」
ケーシーは先ほどQ術師から買い取った火Qを美女に渡す。なんと、美女はその火Qを一つずつ摘んで美味しそうに口に入れてしまった。ボリボリ噛む音がする。えー。不味そう。ガラス玉噛んでるみたい……。
しかし美女は上機嫌だ。
「うーーーーーーん! 効くっちゃーーーーー!」
火Qを一つ齧るたび、彼女の全身が赤く輝き、肌から火柱が噴き出す。
「あれ誰……? あれが『イフ』さんなの?」
「信じらんねえ……あの姐さん、たぶん、火の魔神族っスね」
「魔神族? でっかい猿と同類?」
「同じ魔神族とは言っても、猿魔神族は最下層ス。本物の火の魔神族なら、だいぶ格上ッスけど、指輪に封じられてるのなんか見たことないし……あれで全力が出せるかどうかはなんとも言えないッスね」
火の魔神族の方が格上って言われても、デカさが全然違うんだけど、あれで勝負になるんだろうか。
猿魔神族はケーシーと火の魔神族に気づいて歩いてくる。城が歩いてくるようなもんだ。こんなに離れているのに逃げたくなってくる。
「イフ、行くぞ!」
叫ぶケーシー。火の魔神族の身体が輝いて、大きくなっていく。と言っても、猿魔神族の半分くらいの大きさだ。まだ大きさでは負けている。ケーシーと火の魔神族の叫びが重なった
「じゃーーんけーーーーーーーーーーん」
「じゃんけんかよ!」
叫ぶ俺。竜魔族の長は感心したようにつぶやく。
「ふむ。敵もあれだけの大きさじゃ。まともに殴り合ったら不利かもしれん。そこをじゃんけんに持ち込むとは……なかなかの駆け引きだな」
「どこか駆け引きの要素あった?」
騎士様が重々しく口を開く。
「問題は何を出すかだ。突然じゃんけんを挑まれた時、出す確率が一番高いのはチョキ……あの猿魔神族もチョキを出す可能性が一番高い」
「騎士様?」
「だとすれば初手グーが有効ッスね。しかしそれが相手に読まれている可能性もある。だとすれば相手はパーで来るはず。そこにチョキで迎え撃って決まりッス!」
「Q術師?」
「じゃがチョキを出して万が一負けたとしたら『あいつ何にも考えずチョキ出して負けやがった』と恥をかくのは間違いなかろう……そのプレッシャーに耐えられるか、赤き若者よ」
「だーー! つべこべ言ってる間にもう出してるだろ普通! なんでじゃんけん出すだけでこんな長々と喋ってんの!」
「一瞬の間に脳内に去来する様々な駆け引きを文字に表現するにはこれしかないんじゃ……若いあんたには理解できんかもしれんが」
「できん! いいから早く結果を!」
猿魔神族はチョキ! そしてケーシーと火の魔神族は……チョキ!
「あいこ!」
「くっ。この場面でチョキとはこいつ意外とできる……!」
「いや、猿だし何にも考えてなかっただけじゃん?」
「『何にも考えてなかった』? そうか、わかったぞ! ジャック、ありがとうよ」
「えっ? は? 何が?」
「イフ! 本気でいくぞ!」
「あいよ、ケーちゃん!」
「うぉおおおおおおおおおお」
再び二人の声が重なる。全身から炎を噴き出しつつ吠えるケーシー、その隣で、寝そべって尻をかきながら、大声だけ出してる火の魔神族。
「いや待って。あのねーちゃん本気でやってないよね。絶対手を抜いてるよね。声だけだよね」
「だってまー、ただのじゃんけんじゃん?」
「聞こえてた。しかも正論だった」
「今だ!」
ケーシーが鋭く叫ぶ。続けて火の魔神族も寝たまま唱和。
「あーいこーで」
「しょーーーーーー!」
猿魔神族はまたチョキ! ケーシーと火の魔神族は……グー!
「ジャックの言葉でピンと来たのさ。猿だし何にも考えてないんじゃないかってな!」
「いやピンと来るも何も言った台詞そのまんまですけど!? お前も何も考えてないんじゃ?」
首を傾げる俺に構わずケーシーが叫ぶ。
「まだまだ! これで終わりと思うなよ!」
ケーシーと火の魔神族は左の人差し指を猿魔神族に突きつける。
「あっち向いて~~~~~~~~」
騎士様、Q術師、竜魔族の長が拳を握って身を乗り出す。
「いつの間にあっち向いてホイに!」
「これを狙っておったのか!」
「さすがっス」
「いや、俺には何言ってるのか全然わからんけど、男子ってこういう展開好きなの?」
その時、空高くから何者かが舞い降りてきた。クロだ。鮮やかな急旋回で(練習したんだろうなあ……)猿魔神族の視界の上の辺りをくるっと回る。猿魔神族の注意を逸らす。猿魔神族のアゴにできた隙を二人は見逃さない。
「戦いは!」
「これで決まりだ!」
ケーシーの左人差し指が天を衝く。
「ホイ!」
それと同時に火の魔神族の人差し指から吹き出した炎の柱が、猿魔神族のアゴを直撃し、強引に上を向かせる。
「勝った! 第三部完!」
猿魔神族はアゴをぶっ飛ばされて、そのまま後ろに倒れた。と、その巨体はキラキラ光る粉になって、火の魔神族の身体に吸い込まれていく。
「うふふ……イフちゃんは新しい技を覚えた! 名付けて『炎人ゴリ』。今度見せるね」
「あんなゲテモノ食って腹壊さねえか?」
「魔神族の身体はほとんど魔素で構成されてるんだもの。大きくたって小さくたって同じよー。じゃあねー。また後で♪」
火の魔神族はケーシーの指輪に帰って行く。
耳で羽ばたきながらクロが下りて来た。
「おう。陽動助かった」
「はい、ケーシー様」
「いろいろツッコミどころは多かったけど、ほんとに倒しちゃった……ケーシーって金づかい荒いだけじゃなかったんだ」
「あのなあ。主人公だぞ、一応」
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