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32 お茶会 ユリア
しおりを挟む愛すべき王子様を見守る会の会員である私、ユリア・オマリー。
とある伯爵家で開かれたお茶会に、会員たちと参加しております。
主催者のお方とは、親しい間柄ではありません。
ですが、クラウディア様からそのお方をお守りするようにと、頼まれているのです。
男爵家である私にも、優しく接してくださるクラウディア様は、令嬢たちの憧れの存在。
いつものお茶会でのクラウディア様の席は、現在彼女の兄であるクラレンス様が座っておられます。
ご婦人方からは人気のお方ですが、やはり私は凛としたクラウディア様のお顔が見たいのです。
「クラウディア様からお手紙が来ないだなんて、なにかあったに違いありませんっ! 私が辺境の地に行きますっ!」
コルセットを必要としない、緩やかなブルーのドレスを着ているドロシー嬢が立ち上がります。
このお方の浅はかな行動により、クラウディア様がラウル第二王子殿下との婚約を解消することになりました。
ですが、今は自らの行いを悔いており、クラウディア様のためならなんだってすると、息巻いておられます。
クラウディア様からは、慰謝料は無事に出産を終えてからで良いと言われていたのですが、自らのドレスやお金になるもの全てを売り払いました。
彼女のご両親も別荘を手放し、スアレス家に誠意を見せておられるようです。
その行動があったからこそ、私もドロシー嬢とのお茶会に参加しております。
憎めないお方ですし、今回の件に不安を言うつもりはありません。
だって本心では、ラウル殿下では、クラウディア様とは釣り合っていないと思っていたからです。
そして、クラウディア様の新たなお相手である、辺境伯であるアリステア・マートン様。
辺境伯様が社交界に顔を出すことは滅多にありませんが、噂では野蛮人だと聞いております。
ですが、彼のことを語る時のクラウディア様は、普段は無表情ですが、それはそれは優しいお顔をなさるのです。
きっとお二人は、素敵な夫婦になると予想しております。
……嫉妬で気が狂いそうです。
「おやめなさい。貴方になにかあれば、私たちがクラウディア様に顔向けできませんわ」
ウィリアムス公爵家のご令嬢が扇子を広げ、冷静に着席するように促します。
薄紫色の髪が美しいヴァイオレット様は、クラウディア様を誰よりも慕っておられます。
クラウディア様が王都を離れた今。
この会の会長として、皆を率いておられます。
鮮やかなブルーのドレスを纏う彼女は、自身の婚約者よりもクラウディア様を愛しているのです。
そして婚約者がいる他二人も、ブルーのドレスで参加しております。
もちろん私も。
「僕が王子様になったみたいだね」
「「「「ありえませんわ!」」」」
声を揃えた私たちに、きょとんとした顔をなさるクラレンス様。
ディアが羨ましいと笑っておられますが、このお方は妹とは違って、腹黒いのです。
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