270 / 273
第9章:再起編
父親
しおりを挟む
遺跡から逃げ出して一日後、ジンはカロレの街にいた。先についていたイブリスが話を通していたおかげで、スムーズに上層部に会う事ができ、何が起こったかの報告をする事になった。長机が置かれた会議室には8人の人間が着席していた。ジンとイブリスの他にはミレス戦士団のドワーフの団長ストラティオ・ソルダードとトレガ術師団のエルフの女団長ネフィーク・ドゥーン。それから商業の街ユステの代表である猫人の男性カートル・テンデーロ、農業都市モナークの代表でアトルム人の女性コルトゥーラ・ヴィルトシャフト、ウーインにあるアカデミーの学長である狐人の女性エコール・ルター、そして戦士の街カロレの代表であり二つの団の管理をする犬人の男性ウォル・レーガだ。
「なるほど。しかし、ソール様が倒されたとは。とてもではないが信じられんのう」
ストラティオが長い髭を触りながら呟く。立場上は彼の方が上なのだが、使徒だったソールは特別な存在だ。自然と敬語を扱われていた。
「あの方には人格面で問題はありましたが、実力は確かでした。それなのにたった一撃で、しかも攻撃自体は結界の中から発せられたのですよね」
そうネフィークはジンに再度確認する。
「ああ。確かにあれは結界内から攻撃したものだ」
「つまり、どう言う事なんですかい?」
戦士でないためカートルにはいまいちピンときていなかった。それはコルトゥーラとエコールも同様だった。
「結界内から外部に干渉した攻撃で使徒であるソール様を一撃で殺害したという事は、想像以上に強大な力を持った敵だという事です。それこそ四魔に匹敵するのではないかという程のね」
ウォルが冷静に3人に話す。
「いや、力自体はソールも言っていたが、大した事はない。多分ナガーシカ程度だと思う。だけど、それ以上に得体の知れない力を有している。まるで……そう、まるで世界の理そのものと対峙しているような感覚だった」
ジンはアスルの様子を思い出しながら評価する。冷静になった今思い返せば強さ自体はそれほどでもなかった。だが存在の力とでも言えばいいのか、それが段違いだったのだ。生命体として無条件で降伏したくなるような、そんな気にさせる化物だった。
「ふむ、所で今更なんだが君は一体誰なんだ?」
そこでウォルがジンに質問してくる。
「俺はジン。ジン・アカツキ。……ラグナの使徒だ」
少し逡巡してジンはラグナの使徒だと名乗った。この肩書きはエレミア砂漠において利用できる。ラグナの使徒であるだけで問答無用に優遇されるからだ。しかし彼は今までそれを利用する事は無かった。忌むべき存在の配下だという事を受け入れたくなかったからだ。
だが、事ここに至ってはそのような事は言っていられない。アスルを倒すには多くの助力が必要であり、戦士を動員するのにこの肩書きほど使えるものはない。ラウフ・ソルブの鏡を手に入れるためにも、アスルを倒すためにもジンはラグナの使徒である事を明かした。
「アカツキ……。まさかアカリ様とハヤト様のご子息でしょうか?」
コルトゥーラがジンの名を聞いて尋ねてきた。母親の名前は知っていたがその後に続く名は聞き覚えがなかった。
「アカリは俺の母親の名前だが、ハヤトは知らない。もしかしたら俺の親父なのかも知れないけど」
そういえばアカツキ皇国に2年間もいたものの、自分の親の話を聞いてこなかった事に今更ながら彼は気がついた。ただ、両親が駆け落ちした事と父親は冒険者で任務の最中に生まれたばかりのジンに会う事もなく落命した事だけは知っていた。母親も小さい時に亡くなった為に朧げにしか覚えていなかった。
「知らないとは。まさかお二人はもう……」
「ああ。俺に物心がつく前にな」
その言葉にエコールだけでなく、イブリスを除いてその場にいた全員が悲しそうな顔を浮かべる。
「そうか。あの方々に受けた恩を結局返す事はできなかったのう」
ストラティオの呟きにジンは疑問を持つ。
「恩ってなんだ?」
「そうか。幼い頃にお亡くなりになられたのなら知らぬのも無理ないか。今から25年ほど前になるか。この砂漠に『砂漠の悪魔』と呼ばれる魔獣が現れた。丁度その当時、ソール様はエデンに戻られており不在だった。そのため優秀な戦士達500名による討伐隊が組まれたものの、385人が死に115人が重軽傷を負った」
当時を振り返るように虚空に目を向けながらストラティオは話し出した。
「昆虫のような見た目で、デザートスコルピオのように凶悪な鋏を携え、毒の棘がついた尾を有し、剣を通さぬ硬い外殻を持ち、ナガーシカのように巨大でありながら、その速度は鍛え抜かれた戦士達を遥かに超えていた。また身体中には至る所に人のような目があり、そこから得られる情報を処理できるように脳が頭部、腹部、そして尾部にそれぞれ一つずつ、合計3つあった。鎌のように鋭い足が10本ついており、それで戦士達を貫いた。顔には巨大な虫のような複眼が二つついており、強靭な顎門で戦士達を喰い散らかした」
「それを俺の両親が倒したのか?」
「正確に言えば、ハヤト様が単身で倒したのだ。アカリ様はその治癒の力で死に瀕していた者達を死の淵から救い出した。かく言うわしもその一人だ。あのお方のおかげで今もこうして生きておる」
ストラティオの言葉にジンの中で新たな疑問が生まれる。
「そんな危険な魔獣だったのに、親父はなぜ単独で倒せたんだ?」
「あなたの父ハヤト・アカツキ様はあなた同様ラグナ様の使徒だったからよ」
ネフィークがストラティオに代わりジンの質問に答える。
「何? 本当なのか?」
「ええ。彼は超一流の剣士であったのと同時に、火、水、土、風の4属性の法術と氷、雷、木、金の4属性の神術、つまり8属性を操る術師だったわ。最強という言葉は彼にこそ相応しいと思ったものよ」
通常人間でありながらラグナの使徒の場合、少なくとも3属性以上を扱う事ができる。使徒に選ばれる程の高い能力を有する者は元々2属性以上の法術を扱える。さらにラグナの力によって神術を扱えるようになるのでその扱える属性はさらに増える。実際、ジンの育ての親であるマリアは火、風、光、氷、木の5属性を、ウィルは水、土、雷、金の4属性を扱えた。
それを踏まえた上で、特異系統である光、闇、無以外全て扱えたというのは確かに破格の力だったのだろう。だがそれ以上にジンは何故そんな父親がたかがギルドの依頼で命を落としたのか、疑問に思えてならなかった。
「話が逸れたな。今は昔の事よりもアスルとやらの対策を考えなければならない」
ウォルがそう言うとジンに目を向けた。
「君がラグナ様の使徒だという事は信じよう。それで、何か策はあるかい?」
「この砂漠で結界あるいはそれに準ずるものは何かあるか?」
「掘の外側からさらに結界を張るという事かしら?」
エコールがすぐにジンの意図に気がつき、ジンは彼女に頷いた。
「はい。あいつは人間の生命エネルギーを吸収して強さを取り戻しているようでした。まだソールの結界が機能していますが、これ以上強くならないためには人を近づけないようにしなければなりません。それが出来なければ多分誰も勝てないような存在が誕生する事になり、この砂漠どころか世界すら消え去ると思います。あいつの存在意義はこの世界を創った神達への復讐だ。きっと碌な事にはならない」
「結界とは違いますが、うちのアカデミーには電流網という、触れれば雷神術が流れるという網があります。それを張れば人が近寄るのは困難になると思いますが如何でしょうか」
エコールの提案にジンは首を振った。
「ダメだ。それだけじゃ足りない。ソールを一撃で殺した術が外に漏れ出ないようにしないと」
「しかし私たちには半径2キロの球形を覆えるほどの巨大な結界を作り出す力などありません」
だが即座にネフィークがジンの言葉を否定する。
「術師団全員でも無理そうなのかしら?」
モナーク代表のコルトゥーラがネフィークに聞く。しかしネフィークの答えは否だった。
「そもそも物理的な結界以外は法術だと光と闇、神術だと無属性によって生み出されます。だけど光と闇の法術はフィリアに感知される可能性があるため使えず、無神術を扱える人間がどこにいるか分からないわ。実際、ソール様が張った一つ目の結界は結界の無神術が封じられた封術具によって行われました。けれどそれもせいぜい半径50メートル程の範囲だと言います。半径2キロなど到底不可能です」
そこで今まで黙って聞いていたイブリスが手を挙げた。
「少しいいですか?」
一斉に全員がそちらに目を向ける。
「あら、イブリス教授。どうしたのかしら? 何かアイディアでも?」
エコールからの質問にイブリスは頷く。
「ジンくんの協力があれば可能かも知れません。彼は無神術の使い手ですから」
「なるほど。しかし、ソール様が倒されたとは。とてもではないが信じられんのう」
ストラティオが長い髭を触りながら呟く。立場上は彼の方が上なのだが、使徒だったソールは特別な存在だ。自然と敬語を扱われていた。
「あの方には人格面で問題はありましたが、実力は確かでした。それなのにたった一撃で、しかも攻撃自体は結界の中から発せられたのですよね」
そうネフィークはジンに再度確認する。
「ああ。確かにあれは結界内から攻撃したものだ」
「つまり、どう言う事なんですかい?」
戦士でないためカートルにはいまいちピンときていなかった。それはコルトゥーラとエコールも同様だった。
「結界内から外部に干渉した攻撃で使徒であるソール様を一撃で殺害したという事は、想像以上に強大な力を持った敵だという事です。それこそ四魔に匹敵するのではないかという程のね」
ウォルが冷静に3人に話す。
「いや、力自体はソールも言っていたが、大した事はない。多分ナガーシカ程度だと思う。だけど、それ以上に得体の知れない力を有している。まるで……そう、まるで世界の理そのものと対峙しているような感覚だった」
ジンはアスルの様子を思い出しながら評価する。冷静になった今思い返せば強さ自体はそれほどでもなかった。だが存在の力とでも言えばいいのか、それが段違いだったのだ。生命体として無条件で降伏したくなるような、そんな気にさせる化物だった。
「ふむ、所で今更なんだが君は一体誰なんだ?」
そこでウォルがジンに質問してくる。
「俺はジン。ジン・アカツキ。……ラグナの使徒だ」
少し逡巡してジンはラグナの使徒だと名乗った。この肩書きはエレミア砂漠において利用できる。ラグナの使徒であるだけで問答無用に優遇されるからだ。しかし彼は今までそれを利用する事は無かった。忌むべき存在の配下だという事を受け入れたくなかったからだ。
だが、事ここに至ってはそのような事は言っていられない。アスルを倒すには多くの助力が必要であり、戦士を動員するのにこの肩書きほど使えるものはない。ラウフ・ソルブの鏡を手に入れるためにも、アスルを倒すためにもジンはラグナの使徒である事を明かした。
「アカツキ……。まさかアカリ様とハヤト様のご子息でしょうか?」
コルトゥーラがジンの名を聞いて尋ねてきた。母親の名前は知っていたがその後に続く名は聞き覚えがなかった。
「アカリは俺の母親の名前だが、ハヤトは知らない。もしかしたら俺の親父なのかも知れないけど」
そういえばアカツキ皇国に2年間もいたものの、自分の親の話を聞いてこなかった事に今更ながら彼は気がついた。ただ、両親が駆け落ちした事と父親は冒険者で任務の最中に生まれたばかりのジンに会う事もなく落命した事だけは知っていた。母親も小さい時に亡くなった為に朧げにしか覚えていなかった。
「知らないとは。まさかお二人はもう……」
「ああ。俺に物心がつく前にな」
その言葉にエコールだけでなく、イブリスを除いてその場にいた全員が悲しそうな顔を浮かべる。
「そうか。あの方々に受けた恩を結局返す事はできなかったのう」
ストラティオの呟きにジンは疑問を持つ。
「恩ってなんだ?」
「そうか。幼い頃にお亡くなりになられたのなら知らぬのも無理ないか。今から25年ほど前になるか。この砂漠に『砂漠の悪魔』と呼ばれる魔獣が現れた。丁度その当時、ソール様はエデンに戻られており不在だった。そのため優秀な戦士達500名による討伐隊が組まれたものの、385人が死に115人が重軽傷を負った」
当時を振り返るように虚空に目を向けながらストラティオは話し出した。
「昆虫のような見た目で、デザートスコルピオのように凶悪な鋏を携え、毒の棘がついた尾を有し、剣を通さぬ硬い外殻を持ち、ナガーシカのように巨大でありながら、その速度は鍛え抜かれた戦士達を遥かに超えていた。また身体中には至る所に人のような目があり、そこから得られる情報を処理できるように脳が頭部、腹部、そして尾部にそれぞれ一つずつ、合計3つあった。鎌のように鋭い足が10本ついており、それで戦士達を貫いた。顔には巨大な虫のような複眼が二つついており、強靭な顎門で戦士達を喰い散らかした」
「それを俺の両親が倒したのか?」
「正確に言えば、ハヤト様が単身で倒したのだ。アカリ様はその治癒の力で死に瀕していた者達を死の淵から救い出した。かく言うわしもその一人だ。あのお方のおかげで今もこうして生きておる」
ストラティオの言葉にジンの中で新たな疑問が生まれる。
「そんな危険な魔獣だったのに、親父はなぜ単独で倒せたんだ?」
「あなたの父ハヤト・アカツキ様はあなた同様ラグナ様の使徒だったからよ」
ネフィークがストラティオに代わりジンの質問に答える。
「何? 本当なのか?」
「ええ。彼は超一流の剣士であったのと同時に、火、水、土、風の4属性の法術と氷、雷、木、金の4属性の神術、つまり8属性を操る術師だったわ。最強という言葉は彼にこそ相応しいと思ったものよ」
通常人間でありながらラグナの使徒の場合、少なくとも3属性以上を扱う事ができる。使徒に選ばれる程の高い能力を有する者は元々2属性以上の法術を扱える。さらにラグナの力によって神術を扱えるようになるのでその扱える属性はさらに増える。実際、ジンの育ての親であるマリアは火、風、光、氷、木の5属性を、ウィルは水、土、雷、金の4属性を扱えた。
それを踏まえた上で、特異系統である光、闇、無以外全て扱えたというのは確かに破格の力だったのだろう。だがそれ以上にジンは何故そんな父親がたかがギルドの依頼で命を落としたのか、疑問に思えてならなかった。
「話が逸れたな。今は昔の事よりもアスルとやらの対策を考えなければならない」
ウォルがそう言うとジンに目を向けた。
「君がラグナ様の使徒だという事は信じよう。それで、何か策はあるかい?」
「この砂漠で結界あるいはそれに準ずるものは何かあるか?」
「掘の外側からさらに結界を張るという事かしら?」
エコールがすぐにジンの意図に気がつき、ジンは彼女に頷いた。
「はい。あいつは人間の生命エネルギーを吸収して強さを取り戻しているようでした。まだソールの結界が機能していますが、これ以上強くならないためには人を近づけないようにしなければなりません。それが出来なければ多分誰も勝てないような存在が誕生する事になり、この砂漠どころか世界すら消え去ると思います。あいつの存在意義はこの世界を創った神達への復讐だ。きっと碌な事にはならない」
「結界とは違いますが、うちのアカデミーには電流網という、触れれば雷神術が流れるという網があります。それを張れば人が近寄るのは困難になると思いますが如何でしょうか」
エコールの提案にジンは首を振った。
「ダメだ。それだけじゃ足りない。ソールを一撃で殺した術が外に漏れ出ないようにしないと」
「しかし私たちには半径2キロの球形を覆えるほどの巨大な結界を作り出す力などありません」
だが即座にネフィークがジンの言葉を否定する。
「術師団全員でも無理そうなのかしら?」
モナーク代表のコルトゥーラがネフィークに聞く。しかしネフィークの答えは否だった。
「そもそも物理的な結界以外は法術だと光と闇、神術だと無属性によって生み出されます。だけど光と闇の法術はフィリアに感知される可能性があるため使えず、無神術を扱える人間がどこにいるか分からないわ。実際、ソール様が張った一つ目の結界は結界の無神術が封じられた封術具によって行われました。けれどそれもせいぜい半径50メートル程の範囲だと言います。半径2キロなど到底不可能です」
そこで今まで黙って聞いていたイブリスが手を挙げた。
「少しいいですか?」
一斉に全員がそちらに目を向ける。
「あら、イブリス教授。どうしたのかしら? 何かアイディアでも?」
エコールからの質問にイブリスは頷く。
「ジンくんの協力があれば可能かも知れません。彼は無神術の使い手ですから」
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
異世界召喚は7回目…って、いい加減にしろよ‼︎
アノマロカリス
ファンタジー
『おぉ、勇者達よ! 良くぞ来てくれた‼︎』
見知らぬ城の中、床には魔法陣、王族の服装は中世の時代を感じさせる衣装…
俺こと不知火 朔夜(しらぬい さくや)は、クラスメートの4人と一緒に異世界に召喚された。
突然の事で戸惑うクラスメート達…
だが俺はうんざりした顔で深い溜息を吐いた。
「またか…」
王族達の話では、定番中の定番の魔王が世界を支配しているから倒してくれという話だ。
そして儀式により…イケメンの正義は【勇者】を、ギャルっぽい美紅は【聖戦士】を、クラス委員長の真美は【聖女】を、秀才の悠斗は【賢者】になった。
そして俺はというと…?
『おぉ、伝承にある通り…異世界から召喚された者には、素晴らしい加護が与えられた!』
「それよりも不知火君は何を得たんだ?」
イケメンの正義は爽やかな笑顔で聞いてきた。
俺は儀式の札を見ると、【アンノウン】と書かれていた。
その場にいた者達は、俺の加護を見ると…
「正体不明で気味が悪い」とか、「得体が知れない」とか好き放題言っていた。
『ふむ…朔夜殿だけ分からずじまいか。だが、異世界から来た者達よ、期待しておるぞ!』
王族も前の4人が上位のジョブを引いた物だから、俺の事はどうでも良いらしい。
まぁ、その方が気楽で良い。
そして正義は、リーダーとして皆に言った。
「魔王を倒して元の世界に帰ろう!」
正義の言葉に3人は頷いたが、俺は正義に言った。
「魔王を倒すという志は立派だが、まずは魔物と戦って勝利をしてから言え!」
「僕達には素晴らしい加護の恩恵があるから…」
「肩書きがどんなに立派でも、魔物を前にしたら思う様には動けないんだ。現実を知れ!」
「何よ偉そうに…アンタだったら出来るというの?」
「良いか…殴り合いの喧嘩もしたことがない奴が、いきなり魔物に勝てる訳が無いんだ。お前達は、ゲーム感覚でいるみたいだが現実はそんなに甘く無いぞ!」
「ずいぶん知ったような口を聞くね。不知火は経験があるのか?」
「あるよ、異世界召喚は今回が初めてでは無いからな…」
俺は右手を上げると、頭上から光に照らされて黄金の甲冑と二振の聖剣を手にした。
「その…鎧と剣は?」
「これが証拠だ。この鎧と剣は、今迄の世界を救った報酬として貰った。」
「今迄って…今回が2回目では無いのか?」
「今回で7回目だ!マジでいい加減にして欲しいよ。」
俺はうんざりしながら答えた。
そう…今回の異世界召喚で7回目なのだ。
いずれの世界も救って来た。
そして今度の世界は…?
6月22日
HOTランキングで6位になりました!
6月23日
HOTランキングで4位になりました!
昼過ぎには3位になっていました.°(ಗдಗ。)°.
6月24日
HOTランキングで2位になりました!
皆様、応援有り難う御座いますm(_ _)m
今日結婚した夫から2年経ったら出ていけと言われました
四折 柊
恋愛
子爵令嬢であるコーデリアは高位貴族である公爵家から是非にと望まれ結婚した。美しくもなく身分の低い自分が何故? 理由は分からないが自分にひどい扱いをする実家を出て幸せになれるかもしれないと淡い期待を抱く。ところがそこには思惑があり……。公爵は本当に愛する女性を妻にするためにコーデリアを利用したのだ。夫となった男は言った。「お前と本当の夫婦になるつもりはない。2年後には公爵邸から国外へ出ていってもらう。そして二度と戻ってくるな」と。(いいんですか? それは私にとって……ご褒美です!)
帰国した王子の受難
ユウキ
恋愛
庶子である第二王子は、立場や情勢やら諸々を鑑みて早々に隣国へと無期限遊学に出た。そうして年月が経ち、そろそろ兄(第一王子)が立太子する頃かと、感慨深く想っていた頃に突然届いた帰還命令。
取り急ぎ舞い戻った祖国で見たのは、修羅場であった。
ゴミ捨て場領主のクラフト無双 ~最弱魔法【分解と合成】で領地を黄金郷に変えたら、俺を見下していた大貴族令嬢たちが掌を返してすり寄ってきた件~
namisan
ファンタジー
東西南北の大貴族から「毒の川」「凶暴な魔獣」「莫大な借金」を押し付けられ、王国の『ゴミ捨て場』と化したローゼンベルク領。
父と兄を謀殺され、その絶望の領地を押し付けられた無能貴族のアークは、領地の分割を企む高慢な令嬢たち(王女、公爵令嬢、姫将軍など)に嘲笑われていた。
だが、彼には現代の知識と、隠された最強チート能力があった!
触れたものを瞬時に素材に戻し、全く別のモノに作り変える神の御業――【分解と合成】。
「毒の川」を分解して『超高価な宝石と純水』へ!
「魔獣の死骸」と「瓦礫」を合成して『絶対に壊れない防壁』へ!
借金取りには新素材を高値で売りつけ、逆に敵の経済を支配していく。
圧倒的なクラフト能力で、瞬く間にゴミ捨て場を「無敵の黄金郷」へと作り変えていくアーク。
己の敗北を悟り、震え上がる悪徳貴族と高慢な令嬢たち。
さらに、アークの圧倒的な知略と底知れぬ実力は、気高い令嬢たちの本能に深く刻み込まれていく。
「どうか、私をあなたの手駒としてお使いください……っ!」
プライドを完全にへし折られた最高位の美少女たちは、いつしかアークの与える『恩恵』なしでは生きられないほど、彼に絶対の忠誠と依存を誓うようになっていく――。
最弱のゴミ捨て場から始まる、爽快クラフト内政&ざまぁファンタジー、堂々開幕!
黄金の魔導書使い -でも、騒動は来ないで欲しいー
志位斗 茂家波
ファンタジー
‥‥‥魔導書(グリモワール)。それは、不思議な儀式によって、人はその書物を手に入れ、そして体の中に取り込むのである。
そんな魔導書の中に、とんでもない力を持つものが、ある時出現し、そしてある少年の手に渡った。
‥‥うん、出来ればさ、まだまともなのが欲しかった。けれども強すぎる力故に、狙ってくる奴とかが出てきて本当に大変なんだけど!?責任者出てこぉぉぉぃ!!
これは、その魔導書を手に入れたが故に、のんびりしたいのに何かしらの騒動に巻き込まれる、ある意味哀れな最強の少年の物語である。
「小説家になろう」様でも投稿しています。作者名は同じです。基本的にストーリー重視ですが、誤字指摘などがあるなら受け付けます。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる