暖をとる。

山の端さっど

文字の大きさ
22 / 105

-22℃ アプローチのA

しおりを挟む
「つ、か、い、す、て、アットマークの@エーにグメルドットコム、と」

 ワンのO、セキュリティ万全の特殊なサイトに使い捨てのメアドで登録すること。

「画面、真っ黒だね」
「うん。ここからどこかに……リンクがあるって聞いたんだけどどこ?」
「情報源って聞いちゃダメなんだよね?」
「うん」

 ツーのT、赤子泣いても情報漏らすな。

「……私のためにここまでしてくれて、ありがと」
「別にベストフレンドの頼みだからじゃないっすよ~BFちゃん。私も奴にはムカついてんの! ……あ、リンクみっけ」
「えっと、この先、チャットで連絡取るんだよね……」

 スリーのT、ツーと文字被っちゃったけどこれが一番大事なポイント。

「初めまして『プレコシティ』さん、お願いします、私は『チノフィリア』です、っと」

 絶対に敬語で話し、尊敬を示し続けること。「プレコシティ」はとても気まぐれで、特に、偉ぶる人の話は絶対聞いてくれないらしいですんで。

『ようこそ。君の話を聞かせてもらおうか』

 すぐに返事が来ましたねー自動返信ですかね有り難っ。

「えっとコピペ、私の愛犬がストーカーに殺されて引越しもしなくちゃいけなくなりました、ストーカーに報復したいので特定をお願いしたいんです! と、送信」
『ストーカーについて知っている情報を全部話せ』
「返事早っ」

 ここで、なぜ隣にいる友達じゃなく私が文章打ってるのかについて一応エクスプレインのE。この特殊な裏情報屋、情報代がめちゃくちゃ高くてですね。二人で出すけどできるなら安く済ませたいでしょ。それで相談時間を短く済ませるために私のタイピング能力の活かしどころって訳ですよ。まあ、どうやらP氏の方が速いっぽいですが。なるほど早熟、プレコシティのP。と思う間にも私は情報をありったけ吐きP氏の質問に答えていきましたよ。



『なるほど。情報は十分だ。もう要らない。報酬を違えなければお前が「チノフィリア」の代わりにタイピングしていることも不問にしよう』
「えっ……」

 そう、赤子泣いても、のT。本当は一人だけで相談しなくちゃいけなかったんですよねーこれ。でもQ、どこでバレたんでしょ。

『予想外の質問に対し反応が遅れていただろう』

 確かに友達に聞いてから答えてたから少しくらい遅かったかもしれませんけどね、よく気づきますね!

「……この人に頼んで良かったみたいだね」

 ホッとしたような友達の顔が見たくて頑張ってたんで、まあ私は満足です。
 
しおりを挟む
感想 5

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

意味が分かると怖い話(解説付き)

彦彦炎
ホラー
一見普通のよくある話ですが、矛盾に気づけばゾッとするはずです 読みながら話に潜む違和感を探してみてください 最後に解説も載せていますので、是非読んでみてください 実話も混ざっております

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

女子切腹同好会

しんいち
ホラー
どこにでもいるような平凡な女の子である新瀬有香は、学校説明会で出会った超絶美人生徒会長に憧れて私立の女子高に入学した。そこで彼女を待っていたのは、オゾマシイ運命。彼女も決して正常とは言えない思考に染まってゆき、流されていってしまう…。 はたして、彼女の行き着く先は・・・。 この話は、切腹場面等、流血を含む残酷シーンがあります。御注意ください。 また・・・。登場人物は、だれもかれも皆、イカレテいます。イカレタ者どものイカレタ話です。決して、マネしてはいけません。 マネしてはいけないのですが……。案外、あなたの近くにも、似たような話があるのかも。 世の中には、知らなくて良いコト…知ってはいけないコト…が、存在するのですよ。

(完)百合短編集 

南條 綾
恋愛
ジャンルは沢山の百合小説の短編集を沢山入れました。

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

母の下着 タンスと洗濯籠の秘密

MisakiNonagase
青春
この物語は、思春期という複雑で繊細な時期を生きる少年の内面と、彼を取り巻く家族の静かなる絆を描いた作品です。 颯真(そうま)という一人の高校生の、ある「秘密」を通して、私たちは成長の過程で誰もが抱くかもしれない戸惑い、罪悪感、そしてそれらを包み込む家族の無言の理解に触れます。 物語は、現在の颯真と恋人・彩花との関係から、中学時代にさかのぼる形で展開されます。そこで明らかになるのは、彼がかつて母親の下着に対して抱いた抑えがたい好奇心と、それに伴う一連の行為です。それは彼自身が「歪んだ」と感じる過去の断片であり、深い恥ずかしさと自己嫌悪を伴う記憶です。 しかし、この物語の核心は、単なる過去の告白にはありません。むしろ、その行為に「気づいていたはず」の母親が、なぜ一言も問い詰めず、誰にも告げず、ただ静かに見守り続けたのか——という問いにこそあります。そこには、親子という関係を超えた、深い人間理解と、言葉にされない優しさが横たわっています。 センシティブな題材を、露骨な描写や扇情的な表現に頼ることなく、あくまで颯真の内省的な視点から丁寧に紡ぎ出しています。読者は、主人公の痛みと恥ずかしさを共有しながら、同時に、彼を破綻から救った「沈黙の救済」の重みと温かさを感じ取ることでしょう。 これは、一つの過ちと、その赦しについての物語です。また、成長とは時に恥ずかしい過去を背負いながら、他者の無償の寛容さによって初めて前を向けるようになる過程であること、そして家族の愛が最も深く現れるのは、時に何も言わない瞬間であることを、静かにしかし確かに伝える物語です。 どうか、登場人物たちの静かなる心の襞に寄り添いながら、ページをめくってください。

処理中です...