恋も剣も本気です!青春剣士たちのラブ・グラディエーション ~気が付くとは~れむ状態!?~

てんちょう

文字の大きさ
112 / 448
第7章 もう一つの特訓、綺麗なお姉さんの誘惑にはご注意を

甘い罠!綺麗なお姉さんの巧妙な誘惑特訓(26)――ディナーを終えて――

しおりを挟む
VIPルームに取り残された咲と恭弥は、しばらく呆然と立ち尽くしていた。
そこへ、さきほどのボーイが不思議そうに部屋に入ってくる。だが、咲の姿を目にした瞬間、慌てて顔を逸らした。

「大変申し訳ありません。失礼しました。」

そう言って、そそくさと部屋を出ていった。

咲は何が起こったのか一瞬分からなかったが、恭弥は咲に目を向けて気がついた。

「咲、それ……何とかならないか。……さすがにそれは目のやり場に困るというか……。」

咲は恭弥の言葉に続くように、自分の格好を見てようやく状況を理解した。

「きゃああっ! 恭弥くん以外の男の人に見られた……! 私、もう生きていられない……!」

咲は顔を真っ赤にしてその場に座り込み、泣き出してしまった。
恭弥はあわてて自分のスーツの上着を脱ぎ、そっと咲にかけてやる。

「咲は大丈夫。誰が見ても、本当に綺麗で素敵な女の子だよ。……俺以外に見られたのは、正直、悔しいけど。俺が咲を守るから。ね、泣き止んでよ。」

その言葉に、咲は少しだけ泣き止み、上目遣いで恭弥を見つめた。

「……それじゃあ、本当に責任取ってね。ドレス直すの手伝って……。」

咲が甘えるような声でお願いすると、恭弥も照れくさそうに笑いながら頷いた。
ふたりは顔を赤くしながら、協力してドレスを整えた。

そしてそのまま、照れるように並んでVIPルームを後にした。

ところが――

そのすぐあと、美弥子からの連絡で、とんでもないことが告げられる。
今夜から利用できる部屋は、恭弥の部屋ひとつだけ。咲の部屋は、なぜか使えなくなっていたのだ。

「ちょっと、お母さん、これはどういうことなのよ! 私の部屋、使えないんだけど!」

咲は電話越しに抗議したが、美弥子はすでに専用ヘリで飛び立っており、手続きの変更は不可能だった。

結局、恭弥と咲は、一つの部屋で一週間を過ごすことになってしまった。

「どうしよう……。ごめんね、恭弥くんまで巻き込んじゃって……。私、別の部屋を探してくる。いくらなんでも、同じ部屋はまずいよね……。聖奈のこともあるし……。私、本当に、聖奈にこれ以上恨まれることはしたくないの……。だから、恭弥くんはこの部屋使って!」

咲がそう言って、エレベーターに乗ろうとした時――
恭弥が、咲の手をそっと取って止めた。

「咲が嫌じゃなければ……俺は、一緒でも大丈夫だよ。俺、ソファーで寝るから。」

「……いいの? 同部屋だよ? 聖奈にこのことがバレたら、どうするの?」

咲は不安そうに聞いた。
けれど、恭弥はゆっくりと咲に向き直って、まっすぐに答えた。

「実際、もう俺は……聖奈を裏切ってるから……。それに、こんな豪華な部屋、ひとりじゃ持て余すだけです。だから咲にいてほしいんだ!俺のわがまま……聞いてもらえますか?」

咲は少し沈黙して、それからふっと笑った。

「これは聖奈に対する裏切り行為だぞ。でも……これはふたりだけの秘密。もし聖奈にバレたら、私が一緒に謝ってあげるよ。それでも許してくれなかったら――私が、恭弥くんの面倒を見るから。」

咲はそう言って恭弥の手を握り、その指先で彼の口元をそっとなぞる。

「このこと、後悔させないから。絶対に、強くなって帰ろうね。」

咲が優しく微笑むと、恭弥もつられるように微笑んで、ふたりは仲良く部屋へと戻っていった。

その後、ベッドはどうするかという話になったが、結局――
「交代で使おう」も「ジャンケンしよう」もなぜかうまくいかず、最終的にふたりで同じベッドを使うことに決まった。

恭弥も咲も、どこかぎこちなく笑いながら、そしてどこかドキドキしながら――
その夜、同じベッドで、少しだけ距離を空けて横になった。
そして、恭弥にとって本当に長かった1日を終えた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

隣に住んでいる後輩の『彼女』面がガチすぎて、オレの知ってるラブコメとはかなり違う気がする

夕姫
青春
【『白石夏帆』こいつには何を言っても無駄なようだ……】 主人公の神原秋人は、高校二年生。特別なことなど何もない、静かな一人暮らしを愛する少年だった。東京の私立高校に通い、誰とも深く関わらずただ平凡に過ごす日々。 そんな彼の日常は、ある春の日、突如現れた隣人によって塗り替えられる。後輩の白石夏帆。そしてとんでもないことを言い出したのだ。 「え?私たち、付き合ってますよね?」 なぜ?どうして?全く身に覚えのない主張に秋人は混乱し激しく否定する。だが、夏帆はまるで聞いていないかのように、秋人に猛烈に迫ってくる。何を言っても、どんな態度をとっても、その鋼のような意思は揺るがない。 「付き合っている」という謎の確信を持つ夏帆と、彼女に振り回されながらも憎めない(?)と思ってしまう秋人。これは、一人の後輩による一方的な「好き」が、平凡な先輩の日常を侵略する、予測不能な押しかけラブコメディ。

ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話

桜井正宗
青春
 ――結婚しています!  それは二人だけの秘密。  高校二年の遙と遥は結婚した。  近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。  キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。  ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。 *結婚要素あり *ヤンデレ要素あり

中1でEカップって巨乳だから熱く甘く生きたいと思う真理(マリー)と小説家を目指す男子、光(みつ)のラブな日常物語

jun( ̄▽ ̄)ノ
大衆娯楽
 中1でバスト92cmのブラはEカップというマリーと小説家を目指す男子、光の日常ラブ  ★作品はマリーの語り、一人称で進行します。

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

むっつり金持ち高校生、巨乳美少女たちに囲まれて学園ハーレム

ピコサイクス
青春
顔は普通、性格も地味。 けれど実は金持ちな高校一年生――俺、朝倉健斗。 学校では埋もれキャラのはずなのに、なぜか周りは巨乳美女ばかり!? 大学生の家庭教師、年上メイド、同級生ギャルに清楚系美少女……。 真面目な御曹司を演じつつ、内心はむっつりスケベ。

義姉妹百合恋愛

沢谷 暖日
青春
姫川瑞樹はある日、母親を交通事故でなくした。 「再婚するから」 そう言った父親が1ヶ月後連れてきたのは、新しい母親と、美人で可愛らしい義理の妹、楓だった。 次の日から、唐突に楓が急に積極的になる。 それもそのはず、楓にとっての瑞樹は幼稚園の頃の初恋相手だったのだ。 ※他サイトにも掲載しております

処理中です...