恋も剣も本気です!青春剣士たちのラブ・グラディエーション ~気が付くとは~れむ状態!?~

てんちょう

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第8章 特訓終了、でも帰ったら修羅場が待っていた

「咲がよければ」――好きでいさせて――

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「咲。話がある。……納得できないかもしれないけど、聞いてほしい。」

背中を向けたまま動かない咲に、恭弥は真剣な声で語りかける。

「俺は、咲を愛してる。それは変わらない事実だ。
でも、聖奈のことも愛してる。……それは、ずっと俺が夢見てたことなんだ。」

咲は顔を見せないまま、かすれた声で返した。

「それで、私を捨てるのね。……仕方ないわ。もともと私のほうが後だったし。
恭弥が振った女と一緒にいたくないって気持ちも、分かる。……別のホテルに泊まる。」

ベッドから立ち上がろうとする咲の手を、恭弥はそっと握りしめた。
そして、そのまま咲に口づける。

「……んっ、んっ……ぅん……。」

咲は抵抗しようとした。けれど、どうしても恭弥を突き放せなかった。
今、自分の唇を奪っているのは、大好きな、心から愛している相手だから。
竜ヶ崎のときとは違う。振りほどいたら、きっとこれが最後になってしまう気がして怖かった。

息が続く限り、恭弥のキスはやまなかった。

「んっ……ぅんっ……っ……。」

苦敷くなってきたが、咲はそれでも離れようとはしなかった。
先に唇を離したのは、恭弥のほうだった。二人は黙ったまま、息を整えながら見つめ合った。

「咲……俺とのキス、どうだった?ちゃんと愛情、伝わったと思う?
俺は咲が好きだ。何度考えても、この気持ちは変えられない。」

咲は少し涙を浮かべたまま、怒ったような口調で言った。

「振った女にキスするなんて、最低……。私は恭弥のものじゃないんだから。もう……やめて。」

そう言って、咲は恭弥に平手をした。
けれど、恭弥はまっすぐ咲を見つめた。

「咲を振るつもりなんてない。俺は咲を愛してるんだから。」

「じゃあ……聖奈とは別れるってこと?それは……できないんでしょ?夢だったんでしょう!」

咲の問いに、恭弥は素直に答える。

「聖奈は、大事な人だ。……だから、別れることはできない。」

恭弥の矛盾に、咲の心がざわつき始めた。

「私を振らない?でも、聖奈とは変わらず付き合う?じゃあ、私に“都合のいい女”やれって言うの?私は不倫なんて絶対にしない。……プライドがあるもん。」

きっぱりと言い放つ咲に、恭弥はまっすぐな眼差しで告げた。

「不倫なんてさせない。だって――俺、咲と聖奈、両方と付き合うことに決めたんだ。」

「……両方?そんなの……ムリに決まってる。」

驚く咲に、恭弥は少し照れたように笑って言った。

「うちの家って、実は重婚OKな家系なんだよな。忘れがちだけど、法律でも認められてる。
だから俺は、咲と聖奈、二人とも幸せにしたい。平等に、どっちも……。もちろん、……咲が、よければだけど。」

咲の心は、どくんどくんと音を立てていた。顔は真っ赤で、もう恭弥の目をまともに見られなかった。

「な、何よそれ……都合いいことばっか言って……。」

言葉とは裏腹に、恭弥にすべて見透かされているようで、咲は目を逸らすしかなかった。

「咲は嫌いか?……そっか、残念だな。いい案だと思ったんだけどな。この話は――」

恭弥がわざとらしく肩を落とすと、咲はついに自分の気持ちに嘘をつけなくなった。

「……恭弥のことが好き。大好きなの。……だから、それでいい!私を愛して……恭弥の好きにして。」

恭弥に抱きついて、震える声で言った。

「これが、私の気持ちすべて。……もう、何も隠してない。ありのままの私。
どうか、受け止めて。私のすべてを――好きにして……。」

咲はそう言って恭弥にキスをした。
その夜、二人の心は重なり合い、嘘のない、本当の愛を確かめ合った。

「咲……受け取って。俺のすべてを。」

恭弥は、彼の持てる全てで、咲を優しく包み込んだ。
咲は恭弥の胸に顔をうずめながら、幸せそうにささやいた。

「私は……あなたを全力で支える。だから、聖奈にもちゃんと話そう。
合宿が終わった日に、みんなで一緒に会って、説得しよう。私も協力する。」

咲の言葉に、恭弥も優しくうなずいた。
二人で聖奈を傷つけないための言葉を、心の中で必死に探しながら――。
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