恋も剣も本気です!青春剣士たちのラブ・グラディエーション ~気が付くとは~れむ状態!?~

てんちょう

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第10章 親善試合メンバーには不可欠な存在です

茜、大金星!格上撃破!波乱の幕開け、精霊との試合

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主将・凍夜が今回の親善試合の中で、最も重要視していた対戦校――それが精霊中学だった。

試合を翌日に控えた旭日中学の剣道部には、緊張感が漂っていた。
だがその中で、凍夜は大胆な決断を下す。

恭弥に続き、月華、そして聖奈までもを今回の試合から外すと宣言したのだ。

「精霊戦は、クラブ選手権の決勝や重要局面で当たる可能性が高い。だからこそ……今は見せられない。」

凍夜はその真意を語った。
今回は、あえて“戦力を隠す”という選択を取ったのである。

だが、その代わりに彼が試合メンバーとして登録したのは――月詠だった。

「……久しぶりの実戦だけど、大丈夫。絶対に結果を出す。」

そう決意を胸に語った月詠に、今田や仲間たちも声を揃えて言った。

「大丈夫だよ、月詠!」
「お前の力はわかってる!」

旭日の部員たちは月詠を心から歓迎した。
部全体の雰囲気は、静かに、けれど確実に高まっていた。

「それでは、旭日中学対精霊中学の親善試合を開始します。」

審判の声が響くと、両校の選手たちが整列する。
だが、精霊中学の方で少しざわつきが起こっていた。

「レグルスはまだ来てないのか?もう始まるぞ。」

焦った様子で、精霊中の顧問が判断を下す。

「仕方がない。男子団体のメンバー表を提出する。レグルスは控えに。来たら交代だ。」

精霊中の顧問は急ぎ審判にメンバー表を渡した。
その様子を、恭弥、月華、聖奈、そして咲は、偽装の包帯を巻いた腕を見せながらスタンドから見守っていた。

「女子団体戦を始めます。先鋒戦、旭日中学・桃井さん、精霊中学・日比野さん、前へ。」

審判の声とともに、茜と日比野が開始線に立つ。
日比野は、昨年のクラブ選手権で女子個人3位に輝いた実力者だった。

精霊の女子メンバーは、全国の個人で3位、5位、8位を占め、まさにトップクラスが揃っていた。
退部した早乙女も、かつてこの精霊の選手に何もできず完敗した経験がある。
そして姫香も初戦で5位の選手と当たり、敗れている。

つまり、精霊のメンバーたちは、すべて“打倒・綾野聖奈”を掲げてここに来たのだ。

「なんで綾野聖奈は出てないの。私たちは彼女を倒すために来たのに。雑魚じゃ、相手にならないんだけど。」

日比野の挑発に、茜や姫香は怒りを噛み殺した。

女子団体戦の布陣はこうだ。
先鋒・茜、次鋒・宮沢、中堅・吹田、副将・姫香、大将・金山。
この布陣で、旭日は勝利を狙いにいった。

「先鋒戦、始め。」

審判の合図で、試合が始まる。
日比野は開始早々、全力で攻めてきた。

茜は、フェンリルの特殊効果を活かして攻撃を受け流しながら、反撃のチャンスを伺う。

「雑魚にしてはしぶとい。でも……あなたの動き、見切ったわ。」

日比野の動きがさらに鋭くなる。
彼女の愛刀が何度もフェンリルにぶつかり、茜の体力は徐々に削られていく。

「茜、耐えて! チャンスは絶対に来るから!」

姫香と金山の声が響く中、茜は冷静に距離を取りながら、日比野の攻撃をフェンリルへ誘導する。

痺れを切らした日比野が、ついに技を放とうと構えた――
その瞬間。

「えぇい、うっとうしい! これで最後よ! ファイナルストーム!!」

必殺技が放たれる――だが、その刹那、茜の目が鋭く光る。

「今だ……!」

茜の体が駆けた。
カウンターのように、一気に距離を詰める。

「フェッシングアロー・エンドオブファング!!」

無数の牙をもった狼の影が、フェンリルから放たれた。
日比野の刃が砕け、そして狼たちがその肉体を貫く。

「私の……刀が……。」

日比野は力を失い、その場に崩れ落ちた。

「勝負あり。勝者、旭日中学・桃井さん。」

審判の声が響く。
茜にとっては、大金星だった。
昨年個人8位――誰もが強敵と認める相手に、堂々と勝ったのだ。

その勝利は、彼女自身だけでなく、旭日中学にとっても大きな意味を持つものだった。

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