恋も剣も本気です!青春剣士たちのラブ・グラディエーション ~気が付くとは~れむ状態!?~

てんちょう

文字の大きさ
181 / 448
第11章 旭日中学剣術部の恋愛事情 前編

尻に敷かれて愛されて!?最強家族と親友たちの誓い

しおりを挟む
月詠と月華は顔を見合わせ、あきれたように肩をすくめた。

「おじさん、ほんとモテるけど、まったく落ち着きないよね。」

「もうちょっとスマートに切り抜けてくれたら、かっこよかったのに。」

そんな二人の小声の会話のあと、咲が一歩前に出て、場の空気を切るように言葉を紡いだ。

「初めまして、私は聖奈とはクラスメイトで、恭弥君とは部活の先輩をさせてもらってる姫柊咲と言います。この度は何度も助けてもらいありがとうございます。特にお父様には、先日の学校でも、今ここでも、母と私を助けてもらいました。うちの母がバカなことして、本当に申し訳ありません。それでお父様がお母様方に怒られるのは、あまりにも不憫だと思いまして……こうして私が出しゃばったことは謝ります。だから、どうかお父様を許してもらえませんか?」

咲のまっすぐな願いに、奏と聖歌は思わず恭介を放して、咲の言葉に耳を傾けた。

「そうだったのね。大体わかったわ。こっちこそ、怖がらせてごめんね。」

奏が微笑むと、聖歌も優しく続けた。

「恭介くんも恭介くんだよ。もっと早く言ってくれればよかったのに。」

「だって、奏と聖歌、俺の話全然聞いてくれないじゃん……。」

恭介が拗ねたように言うと、聖歌は少し申し訳なさそうな表情を浮かべた。しかし、奏は容赦なかった。

「恭介が悪い。それなら力使って振り切れば簡単なことでしょ? それを使わなかった恭介が悪いんだし。……それに、つぐみさんにあんな距離で迫られたら、動けないのも無理ないかもね。美人で気が強くて、しかも人妻であの“ボリューム”。……まあ、私じゃ到底敵わないもの。」

奏がにやっと笑って言うと、恭介はまんざらでもない顔をした。

次の瞬間――奏の手が朱星光月を握っていた。

「ご愁傷様。」

ごつん、と鈍い音が響き、恭介の頭に的確な一撃が飛んだ。

聖歌も、そんな恭介を庇いつつ、美弥子に鋭い視線を向けた。

「あの、姫柊さんでしたか。うちの恭介くんを誑かさないでくださいね。恭介くん、こう見えても初心なんですから。」

その言葉に、世界の歌姫に叱られた美弥子は思わず反省した表情を見せた。

そして、聖歌はつぐみにも向き直る。

「つぐみさんも、冗談はやめてください。こないだもつぐみさんの話題で、恭介くん、奏ちゃんに食事抜きって言われたんですから。恭介くんは玩具じゃないんですよ?」

その言葉に、これまで黙っていた恭弥、聖奈、月華、月詠が一斉に吹き出した。

「父さん、なんか母さんたちには完全に尻に引かれてるじゃん。」

「パパ、かっこ悪いよ……。」

「おじさん、ダサ過ぎる……。」

「確かにおじさん、ダサいよ。私もこうやって月詠、尻に引きたいな~。」

四人の一斉攻撃に、恭介はもはやぐうの音も出なかった。

「それで……どうやってこの場、収集つけるの?」

奏が腕を組んで尋ねると、聖歌はにっこり笑ってつぐみを見た。

「そうね。つぐみさんにも罰ゲームしてもらおうよ。どう見ても、つぐみさんが一番楽しんでたし。」

「そうね。優悟さんに言って、つぐみさんをたっぷり“反省タイム”にしてもらおう。」

奏が追い打ちをかけると、つぐみは焦って後ずさりしながら言った。

「わ、私、仕事があるから……この辺でお暇するねっ!」

逃げようとした瞬間、両腕をがっしりと奏と聖歌に捕まれてしまった。

「奏ちゃん、聖歌ちゃん……お願い、許してぇ~!」

つぐみの叫びは、二人の手に阻まれ、容赦ないお説教タイムが始まった。

それを見ていた咲はぽつりと呟いた。

「仲が良いんですね……。」

美弥子も笑って頷いた。

「本当に仲がいいなぁ。私も聖奈や姫香、恭弥、月華、月詠と、こんな関係になりたいなぁ……。」

その言葉に、聖奈がはにかみながら答えた。

「そんなの当たり前だよ。だって私たち、もう……恭弥を中心にした“親友以上の関係”だもん。こうならないはずないよ。……ずっと親友だよ、咲。」

聖奈の言葉に、咲の目からポロリと涙がこぼれた。

「最近の咲は、泣き虫だなぁ。……よしよし。退院したら、みんなでいっぱい遊ぼうね。でもその前に、クラブ選手権で暴れてやろうね。だから咲、早く治してね。」

聖奈が咲の手を取ると、そこに月華、月詠、そして恭弥の手が重なる。

「俺たちの目標は……クラブ選手権、全種目完全優勝だ。」

恭弥の一言に、聖奈も咲も月華も月詠も力強く頷いた。

そして、全員の手が天井に向けて高く掲げられた――ナンバーワンを示す、その指が誓いのしるしのように。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

隣に住んでいる後輩の『彼女』面がガチすぎて、オレの知ってるラブコメとはかなり違う気がする

夕姫
青春
【『白石夏帆』こいつには何を言っても無駄なようだ……】 主人公の神原秋人は、高校二年生。特別なことなど何もない、静かな一人暮らしを愛する少年だった。東京の私立高校に通い、誰とも深く関わらずただ平凡に過ごす日々。 そんな彼の日常は、ある春の日、突如現れた隣人によって塗り替えられる。後輩の白石夏帆。そしてとんでもないことを言い出したのだ。 「え?私たち、付き合ってますよね?」 なぜ?どうして?全く身に覚えのない主張に秋人は混乱し激しく否定する。だが、夏帆はまるで聞いていないかのように、秋人に猛烈に迫ってくる。何を言っても、どんな態度をとっても、その鋼のような意思は揺るがない。 「付き合っている」という謎の確信を持つ夏帆と、彼女に振り回されながらも憎めない(?)と思ってしまう秋人。これは、一人の後輩による一方的な「好き」が、平凡な先輩の日常を侵略する、予測不能な押しかけラブコメディ。

ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話

桜井正宗
青春
 ――結婚しています!  それは二人だけの秘密。  高校二年の遙と遥は結婚した。  近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。  キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。  ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。 *結婚要素あり *ヤンデレ要素あり

中1でEカップって巨乳だから熱く甘く生きたいと思う真理(マリー)と小説家を目指す男子、光(みつ)のラブな日常物語

jun( ̄▽ ̄)ノ
大衆娯楽
 中1でバスト92cmのブラはEカップというマリーと小説家を目指す男子、光の日常ラブ  ★作品はマリーの語り、一人称で進行します。

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

むっつり金持ち高校生、巨乳美少女たちに囲まれて学園ハーレム

ピコサイクス
青春
顔は普通、性格も地味。 けれど実は金持ちな高校一年生――俺、朝倉健斗。 学校では埋もれキャラのはずなのに、なぜか周りは巨乳美女ばかり!? 大学生の家庭教師、年上メイド、同級生ギャルに清楚系美少女……。 真面目な御曹司を演じつつ、内心はむっつりスケベ。

義姉妹百合恋愛

沢谷 暖日
青春
姫川瑞樹はある日、母親を交通事故でなくした。 「再婚するから」 そう言った父親が1ヶ月後連れてきたのは、新しい母親と、美人で可愛らしい義理の妹、楓だった。 次の日から、唐突に楓が急に積極的になる。 それもそのはず、楓にとっての瑞樹は幼稚園の頃の初恋相手だったのだ。 ※他サイトにも掲載しております

処理中です...