恋も剣も本気です!青春剣士たちのラブ・グラディエーション ~気が付くとは~れむ状態!?~

てんちょう

文字の大きさ
383 / 448
第21章 愛奈の正体と最後の天将、聖奈は特訓場へ到着する

ヤバっ!三股は対象外!? 嫉妬の神・太陰、愛の試練はガチだった⁉

しおりを挟む
残る十二天将はあと二体。太陰と天空。

恭弥はリビングのソファに深く腰を下ろしながら、朱雀や貴人たちと共に次の交渉に向けた準備をしていた。

「……太陰と天空。さて、どうやって説得すればいいんだ?」

心の中は不安でいっぱいだった。

(太陰って、どんな神なんだ……? 天空は清明でさえ手を焼いたって……俺なんかに、ほんとにどうにかできるのか……?)

そんな弱気を押し殺すように、恭弥は貴人に問いかけた。

しかし、貴人は即座に眉をひそめる。

『我にも、あの二体のことは容易には測れぬ。太陰は——まだ説得の余地がある。だが、天空は……清明でさえ苦戦した相手。容易ではない。』

その言葉に恭弥の背中がざわりとした。

(やっぱり、そうか……)

咲が少し前の会話を思い出しながら口を開いた。

「ねえ、太陰は後回しにしたほうがいいって、朱雀が言ってたよね? あれって、どういう意味?」

その問いに答えるよりも早く、貴人がじっと咲を見て、唐突に問う。

『そこの娘よ。そなたは主と、どういう関係にある? 主には既に思い人がいると聞いたが、そなたがその者か?』

「俺には恋人がいる。聖奈っていうんだ。」

恭弥は真っ直ぐにそう答えた。

「咲は……聖奈と同じくらい、大切な人だ。でも、どうして今そんなことを?」

言い終えた瞬間、恭弥の胸に小さな罪悪感が波打った。

(同じくらい大切って……それって、本当にフェアなのか?)

咲は一瞬だけ目を伏せた。
だが、貴人は冷静なまま言い放つ。

『それこそが、太陰を攻略する上での最大の障壁である。』

「どういう意味だ……?」

貴人は重く、はっきりと言った。

『太陰は、嫉妬の神である。己が選んだ者に“ただ一人”を望む。二人も三人も、愛する相手がいる者には心を開かぬ。主よ、ここで答えを出さねば、説得は成り立たぬ。』

「……え?」

(太陰って、嫉妬の神だったのか……! そんな……!)

その言葉に咲が噛みついた。

「なにそれ……。恭弥は、誰よりも人を大事にしてる。私も聖奈も、茜だって。みんな必要としてくれて、それが恭弥の優しさじゃない。なのに、それを否定するなんて……!」

貴人は静かに言葉を返した。

『その優しさこそが、太陰にとっての裏切りに映るのだ。かつて清明も同じ苦悩を抱えていた。太陰は理屈では動かぬ。心の芯にある“唯一”という信念だけで動く。』

咲は拳を握りしめて、唇を噛み締めた。

「そんな……じゃあ、恭弥は“誰か一人”を選ばなきゃいけないってこと? ……それって、聖奈を選ぶってことなの……?」

恭弥の胸が軋むように痛んだ。

(俺は……誰も傷つけたくない。でも、現実はそう甘くない。聖奈を選べば、咲を……咲を選べば、聖奈を裏切ることになる)

心の中で自問自答が渦を巻く。

(俺は何を守りたい? 聖奈の笑顔? 咲の強さ? それとも、全部……?)

——全部守れると思ってた。
——でも、それはただの甘えだったんじゃないか?

(聖奈は……俺が他の子とも仲良くするのを許してくれた。でも、それは本当の気持ちだったのか? 本当は、俺だけを見てほしいって思ってたんじゃ……?)

恭弥はふと咲の方を見る。
笑おうとしているけど、目が揺れている。

(咲だって、きっと気づいてる。俺の中で、どこか矛盾してることに……)

そのときだった。

部屋の空気が一瞬にして変わった。
ぴしり、と音がしたかと思うと、どこからともなく淡い光が差し込む。

そこに現れたのは、沈黙を守っていた愛奈だった。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

隣に住んでいる後輩の『彼女』面がガチすぎて、オレの知ってるラブコメとはかなり違う気がする

夕姫
青春
【『白石夏帆』こいつには何を言っても無駄なようだ……】 主人公の神原秋人は、高校二年生。特別なことなど何もない、静かな一人暮らしを愛する少年だった。東京の私立高校に通い、誰とも深く関わらずただ平凡に過ごす日々。 そんな彼の日常は、ある春の日、突如現れた隣人によって塗り替えられる。後輩の白石夏帆。そしてとんでもないことを言い出したのだ。 「え?私たち、付き合ってますよね?」 なぜ?どうして?全く身に覚えのない主張に秋人は混乱し激しく否定する。だが、夏帆はまるで聞いていないかのように、秋人に猛烈に迫ってくる。何を言っても、どんな態度をとっても、その鋼のような意思は揺るがない。 「付き合っている」という謎の確信を持つ夏帆と、彼女に振り回されながらも憎めない(?)と思ってしまう秋人。これは、一人の後輩による一方的な「好き」が、平凡な先輩の日常を侵略する、予測不能な押しかけラブコメディ。

ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話

桜井正宗
青春
 ――結婚しています!  それは二人だけの秘密。  高校二年の遙と遥は結婚した。  近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。  キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。  ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。 *結婚要素あり *ヤンデレ要素あり

中1でEカップって巨乳だから熱く甘く生きたいと思う真理(マリー)と小説家を目指す男子、光(みつ)のラブな日常物語

jun( ̄▽ ̄)ノ
大衆娯楽
 中1でバスト92cmのブラはEカップというマリーと小説家を目指す男子、光の日常ラブ  ★作品はマリーの語り、一人称で進行します。

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

むっつり金持ち高校生、巨乳美少女たちに囲まれて学園ハーレム

ピコサイクス
青春
顔は普通、性格も地味。 けれど実は金持ちな高校一年生――俺、朝倉健斗。 学校では埋もれキャラのはずなのに、なぜか周りは巨乳美女ばかり!? 大学生の家庭教師、年上メイド、同級生ギャルに清楚系美少女……。 真面目な御曹司を演じつつ、内心はむっつりスケベ。

服を脱いで妹に食べられにいく兄

スローン
恋愛
貞操観念ってのが逆転してる世界らしいです。

処理中です...