把握しすぎる勇者

れんたろう

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ミッターマイヤー家にお世話になる、把握した

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盗賊を倒し、ガーネット達が言う町に向かって歩いていた。

 新は、未来視により事前に危険を回避すべく気を張っていたが、杞憂だったようだ。

 何事もなく町につくなり、血だらけの姿で現れたガーネット達を見て衛兵が応援を呼び騒然となった。



「アルベル様!治癒師を手配しなさい!すぐにです!お湯とタオルを!後、ポーションもですよ!!――ささ、アルベル様、こちらで横になってください」

「オクトー、この二人もお願いします。幸い軽症程度で済んでますが手当てを。エステル!あなたはクドウ様をご案内してさしあげて。命の恩人です、失礼のないように」

「承知致しました」

「クドウ様、こちらです」



 エステルと呼ばれた少女に着いていき大騒ぎになっている玄関から離れ奥の部屋に案内された。



「シャワーはこちらになります。着替えはこちらに、代わりのものを用意いたしますので」



 エステルは、緑色の髪に褐色の肌、青い目をしたなんとも目をひく美少女だった。

 そんな美少女が、こちらを見たまま待機している。

 何を待っているのか――ッ

 新が服を脱ぐのを待っているらしい。



「あの、恥ずかしいので外に出てもらえますか?」

「これは失礼致しました。では私は外に出ておりますので、脱ぎ終わりましたらお声かけ下さい」

「わかりました」



 お辞儀をしドアが閉まると新は、血で汚れた服を脱ぎカゴに入れた。

 外で待機しているエステルさんに声をかけるとカーテンの向こうで回収する影が見えてそのまま外に出て行った。

 汗だくになった体を流し外に置いてあるタオルで体を拭いていると、ノックがしてエステルが着替えを持ってきてくれたようだ。



「お着替えをお持ちいたしました。それでは、失礼致します」



 エステルが腰に巻いたタオルを剥ぎ取ろうとしている。



「ちょっと、何しているのですか!?あ、力強い!」

「ガーネット様の恩人とあらば、失礼を働くわけにはいきません。お任せください」

「いや、一人で着替えられるので大丈夫です!――ッ」



 未来視が発動した。

 ダメだ、全パターン同じ姿が視える。



「誰か助けてくださ~~~い」




 ◆



 顔を赤くしたガーネットの隣でエステルがシュンとして立っていた。

 新の悲鳴を聞き駆けつけた執事とガーネットによって救出されたが事情を聞き自分のメイドがまさか恩人の裸を見ようとしていたという事実に恥ずかしさで真っ赤にしていた。



「本当に申し訳ありません、クドウ様。エステル!何を考えているの!」

「申し訳ございません、よかれと思ってのことだったのですが・・・」

「いや、まあ、いいですよ。悪気があったわけじゃないでしょうし」



 執事が入れてくれたお茶を嗜んでいると、馬車が止まる音がしてメイドが玄関に向かって移動する姿が見えた。



「ガーネット様、旦那様がお帰りになられました」

「クドウ様、少々お待ちください」



 ガーネットは、執事と共に玄関に向かう。

 部屋に残されるエステルと新。

 気まずさにお茶が手放せず、カップで顔を隠すようにチマチマ飲んでいた。



「ガーネット!大丈夫だったか!?聞いたぞ!盗賊に襲われたと」

「お父様、幸いなことに私は大丈夫です。ただ、私を守るために亡くなった方が」

「ああ・・・今、現場に向かわせている。手厚く弔ってやらねばな。アルベルが重症だと聞いたが大丈夫か?」

「はい、今は治癒師による処置で落ち着いています」

「そうか、アルベルには感謝せねばならんな」

「旦那様、クドウ様がお待ちです」

「クドウ?」

「私達を助けてくださった、命の恩人です。クドウ アラタ様とおっしゃいます」

「何?!そうだったのか」



 声が大きいから、全部こちらに筒抜けだった。

 エステルが扉の横に移動して主を出迎える準備をしている。



「失礼、おお、貴方がクドウ アラタ様ですか。うちの娘を助けていただき感謝致します。私はベネット・ミッタマイヤー。この町の領主をしております」

「クドウ アラタです。宜しくお願いします」



 新は、ベネットさんに何があったのか教えて欲しいと頼まれ、あの時起こったことを説明した。



「なるほど、町に向かう途中で偶然出くわしたと。クドウ様がクリューセルに来てくださらなかったら、今頃、大変なことになっていましたな。重ね重ねお礼申し上げる」

「お父様、クドウ様は凄いのよ。10人を相手に傷を負うこともなく一瞬で倒してしまったのですから」

「ほう、10人を相手にですか。それはすごいですな。ジョブは何を?」

「いえ、冒険者にはこれからですので。ん~無職ってことになりますかね」



 ハハハと笑う新にベネットは口を大きく開けて驚いていた。



「何もスキルもなしに、武器を持った盗賊10人に無傷で勝っ・・た?いやはや、御見それいたしました。どこかで武術の心得が?」

「――ッ・・・あ~はい、昔、ベルトラムで教えを請いました」

「ほう!あのベルトラムで!いや、あそこは剣に限らず無手の技も優れていますからな。では、冒険者にということは、ここを拠点にしていただけるといこうとですかな?」

「はい、しばらくはそのつもりです」

「おお、クドウ様のようなお強い方が、きてくださるとは。これほど頼もしいことはありませんな。ギルドには私のほうから口添えをしておきましょう」

「ありがとうございます」

「オクトー」



 ベネットが手をパンパンと叩くと老執事のオクトーが盆に袋をのせて現れた。



「こちら、娘を助けていただいた御礼になります。ささっ」

「いえ!そんな、当然のことをしたまでです。受け取れませんよ」

「そうおっしゃらないで下さい。私の気持ちがおさまりません。どうか」



 ベネットさんの気持ちを無碍にもできず、ありがたく頂戴することにした。

 正直、無一文でこっちにきている新からしたら、ありがたいことだったからだ。



「今日は、もう遅いですし、今夜はどうぞ我が家に泊まってください。精一杯もてなさせていただきますぞ!」



 この後、ベネットさんのもてなしが夜中まで続きベッドに入れたのは日が上がりかけるところだった。
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