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僕はテディー

さん

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 僕はやっぱり動けないただのテディベア。だから帰ってこない瞳ちゃんを部屋で座って待ち続けるしか出来なかった。

 きっと瞳ちゃんは旅行にでも行ったんだ、だからもう少しすれば帰ってくる。と、僕自身を騙し騙しながら待ち続けた。そうとでも考えないと、僕は悲しみで溢れちゃうから。

 瞳ちゃん、瞳ちゃん、早く僕に笑顔を見せて。そう言いたかった。でも、やっぱり喋れない。動けない。

 なんで僕は動けないの? なんで瞳ちゃんは部屋に戻ってこないの?

 ただ僕は瞳ちゃんの笑顔を見たいだけなのに。

 僕は心の中でずっと瞳ちゃんを想って泣いていた。ただのテディベア故に物理的には涙は出ないが、それでも心の中ではずっとずっと。

 とても寂しかった。悲しかった。瞳ちゃんがいないだけでこんなにも悲しくなる。それだけ瞳ちゃんの存在は、僕にとって大事だったんだ。

「瞳ちゃん、瞳ちゃん、ねぇ、今どこにいるの?」

 僕の声は瞳ちゃんは疎か、この世界の誰にも届かない──






 あれからどれくらい時間が経っただろうか。分からなくなる程長い間心の中で泣いていた。もしかしたら現実時間はそこまで経っていないのかもしれない。それでも、何年も何年も泣き続けているような気もする。




 そんな風に、僕の中にある『悲しみ』や『後悔』がだんだんと積み重なっていった。
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