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一章
三十六 キャンサー
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マロンの属性鑑定をする為に、十二星座全員で鑑定する場所である教会へと向かう。
マロンの右にボク、左にカプリコーン。この二人に手を引かれながらマロンは歩いている。無意識のうちに風属性魔法を使わなくても良いように、との配慮らしい(カプリコーン談)。
しかしそうすると通りかかる人からの刺々しい悪口が聞こえてくる。何故あんなちんちくりんが十二星座の方々と親しくしているんだ、とかなんとか……。
ボクはその声達に一々反応してしまう。違う! マロンはポラリス候補になり得るんだ! と声を大にして言いたい気分だったが、まだ確定はしていないから何も言えない。
ボクは十中八九全属性持ちだと思っているが、万が一ということもある。この世界のトップたる者、迂闊に発言は出来ないからね。
悶々とした気持ちで教会に着いた。先に教会に話も通してあるし、今挨拶にはアリーズとサジタリアスが行ったからボク達はそのまま鑑定場所に向かう。
「マロンはきっと全属性持ちだよね?」
「さぁー、どうだろうねー?」
マロンはボクの質問に軽い返事をする。む……ボクは本気で聞いてるのに……。
「大丈夫ですよ! 僕もマロンさんが全属性持ちだと思いますから!」
リーブラも続けてそう言う。リーブラは嘘を言わない人間なので、心からそう思っての発言なのだろうことは容易に分かった。
「俺様もマロンがポラリス候補足り得ると思う! なんたってアリーズとキャンサーとヴァーゴを一瞬で沈めたのだからな! 今度俺様とも手合わせ願おう!」
ふははは! といつも通り五月蝿いリオ。ちょっと黙っててくれないかな。
「さあ、マロン。ここに手を置いて?」
「うん。」
カプリコーンがマロンの手を取って鑑定石に置く。これに触れれば後は鑑定士という者が調べてくれる。なんか、鑑定士にしか見えない何かを感じ取って属性魔法の測定をするらしい。詳しくは知らないけど。
「……成る程。」
鑑定士はサラサラと紙に何かを書き写し、納得したようにボク達の方を向く。
「マロンさんは火、風、土の三属性持ちですね。」
その言葉に絶望したような声を漏らしたのは誰だったか。いや、多分全員だろう。
マロンの右にボク、左にカプリコーン。この二人に手を引かれながらマロンは歩いている。無意識のうちに風属性魔法を使わなくても良いように、との配慮らしい(カプリコーン談)。
しかしそうすると通りかかる人からの刺々しい悪口が聞こえてくる。何故あんなちんちくりんが十二星座の方々と親しくしているんだ、とかなんとか……。
ボクはその声達に一々反応してしまう。違う! マロンはポラリス候補になり得るんだ! と声を大にして言いたい気分だったが、まだ確定はしていないから何も言えない。
ボクは十中八九全属性持ちだと思っているが、万が一ということもある。この世界のトップたる者、迂闊に発言は出来ないからね。
悶々とした気持ちで教会に着いた。先に教会に話も通してあるし、今挨拶にはアリーズとサジタリアスが行ったからボク達はそのまま鑑定場所に向かう。
「マロンはきっと全属性持ちだよね?」
「さぁー、どうだろうねー?」
マロンはボクの質問に軽い返事をする。む……ボクは本気で聞いてるのに……。
「大丈夫ですよ! 僕もマロンさんが全属性持ちだと思いますから!」
リーブラも続けてそう言う。リーブラは嘘を言わない人間なので、心からそう思っての発言なのだろうことは容易に分かった。
「俺様もマロンがポラリス候補足り得ると思う! なんたってアリーズとキャンサーとヴァーゴを一瞬で沈めたのだからな! 今度俺様とも手合わせ願おう!」
ふははは! といつも通り五月蝿いリオ。ちょっと黙っててくれないかな。
「さあ、マロン。ここに手を置いて?」
「うん。」
カプリコーンがマロンの手を取って鑑定石に置く。これに触れれば後は鑑定士という者が調べてくれる。なんか、鑑定士にしか見えない何かを感じ取って属性魔法の測定をするらしい。詳しくは知らないけど。
「……成る程。」
鑑定士はサラサラと紙に何かを書き写し、納得したようにボク達の方を向く。
「マロンさんは火、風、土の三属性持ちですね。」
その言葉に絶望したような声を漏らしたのは誰だったか。いや、多分全員だろう。
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