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一章 五月の日常
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カヨside
私は生徒会メンバーの一人であるミドリさんが所属する三年四組へと向かう。その教室を覗いてみると、当の本人は席についてティータイムに勤しんでいた。彼の緑茶のように温かい緑色の髪は見つけやすいな、だなんて考えながら歩みを進める。
ミドリさんは自前の水筒からこれまた自前のコップへと中身を移し、コクリと飲み干す。そしてホンワカと頬を緩める。それをひたすら一人で繰り返していた。中身は多分いつもと同じく緑茶だと思われる。
私はそんなミドリさんの目の前に立ち、呼びかける。
「ミドリさん。おはようございます。」
「あ、珈夜さんだ~おはよ~。どうしたの~?」
緩い話し方とふんわり柔らかい笑みを浮かべるミドリさんに少々癒されながら、私は要件を簡潔に伝える。
「今日も放課後に生徒会の仕事があるようです。」
「分かった~。じゃあ放課後になったらすぐ行くね~」
「そうしていただければ。では私はグレンにも伝えねばならないので、これで。」
「は~い。いつもありがとうね~」
ミドリさんの大きく温かい手はポンポンと何度か私の頭を撫でる。それを享受しながら、私は複雑な思いを心に秘めていた。
私にその大きな手があれば、その高い背があれば、ミドリさんのように男性であれば。そんなタラレバを考えてしまうのだ。私が男ならシスイ様の騎士としてもっと彼女を助けられるだろうに、と。
そんな考えをミドリさんに悟られないように真顔を保ち、一度会釈をしてから教室を後にした。
もう一人の生徒会メンバーであるグレンは三年七組。ここからは遠くて赴くのが嫌になるが、これはシスイ様からの伝言である。伝えないという選択肢はない。そんな義務感で足を進める。
教室へと向かっていると、その手前の廊下に特徴的な濃い紅茶色の髪が見えた。あんな髪色なのはこの学校でもグレンしかいない。
「……」
本音を言うならグレンは苦手な分類に入る。シスイ様を否定するから。だからなるべく話したくはないのだが、私もグレンもシスイ様に選ばれた生徒会メンバーである。私情で今期生徒会を壊してはいけない、とグッと怒りを抑えて話しかける。
「グレン」
「さんを付けなさい。先輩なんだから。いつも言っているだろう。」
グレンの切れ長な目から覗く明るい紅茶色は私を咎めるようにスッと細くなる。それに不快感を覚えるがグッと堪え、余計なことを言わないように黙っておく。
「……」
「あーあー、本当お前さんは二年生なのに生意気だよなァ。まあ、生徒会長サマも二年生か。」
「……今日も放課後生徒会デス。」
「はいはい。……というか生徒会長サマは携帯も持っていないのか? 毎回お前さんが伝達係になっているじゃあないか。」
「……シスイ様は携帯を持たせてもらえないらしいです。」
「ふぅん? 今時珍しいな。」
「……。」
「それにしてもそこまで知っているだなんて、相変わらずお前さんは生徒会長サマの犬だな。」
「……」
私がシスイ様の犬なのは本当だが、その嘲りが混じった声は聞こえない聞こえないあーあーあー。心の中で耳を塞いでおく。
シスイ様のお家は前時代的なのだろうことは、シスイ様と関わっていると実感する。だが……それだけではないと思ってしまう私がいるのも事実。まあ、勘なのだが。
何もなければいいけど……
私は生徒会メンバーの一人であるミドリさんが所属する三年四組へと向かう。その教室を覗いてみると、当の本人は席についてティータイムに勤しんでいた。彼の緑茶のように温かい緑色の髪は見つけやすいな、だなんて考えながら歩みを進める。
ミドリさんは自前の水筒からこれまた自前のコップへと中身を移し、コクリと飲み干す。そしてホンワカと頬を緩める。それをひたすら一人で繰り返していた。中身は多分いつもと同じく緑茶だと思われる。
私はそんなミドリさんの目の前に立ち、呼びかける。
「ミドリさん。おはようございます。」
「あ、珈夜さんだ~おはよ~。どうしたの~?」
緩い話し方とふんわり柔らかい笑みを浮かべるミドリさんに少々癒されながら、私は要件を簡潔に伝える。
「今日も放課後に生徒会の仕事があるようです。」
「分かった~。じゃあ放課後になったらすぐ行くね~」
「そうしていただければ。では私はグレンにも伝えねばならないので、これで。」
「は~い。いつもありがとうね~」
ミドリさんの大きく温かい手はポンポンと何度か私の頭を撫でる。それを享受しながら、私は複雑な思いを心に秘めていた。
私にその大きな手があれば、その高い背があれば、ミドリさんのように男性であれば。そんなタラレバを考えてしまうのだ。私が男ならシスイ様の騎士としてもっと彼女を助けられるだろうに、と。
そんな考えをミドリさんに悟られないように真顔を保ち、一度会釈をしてから教室を後にした。
もう一人の生徒会メンバーであるグレンは三年七組。ここからは遠くて赴くのが嫌になるが、これはシスイ様からの伝言である。伝えないという選択肢はない。そんな義務感で足を進める。
教室へと向かっていると、その手前の廊下に特徴的な濃い紅茶色の髪が見えた。あんな髪色なのはこの学校でもグレンしかいない。
「……」
本音を言うならグレンは苦手な分類に入る。シスイ様を否定するから。だからなるべく話したくはないのだが、私もグレンもシスイ様に選ばれた生徒会メンバーである。私情で今期生徒会を壊してはいけない、とグッと怒りを抑えて話しかける。
「グレン」
「さんを付けなさい。先輩なんだから。いつも言っているだろう。」
グレンの切れ長な目から覗く明るい紅茶色は私を咎めるようにスッと細くなる。それに不快感を覚えるがグッと堪え、余計なことを言わないように黙っておく。
「……」
「あーあー、本当お前さんは二年生なのに生意気だよなァ。まあ、生徒会長サマも二年生か。」
「……今日も放課後生徒会デス。」
「はいはい。……というか生徒会長サマは携帯も持っていないのか? 毎回お前さんが伝達係になっているじゃあないか。」
「……シスイ様は携帯を持たせてもらえないらしいです。」
「ふぅん? 今時珍しいな。」
「……。」
「それにしてもそこまで知っているだなんて、相変わらずお前さんは生徒会長サマの犬だな。」
「……」
私がシスイ様の犬なのは本当だが、その嘲りが混じった声は聞こえない聞こえないあーあーあー。心の中で耳を塞いでおく。
シスイ様のお家は前時代的なのだろうことは、シスイ様と関わっていると実感する。だが……それだけではないと思ってしまう私がいるのも事実。まあ、勘なのだが。
何もなければいいけど……
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