17 / 36
二章 六月のほたるい
16
しおりを挟む
グレンside
停電があった日から三日が経った。あの停電の次の日から二日程体調不良で学校を休んでいた珈夜がようやく出てきた日でもある。
俺は今日、この三日間ずっと考えていたことを実行するべく、珈夜と緑にメールを一通送った。
『生徒会長サマのことで話がある。生徒会長サマ抜きのメンバーで集まりたい。昼休み、昼飯持参で裏庭集合。』
集合を掛けた俺が一番に集まらなければ、だなんて考えて早足で集合場所へ向かう。
この学校にも裏庭はある。人通りが少ない場所故に、密会をするには適した場所である。今日も雨降りだったが、ちゃんと屋根がある所に集まる予定だ。
「遅い。」
「……早いな。」
裏庭に一番乗りしたと確信すらあったというのに、そこにはもう既に珈夜がいた。不機嫌な顔を隠さずに俺へと向けている。
生徒会長サマ関連の話だから行動力も半端ではなかったことが容易に想像出来た。
「体調はどうだ。」
「……大丈夫です。久し振りだったので少し辛かったですけど。でもシスイ様が何度も看病しに来てくださりました。」
「そうか。」
生徒会長サマの話になると不機嫌も消し飛ぶらしい。頬を緩めて幸せそうにしていた。まあ、通常運転だな、と安心する。
「はぁ、緑はまだか。」
「ごめ~ん、遅くなった~。購買のデザートってどれも美味しいからねぇ~迷っちゃったぁ~」
「……はぁ。」
まあ、こちらもいつも通り、か。二人の様子を観察して元気そうであることを確認してひっそりと安堵しておく。
三人ともベンチに座り一息ついた後、俺は真面目な顔真面目な声で話し始めた。
「さて二人とも。話がある。生徒会長サマのことだ。」
「メールの通りだね~?」
「ああ。……で、その前に。二人とも、『蛍涙病』という言葉に聞き覚えは?」
それを知っているかどうかで説明量が変わってくる。さて、二人はどんな反応をするのやら。
停電があった日から三日が経った。あの停電の次の日から二日程体調不良で学校を休んでいた珈夜がようやく出てきた日でもある。
俺は今日、この三日間ずっと考えていたことを実行するべく、珈夜と緑にメールを一通送った。
『生徒会長サマのことで話がある。生徒会長サマ抜きのメンバーで集まりたい。昼休み、昼飯持参で裏庭集合。』
集合を掛けた俺が一番に集まらなければ、だなんて考えて早足で集合場所へ向かう。
この学校にも裏庭はある。人通りが少ない場所故に、密会をするには適した場所である。今日も雨降りだったが、ちゃんと屋根がある所に集まる予定だ。
「遅い。」
「……早いな。」
裏庭に一番乗りしたと確信すらあったというのに、そこにはもう既に珈夜がいた。不機嫌な顔を隠さずに俺へと向けている。
生徒会長サマ関連の話だから行動力も半端ではなかったことが容易に想像出来た。
「体調はどうだ。」
「……大丈夫です。久し振りだったので少し辛かったですけど。でもシスイ様が何度も看病しに来てくださりました。」
「そうか。」
生徒会長サマの話になると不機嫌も消し飛ぶらしい。頬を緩めて幸せそうにしていた。まあ、通常運転だな、と安心する。
「はぁ、緑はまだか。」
「ごめ~ん、遅くなった~。購買のデザートってどれも美味しいからねぇ~迷っちゃったぁ~」
「……はぁ。」
まあ、こちらもいつも通り、か。二人の様子を観察して元気そうであることを確認してひっそりと安堵しておく。
三人ともベンチに座り一息ついた後、俺は真面目な顔真面目な声で話し始めた。
「さて二人とも。話がある。生徒会長サマのことだ。」
「メールの通りだね~?」
「ああ。……で、その前に。二人とも、『蛍涙病』という言葉に聞き覚えは?」
それを知っているかどうかで説明量が変わってくる。さて、二人はどんな反応をするのやら。
0
あなたにおすすめの小説
つまらない妃と呼ばれた日
柴田はつみ
恋愛
公爵令嬢リーシャは政略結婚で王妃に迎えられる。だが国王レオニスの隣には、幼馴染のセレスが“当然”のように立っていた。祝宴の夜、リーシャは国王が「つまらない妃だ」と語る声を聞いてしまい、心を閉ざす。
舞踏会で差し出された手を取らず、王弟アドリアンの助けで踊ったことで、噂は一気に燃え上がる――「王妃は王弟と」「国王の本命は幼馴染」と。
さらに宰相は儀礼と世論を操り、王妃を孤立させる策略を進める。監視の影、届かない贈り物、すり替えられた言葉、そして“白薔薇の香”が事件現場に残る冤罪の罠。
リーシャは微笑を鎧に「今日から、王の隣に立たない」と決めるが、距離を取るほど誤解は確定し、王宮は二人を引き裂いていく。
――つまらない妃とは、いったい誰が作ったのか。真実が露わになった時、失われた“隣”は戻るのか。
三十年後に届いた白い手紙
RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。
彼は最後まで、何も語らなかった。
その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。
戴冠舞踏会の夜。
公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。
それは復讐でも、告発でもない。
三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、
「渡されなかった約束」のための手紙だった。
沈黙のまま命を捨てた男と、
三十年、ただ待ち続けた女。
そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。
これは、
遅れて届いた手紙が、
人生と運命を静かに書き換えていく物語。
【完結】仲の良かったはずの婚約者に一年無視され続け、婚約解消を決意しましたが
ゆらゆらぎ
恋愛
エルヴィラ・ランヴァルドは第二王子アランの幼い頃からの婚約者である。仲睦まじいと評判だったふたりは、今では社交界でも有名な冷えきった仲となっていた。
定例であるはずの茶会もなく、婚約者の義務であるはずのファーストダンスも踊らない
そんな日々が一年と続いたエルヴィラは遂に解消を決意するが──
嘘をありがとう
七辻ゆゆ
恋愛
「まあ、なんて図々しいのでしょう」
おっとりとしていたはずの妻は、辛辣に言った。
「要するにあなた、貴族でいるために政略結婚はする。けれど女とは別れられない、ということですのね?」
妻は言う。女と別れなくてもいい、仕事と嘘をついて会いに行ってもいい。けれど。
「必ず私のところに帰ってきて、子どもをつくり、よい夫、よい父として振る舞いなさい。神に嘘をついたのだから、覚悟を決めて、その嘘を突き通しなさいませ」
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
遡ったのは君だけじゃない。離縁状を置いて出ていった妻ーー始まりは、そこからだった。
沼野 花
恋愛
【3月中――完結!】
積み上がった伏線の回収目前!!
夫にも子どもにも、私は選ばれなかった。
長年の裏切りを抱え、離縁状を置いて家を出た――。
待っていたのは、凍てつく絶望。
けれど同時に、それは残酷な運命の扉が開く瞬間でもあった。
「夫は愛人と生きればいい。
今さら縋られても、裏切ったあなたを許す力など残っていない」
それでも私は誓う――
「子どもたちの心だけは、必ず取り戻す」
歪で、完全な幸福――それとも、破滅。
“石”に翻弄された者たちの、狂おしい物語。
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
【完結】ひとつだけ、ご褒美いただけますか?――没落令嬢、氷の王子にお願いしたら溺愛されました。
猫屋敷むぎ
恋愛
没落伯爵家の娘の私、ノエル・カスティーユにとっては少し眩しすぎる学院の舞踏会で――
私の願いは一瞬にして踏みにじられました。
母が苦労して買ってくれた唯一の白いドレスは赤ワインに染められ、
婚約者ジルベールは私を見下ろしてこう言ったのです。
「君は、僕に恥をかかせたいのかい?」
まさか――あの優しい彼が?
そんなはずはない。そう信じていた私に、現実は冷たく突きつけられました。
子爵令嬢カトリーヌの冷笑と取り巻きの嘲笑。
でも、私には、味方など誰もいませんでした。
ただ一人、“氷の王子”カスパル殿下だけが。
白いハンカチを差し出し――その瞬間、止まっていた時間が静かに動き出したのです。
「……ひとつだけ、ご褒美いただけますか?」
やがて、勇気を振り絞って願った、小さな言葉。
それは、水底に沈んでいた私の人生をすくい上げ、
冷たい王子の心をそっと溶かしていく――最初の奇跡でした。
没落令嬢ノエルと、孤独な氷の王子カスパル。
これは、そんなじれじれなふたりが“本当の幸せを掴むまで”のお話です。
※全10話+番外編・約2.5万字の短編。一気読みもどうぞ
※わんこが繋ぐ恋物語です
※因果応報ざまぁ。最後は甘く、後味スッキリ
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる