千年生きた伝説の魔女は生まれ変わる〜今世の目標は孤独死しないことなのじゃっ!〜

君影 ルナ

文字の大きさ
21 / 206
追い出されたよ編

2-5

しおりを挟む
 路地裏に入り、人が見ていないことを確認する。

 さて、とまずは存在消し魔法を掛ける。これで誰にも見えない。さらに近くに人間がいないか探知魔法を使ってみると誰もいないことが分かる。よし、オーケーじゃな。

 周りを警戒しながら先程買った服にささっと着替える。ぶかぶかなそれだが、次に掛ける魔法でぴったりになるじゃろう。










 次にワシは幻影魔法を自分に使って十五、六歳頃のワシ(のイメージ像)を作り出す。おお、こう使えばワシ自身の目線も高くなるのぅ。どこからどう見ても幼児ではなく若者じゃな!

「よし!」

 あ、声も少し大人びたものに変えた方がいいじゃろうか。今の声はやはり年相応六歳児のたどたどしさがあるからの。

 ええと、何の魔法を使えばいいか……

「……いい魔法を思い出せん。」

 記憶力の無さがここで出てしまった。ううむ。

 仕方ない。ワシの年寄りじみた口調でプラマイゼロ……ということにしておこう。うん。




 くるりとその場で回ってみると、フレアワンピースがふわりと舞う。うん、これにして良かったのぅ! 気分も上がる。

 さて、と存在消し魔法を解き、路地裏を出る。

「きゃー!」

 その時声が聞こえてきた。ん? なんじゃ?

 声がした方を見るとでかい熊のようなものがいた。そして声の主は多分熊の前でへたり込んだ女の人じゃろう。

 熊は今にも女の人に襲いかかろうとしていた。

「ふむ、このまま見過ごすことは出来んの。」

 もしかしたら素材として売れるかもしれんしのぅ、あまり傷は付けたくない。なら……

「前世でもよく使ったあれを……」

 瞬間移動の魔法を応用して、あの熊の血を一気に抜く。するとバタリと熊は倒れた。

 はいいが……あー、抜き取ってワシの手の上でふわふわ浮いているこの血はどうするか……。

 売れるものかの? まあ要らなければどっかに捨てればいいか。深く考えることを放棄した。

 さて、ワシが今持っている斜めがけ鞄(の中に収納魔法を掛けたので無限に収納出来る優れもの)に熊を入れる。

 これで幾らぐらいになるかの? 実に楽しみじゃ。

 ほくほく顔でまた歩き出そうとした時、女の人の声が聞こえてきた。

「あ、あなた様が倒してくださったんですね! ありがとうございますっ!」

 声の主は熊の前にいた女の人じゃった。しかしこちらを見て拝んできて……拝んできた? 何故?

「ん? ああ。……この熊、貰ってくぞ?」

 それだけは譲れん。

「はい! もちろん! ……あ、それよりお礼をさせてください!」
「要らん。ワシはこの熊が目当てじゃったからの。」
「そう言わずに!」

 なかなか引かない女の人。ふむ、ならば頼み事をした方が穏便に済ませられるかの。

「……ならば、二つ。安くて良い宿と、信頼出来る質屋を教えてくれ。ここら辺には疎くての。」
「はいっ! なら私が経営する宿屋なんていかがでしょう! お安くします! 命の恩人ですから!」
「なぬ! それは良いことを聞いた!」

 今のワシにとって安く済むならなんぼでも安くしておきたい。

「後は質屋ですよね。それなら……」

 女の人は親切に教えてくれた。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

彼の言いなりになってしまう私

守 秀斗
恋愛
マンションで同棲している山野井恭子(26才)と辻村弘(26才)。でも、最近、恭子は弘がやたら過激な行為をしてくると感じているのだが……。

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?

セクスカリバーをヌキました!

ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。 国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。 ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

盾の間違った使い方

KeyBow
ファンタジー
その日は快晴で、DIY日和だった。 まさかあんな形で日常が終わるだなんて、誰に想像できただろうか。 マンションの屋上から落ちてきた女子高生と、運が悪く――いや、悪すぎることに激突して、俺は死んだはずだった。 しかし、当たった次の瞬間。 気がつけば、今にも動き出しそうなドラゴンの骨の前にいた。 周囲は白骨死体だらけ。 慌てて武器になりそうなものを探すが、剣はすべて折れ曲がり、鎧は胸に大穴が空いたりひしゃげたりしている。 仏様から脱がすのは、物理的にも気持ち的にも無理だった。 ここは―― 多分、ボス部屋。 しかもこの部屋には入り口しかなく、本来ドラゴンを倒すために進んできた道を、逆進行するしかなかった。 与えられた能力は、現代日本の商品を異世界に取り寄せる 【異世界ショッピング】。 一見チートだが、完成された日用品も、人が口にできる食べ物も飲料水もない。買えるのは素材と道具、作業関連品、農作業関連の品や種、苗等だ。 魔物を倒して魔石をポイントに換えなければ、 水一滴すら買えない。 ダンジョン最奥スタートの、ハード・・・どころか鬼モードだった。 そんな中、盾だけが違った。 傷はあっても、バンドの残った盾はいくつも使えた。 両手に円盾、背中に大盾、そして両肩に装着したL字型とスパイク付きのそれは、俺をリアルザクに仕立てた。 盾で殴り 盾で守り 腹が減れば・・・盾で焼く。 フライパン代わりにし、竈の一部にし、用途は盛大に間違っているが、生きるためには、それが正解だった。 ボス部屋手前のセーフエリアを拠点に、俺はひとりダンジョンを生き延びていく。 ――そんなある日。 聞こえるはずのない女性の悲鳴が、ボス部屋から響いた。 盾のまちがった使い方から始まる異世界サバイバル、ここに開幕。 ​【AIの使用について】 本作は執筆補助ツールとして生成AIを使用しています。 主な用途は「誤字脱字のチェック」「表現の推敲」「壁打ち(アイデア出しの補助)」です。 ストーリー構成および本文の執筆は作者自身が行っております。

サイレント・サブマリン ―虚構の海―

来栖とむ
SF
彼女が追った真実は、国家が仕組んだ最大の嘘だった。 科学技術雑誌の記者・前田香里奈は、謎の科学者失踪事件を追っていた。 電磁推進システムの研究者・水嶋総。彼の技術は、完全無音で航行できる革命的な潜水艦を可能にする。 小与島の秘密施設、広島の地下工事、呉の巨大な格納庫—— 断片的な情報を繋ぎ合わせ、前田は確信する。 「日本政府は、秘密裏に新型潜水艦を開発している」 しかし、その真実を暴こうとする前田に、次々と圧力がかかる。 謎の男・安藤。突然現れた協力者・森川。 彼らは敵か、味方か—— そして8月の夜、前田は目撃する。 海に下ろされる巨大な「何か」を。 記者が追った真実は、国家が仕組んだ壮大な虚構だった。 疑念こそが武器となり、嘘が現実を変える—— これは、情報戦の時代に問う、現代SF政治サスペンス。 【全17話完結】

処理中です...