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追い出されたよ編

2-14

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「はい! こちらです!」

 そう言って連れて行かれた先にあったのは、なんとかベアの毛皮のようなものなど諸々が置いてある台じゃった。

「いやあ、鮮度も良くて余計な傷もない! こりゃあ高く売れるぞ、と解体しながらワクワクしてましたよ、ええ!」
「そ、そうか。」

 ビビリ成分が無くなった担当の人はそれはもう楽しそうに、嬉しそうに言う。少し鼻息も荒いような気がするが、多分気のせいではない。

「で、素材なのですが……全てこちらで引き取り、でよろしかったでしょうか。」
「というと?」

「いえ、例えば自分の武器を作る素材の爪だけ貰って他は売る、とか、お肉は食べる用で貰う、みたいな風にされる方もいらっしゃいますので……。そうなると、まあ、こちらで引き取る素材が少なくなるので報酬も少なくなりますが。」
「ふむ、なるほど。」

 そういうことも出来るのか。ふむふむ。

「……そのベアの肉は美味いのか?」
「ええ! それはもう美味しいですよ! お鍋にするのが私のオススメです!」

 じゅるり。それを聞いて涎が出てしまいそうになるのを必死で止める。出てないよな、と口の周りを手で拭ってみたりもしたが、大丈夫じゃった。

 しかしお鍋とな……それは是非とも食べてみたいものじゃな!

「あ……宿屋で食材の持ち込みはオーケーなのじゃろうか……」

 ワシは今宿屋に泊まっているのを思い出した。持ち込みが駄目ならどうしようか。わざわざ外で自分で焼くか……?

「あー、基本的にはオーケーだったような気がします。ちなみにどこの宿屋さんですか?」
「あー、オルコットのいる……」

 何て名前の宿屋じゃったか……。思い出せん。むむむ、と頭を捻る。

「ああ、オルコットさんの……確か杏子屋あんずやですね。」
「ああそうそう! それじゃ!」

 言われれば思い出せるのぅ! そうじゃそうじゃ、杏子屋じゃ!

「確か持ち込みオーケーだったはずですよ!」
「ほう! ならばベアの肉を幾らかこちらで引き取ろう!」
「分かりました! では、今報酬額を計算し直しますね!」
「頼む!」

 じゅるり。今日はオルコットに言ってベア鍋じゃな!
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